goo

覚書--日本と他の国--

覚書
--日本と他の国--

もちろん一般化はできないが、以下のようなことを
今回のロンドン出張中にふと考えた。

日本と他の国との違いは、人と人の対話のありかたの違い、
人間関係のつくりかたの違いでは。

日本以外の人々は、自分がいいたいことをいって関係をつくる。
日本人は相手に話させることによって関係をつくる。

だからヨーロッパには雄弁術のようなものがあった。ある。
だから日本では、出すぎる杭は打たれる。評価されない。

(あと六行、後半が書けたらソネット……。)


コメント ( 0 ) | Trackback (  )

夏目漱石、『抗夫』

夏目漱石、『抗夫』

問題作・「実験的習作」・「中途半端」な小説、とのこと
だが(岩波文庫版「解説」)、イギリス文学との関連で
読めば、めざすところはそれなりに明確に理解できるように
思われる。

枠組みは、『トリストラム・シャンディ』的な自意識的な語り(?)

内容は、ポウプの『批評論』・『人間論』・『道徳論』の
近代版、日本版、そして(疑似)労働者版とでもいうべきもの。
明確な物語の筋ではなく、主人公(「自分」)の観察や所見が中心。

知性とやさしさ・あたたかさを兼ね備えつつも、
「已むを得ない事情から、已むを得ない罪を犯し」て
抗夫となっている安さんは、近代・日本・労働者版の
バイロニック・ヒーロー。

その他、探ればいろいろな素材・題材が散りばめられて
いるはず。

「堕落の修行」、「堕落の稽古」、「一人前に堕落」
などというのは、イギリスのスノビズムの真逆の発想。
(ピカレスクものなどに起源がある? )

ロンドン帰りだから特に感じるのだろうが、
86にある金銭と恥についての議論など、
まさに日本的。

* * *
学生の方など、自分の研究/発表のために上記を
参照する際には、このサイトの作者、タイトル、URL,
閲覧日など必要な事項を必ず記し、剽窃行為のないように
してください。

ウェブ上での引用などでしたら、リンクなどのみで
かまいません。

商用、盗用、悪用などはないようお願いします。


コメント ( 0 ) | Trackback (  )