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トヨタ「エスティマ」異例の改良を決めた理由 登場10年の現行3代目は、新境地へ向かう

2016年02月20日 09時03分42秒 | ブログ

トヨタ「エスティマ」異例の改良を決めた理由 登場10年の現行3代目は、新境地へ向かう

現行の3代目エスティマ。ビッグマイナーチェンジ後はさらに存在感が増すことになるだろう© 東洋経済オンライン 現行の3代目エスティマ。ビッグマイナーチェンジ後はさらに存在感が増すことになるだろう

 トヨタ自動車の大型ミニバン「エスティマ」。「天才タマゴ」のキャッチコピーで1990年から続くミニバンカテゴリーのスペシャリティカーだ。その初代から数えて3代目となる現行モデルは2006年1月の登場から、丸10年が経過した。

 初代は9年(1990~1999年)、続く2代目は5年(2000~2005年)というサイクルで次期型に切り替わったが、3代目はなかなかフルモデルチェンジ(全面改良)の情報が入ってこない。「次期型は存在しない」「(トヨタの大型ミニバンで兄弟車関係の)アルファード&ヴェルファイアと三つ子車になる」など、さまざまな噂が飛び交ってきた。

 結論からいえば、フルモデルチェンジは少なくとも今年はなさそうだ。ただし、3代目エスティマはこのままでは終わらない。筆者は今年6月に現行エスティマがビッグマイナーチェンジを行うという確定情報をキャッチした。

 その最新モデルの発表日は6月6日(5月23日より生産開始)。各販売店での店頭発表会は6月18・19日の週末が予定されている。4月末に価格などの情報が各販売店に知らされるようなので、このタイミングで正式な予約受注が始まることだろう。ただし、実際にはゴールデンウイーク終了後となる販売店も多いかもしれない。

 マイナーチェンジとは車体の基本設計を維持したままでの部分改良であり、通常はあまり大きな変更は加えられないが、今回のエスティマについてはビッグマイナーチェンジと銘打つように、フロントとリアスタイルの大幅変更とともに、キャラクターもかなり大きな変化を遂げそうだ。発売10年が経過したモデルとしては、かなり異例といってもいいだろう。

 今回のビッグマイナーチェンジで、これまで設定されてきた排気量3500ccのV6エンジンを積むモデルは廃止され、同2400cc直4エンジンとハイブリッドモデル(HV)に集約。グレード体系でも、エアロ系ともいえる「アエラス」仕様に一本化される。筆者が得ている情報によると、「アエラス・プレミアムG」「アエラス・スマート」「アエラス・プレミアム」「アエラス」の4グレードが設定される見込みだ。

 加えて、2種類のセンサーで危険を察知して追突や車線逸脱を防ぐ衝突事故支援回避パッケージ「トヨタセーフティセンスC」が全車標準装備される。ただし、今回はフルモデルチェンジではないので、プラットフォームの刷新などはなく、また最近のトヨタ車でよくある、スポット溶接増しなども行なわない。

 それでは今回のビッグマイナーチェンジの目玉ともいえる内外装の変更点を見ていこう。まずエクステリアは「SMART ADVANCE」をコンセプトに、フロントにLEDヘッドランプ(全車標準装備)を採用し、アエラスをベースにフード、グリル、バンパー。フェンダーそしてリアコンビランプデザインを一新。

 フロントは左右両サイド下に縦レイアウトのLEDアクセサリーライトを配置する。最近のトヨタ車のトレンドともいえる、六角形の大型グリルが特徴的で、現行モデルよりは、かなりアグレッシブなものとなるのは間違いないようだ。

 テールランプは釣り目のような形状となり、小さなLEDランプが周囲を取り囲むコンビネーションランプになるとのこと。左右テールランプの間はガーニッシュが施されるが、赤ではなく黒またはスモークメッキタイプとなるようだ。

 ボディカラーはボルドーマイカメタリックとグレイッシュブルーマイカメタリックは廃止。代わってスパークリングブラッククリスタルシャイン、レッドマイカメタリック、ダークシェリーマイカメタリックが設定される。さらに新型では2トーン色が3パターン設定される。レッドマイカメタリック、ダークシェリーマイカメタリック、アイスチタニウムマイカメタリックについては、ルーフ、ピラー、ミラーガーニッシュがブラック塗装になる。

 アルミホイールは18インチをベースにグレー塗装の新デザインタイプが新設定される。ただしハイブリッドは17インチのみ設定。ツートーンは現行型のブラック塗装タイプを装着。

 またインテリアもインパネ周りを中心に大規模な変更を受ける。そのインパネは大画面カーナビのビルトインにも対応できるように大幅にデザイン改良を実施。インパネアッパー部には合成皮革を採用することで質感アップを演出している。メーター、ステアリング、センタークラスターも変更を受ける。

 初代エスティマはミニバンブーム前夜の日本の自動車市場に衝撃を与え、スタイリッシュな多人数乗り車を好むファンを獲得した。1994年にホンダ「オデッセイ」の登場でミニバンブームが確立され、各社がさまざまなミニバンを投入し、多様化していった中でもエスティマはミニバンカテゴリのスペシャルティカーとして異彩を放ち続けてきた。

 さすがに1990年代の登録車である初代ユーザーはほとんどいなくなっているものの、エスティマはピーク時には年10万台以上を売ったヒットモデルで、歴代モデルを乗り継いでいるファンも多く、筆者のまわりでも、「次期型が出るなら必ず買う」というエスティマユーザーも少なくない。

 またアルファード&ヴェルファイアのような、大人数は乗れても元をただせば商用車っぽい流れから生まれたミニバンがどうしても好きになれないというひとが、エスティマに流れてくるケースも依然としてある。トヨタとしてもエスティマを生産終了して、みすみすこのようなニーズを逃す手はないと判断し、大幅マイナーチェンジに踏み切るのかもしれない。

 またエスティマはトヨタ店とカローラ店での併売扱いとなっている。トヨタでは、仮にある扱い車を廃止すると、同クラスもしくは同カテゴリーモデルを差し替えモデルとして新規ラインナップするのが慣例となっている。つまり取り扱い車種数を減らさない措置でもある。

 仮にエスティマを廃止してトヨタ店にアルファード、カローラ店にヴェルファイアをあてがってもいいのだが、総額で500万円前後になることも珍しくない高額車両のアルファード&ヴェルファイアは、そこまで販路を拡大するほど量販が見込めるモデルともいえない。

 当初トヨペット店のみの扱いとも言われていた「エスクァイア」がトヨタ店との併売になった理由のひとつに、エスティマとの差し替え措置という話もあったが、既納エスティマユーザーからエスクァイアの代替えはあまりうまくいっていないとも聞く。

 今回のビッグマイナーチェンジの背景にはさまざまな「大人の事情」があるのは確かな様子。3代目の現行エスティマはモデルサイクルがかなり長期化しているが、このタイミングで異例のビッグマイナーチェンジを行うあたり、それだけエスティマの人気が根強いことが伺える。さらには、おそらく次期型4代目の開発が進んでいる裏返しともいえる。

 どのような形にしろ、部分改良とはいえ見た目がガラリと変わった新型エスティマが登場することを、拍手喝采で迎えるファンが多いのは間違いないはずだ。同時にラージサイズミニバンクラスにおけるトヨタの優位性がますます高まるのも間違いないだろう。


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