バレエの国際大会でグランプリを獲得した御所市出身の17歳がいる。ウクライナのバレエ学校に留学中の矢倉杏理(ももり)さん。「プロのバレエ団に入団し、世界を飛び回って踊りを見てもらいたい」。そんな夢を思い描く。

 矢倉さんは3月、ウクライナで開かれた国際バレエコンペティションのシニア部門に出場。クラシックとコンテンポラリーダンス(現代舞踊)を踊り、1位となった。「努力してきた結果が出てよかったです」と喜ぶ。

 姉の影響で、3歳からバレエを習い始めた。市立御所中学2年生のころ、大阪で開かれた全国大会で3位となり、ウクライナの首都キエフにあるバレエ学校への推薦を得た。中学3年だった2014年9月、卒業を待つことなく、バレエ学校の新学期に合わせて留学した。

 ログイン前の続き留学当初、言葉がわからず、携帯電話を盗まれるなどのトラブルもあった。指導してくれる先生とうまくいかないことも。母との電話がほっとするひとときだった。悩みを話すと、母は励ましてくれた。

 16年春、エストニアであった国際バレエコンクールで5位に入賞した。だが、コンテンポラリーダンスで得点を伸ばしきれなかったことが悔しかった。

 体幹や筋力を鍛え直し、練習量を増やした。細かな振り付けを見直し、得意の回転を増やした。コンテンポラリーダンスを磨くため、専門の先生のところへ連絡し、教えてもらった。その結果が今年のグランプリへつながった。

 来年夏には卒業を迎える。バレエ団入団のディプロマ(資格)を取得するため、練習を重ねる。「動きを見てもらって感動を与えるのがバレエ。踊りきり、拍手をもらったり、『よかったね』と言ってもらったりするのがうれしい。応援してくれる人の存在が、やりがいにつながっています」

 バレエ学校が夏休みのため、御所市に一時帰国中だ。9月16日午後3時半から、大和高田市本郷町のさざんかホールで、矢倉さんが通っていたバレエ教室の発表会があり、矢倉さんも出演する。無料だが、案内はがきが必要。問い合わせは事務局(090・1908・6388)へ。