goro's 花 Diary

東京の街を彩る花たちを追っかけています。

鬼のいる街

2007年07月30日 | 07 花たち

宇和島が私の生まれ育ったところだということは、先刻ご存知ですよね。。
愛媛県宇和島市の中でも、南西部の海べりの小さな集落が、私の故郷です。
goro's Diary のなかでは村と表しております。
どう考えても町ではありませんし、村と表現するのがいちばんしっくりします。
昨年アップした田舎の写真で確認してみてください。
昭和の大合併で、31年に宇和島市に編入される以前は、北宇和郡三浦村でしたからね。

遊子(ゆす)水ヶ浦の段々畑」のことはご存知ですか?

「日本農村百景」に選定され、ここにきてTVでの露出も多くなっているようですから、見たことがあるというかたもいらっしゃるでしょうね。
宇和島市内から陸路「水ヶ浦」を目指すと、必ず我が故郷を通り抜けます。
現在ではすっかり様変わりしていますが、昔は水ヶ浦と同じような段々畑が、小高い山の天辺まで開かれていました。

今更、何故こんなことを書いているのかといいますと、花にまつわるエピソードを記事にする作業をやっていると、それらの花と出会った具体的なシーンが、とみに蘇ってまいります。
場所はもちろん、一緒にいた仲間たちの幼い顔も蘇ります。
感傷といえばそれまでですが、そのときに得たものの多さに、改めて気付かされております。

昭和30年代を四国の田舎で過ごした少年が、この先のgoro's Diary でも度々顔を出してくると思います。
よろしくお付き合いください。


今回紹介するのも、田舎の野辺で咲いてた花です。



【オニユリ・鬼百合】ユリ科

私たちは、単にユリといったら、このオニユリのことを指してました。
山ユリとも言ってましたが、山野にあるからという、それだけのことです。
白色系のユリは、田舎には自生していませんでした。

日本は原種のユリの宝庫で、ヤマユリやカノコユリなどは、品種改良の母体になり、今でもたくさんの園芸種を生み出しております。

山野に自生し、いかにも日本在来種ですよって顔をしているオニユリですが、実は 古い時代に中国からやってきた栽培種です。
カノコユリのお仲間です。
地下茎を食用にするために栽培してたようです。
その一部が野生化し、自生するようになったと言われています。
これは自生しているのが人里近くということで、証明出来ます。
もし山の中でオニユリを見かけたら、そのあたりは、いつの時代かに人間の暮らしがあったところだと判断できます。
自生地は九州など、西日本に多く見られるようですよ。

宇和島には群生地というものはありませんでしたが、海岸線でも山野でも、どこででも見られる野辺の花でしたね。

オニユリの名前の由来の前に、まずユリ・百合のことから。

細い茎に大きな花が咲き、風でゆり動かされることから、ユリと呼ばれるようになったそうです。
漢字の「百合」は漢名で、昔は「由利」の字が使われていたようです。

オニは鬼ですから、植物名の世界の法則だと、大きいという意味です。

花も姿も大きく豪快で、見事な花を咲かせるユリというのが、名前の由来でしょうかね。
大きなものだと、背丈を越えるくらいのものもありますし、1本に10個以上の花を咲かせるものもあります。

そっくりな花でコオニユリというのがあるのですが、見分けるのは簡単です。
ムカゴが付くのがオニユリ、無いのがコオニユリです。


オニユリの花、東京の街角でも見かけられます。

都会の風景の中でも、堂々とした姿で咲いておりますよ。



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4 コメント

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ゴローさんの、 (noodles3)
2007-07-31 01:45:52
郷愁だったのですね!

花キャリアの浅い僕も、子供の頃オニユリだけは観ていた記憶があるんです。

そして、その当時も今も、オニユリの雄しべの花粉!
厄介です。。。
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花粉 (悟郎)
2007-07-31 02:55:21
★noodlesさん

強烈な花色でしたのでね、少々遠くても、咲けばすぐにわかりました。

そうでしたか、noodlesさんも子供の頃から観ていましたか。
やっぱり存在感があったんですね。

ユリ科の花の花粉には、注意しないといけませんね。
指で触っても、色素が移りますものね。
返信する
オニユリ (ポージィ)
2007-07-31 09:59:19
私は悟郎さんやnoodlesさんと違って、子供の頃身近にユリを見た
記憶というのはないんですよ。行動範囲が狭かったせいもあるかも
しれませんけれど。外を飛び回って遊ぶより、家で本にくすがりこんで
(この言い方お分かりになります?よく母に言われたんですけど)
すごすことの多い子供でしたし。

オニユリはこの色の濃さと思いっきり反り返る花びら、点々が
特徴的だなぁと思っています。オニの名前とこの点々のせいで、
オニユリを見ると、ついつい「鬼~のパンツはいいパンツ~♪
強いぞ強いぞ~♪」という歌が自動的に流れます(^^;)
鬼のパンツといったらトラ皮のような縞々でしょうに、なんでだろ?

「もし山の中でオニユリを見かけたら、そのあたりは、いつの時代かに
 人間の暮らしがあったところだと判断できます。」
この文に、またもや想像の世界へ飛んでしまいました。
草生した場所に点々と咲くオニユリを見つけ、いにしえの人々の
暮らしに思いを馳せる自分の姿。
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特権 (悟郎)
2007-08-01 04:27:46
★ポージィさん

山野に自生しているユリの花、ポージィさんの身近にはありませんでしたか。
あればすぐわかるし、記憶にも残ってますよね。
「家で本にくすがりこんで」ですか?
なんとなく、ニュアンスはわかります。
「集中」とか?「入れ込む」とか?「夢中になる」とか?
そんなところじゃありませんか?

そうですね。
他のユリとは違う特徴が、オニユリにはありますよね。
「鬼~のパンツはいいパンツ~♪強いぞ強いぞ~♪」って歌、私は知りませんけど、ここまで歌われていたら、虎皮パンツのことなど、忘れてしまいます(笑)。

ふふふ、反応してくださいましたね。
人間と関わることでしか勢力を拡大出来ない植物たちがあることを、ブログを始めてから知りました。
人間たちは消えてしまっても、その証は綿々と残る。
想像力を持つものたちの、特権です。
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