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オリンパス「PEN-F」トークイベント

2016年02月21日 | カメラ

オリンパス「PEN-F」の魅力について、プロ写真家が解説するトークイベントが、2月6日から14日にかけて東京と大阪で開催。

13日、オリンパスプラザ大阪で、曽根原昇氏のトークを聞いてきました。

 

曽根原昇氏の「PEN-F」トークイベント(オリンパスプラザ大阪で)。

用意された席はほぼ満席。あとから来た人のために椅子を増やしたほどで、盛況でした。

 

曽根原氏は、愛知県三河湾に浮かぶ離島、佐久島で撮った猫の写真をもとに、まず「PEN-F」のモノクロプロファイルについて解説。

猫が好きなんだそうです。そのせいか、撮られる猫の方も警戒心がない、のんびりした表情…

 

モノクロプロファイルコントロール

プロファイルコントロールは、「PEN-F」の目玉機能。

オリンパスのサイトでは、

『簡単なダイヤル操作で効果を確認しながら、フィルム写真のプロセス(フィルム選び、撮影、現像、焼付け)を行うように作品作りが楽しめるPEN-Fの新機能。感じた思いをその場で自在に表現できます。』

と書かれています。ただ、抽象的で具体的にどうするのかイメージしにくいですね。

実際に使ってみた方が直感的に理解しやすいと、曽根原氏も話していました。

 

モノクロの場合、カメラ前面のクリエイティブダイヤルを「MONO」にします。

クリエイティブダイヤル。

 

液晶モニタのモノクロの画像に、8色に色分けされたカラーの円グラフが現れるので、シャッターまわりのダイヤル(フロントダイヤル)を回し、使いたいカラ―フィルターを選択します。

モノクロフィルム撮影でカラ―フィルターを使った経験のある人は分かると思いますが、フィルターの色と同じ色が明るく、その補色は暗く写ります。個人的には昔、青空をドーンと暗く落とし雲を浮き上がらせるためオレンジのフィルターをよく使いました。

緑フィルターは、ポートレートで肌や唇の色合いを見た目に近く表現するために使われます(これは経験なし)。

そうした、モノクロフィルムに対する効果と同じで、曽根原氏はあくびをした猫の舌の質感を出すために緑フィルターを使ったとのこと。

 

次に、モードダイヤルの下にあるレバーを左右に動かしてハイライト&シャドウ、シェーディング効果を選びます。

モードダイヤル下のレバー。

 

ハイライト&シャドウは、トーンカーブを操作してコントラストを強くしたり弱めたりするもの。シェーディングは、画像の周囲の焼き込み(逆に明るくすることも可)。いずれも液晶モニタにグラフやバ―が現れるので、フロントダイヤル又はリアダイヤルを回して自分好みに調整します。

フィルムのような粒状感を加えることもできます(操作法は… メニューからだったかな? 聞き漏らしました)。

 

曽根原氏のモノクロ作品。真正面から撮るのはまずいかなと思い、斜めからのアングルで。天井の照明や何かの茶色の線が写り込んでいて、スミマセン。

この作品は緑フィルター、シェーディング(焼き込み)を適用、粒状効果「弱」で仕上げたそうです。

 

デジタルのモノクロは、そのままだと迫力のない写真になりがちですが、プロファイルコントロールを使えばこういうメリハリをつけられるという例。

試行錯誤しながら自分だけのプロファイルを育てていく、息の長い楽しさが「PEN-F」にはある、との話でした。

 

そうした調整が難しい、あるいは面倒だという人には、プリセット(初期設定)も2種類用意されています。

「クラシックフィルムモノクロ」と「クラシックフィルムIR」。前者は、ザラっとした粒状感の(トライX のような)モノクロフィルム調。後者は赤外線フィルムのような仕上がり。

 

カラ―プロファイルコントロール

カラ―では、クリエイティブダイヤルを「COLOR」にします。

液晶モニタのカラ―画像に、12色の彩度を細かく調整できる円グラフが現れます。

彩度を調整する円グラフ。

フロントダイヤルを回して色(写真では赤)を選択、リアダイヤルでその色の彩度を調整します。丸いポッチを外側へ広げると彩度が高く、内側へ縮めると彩度が低くなります。彩度の調整は11段階。

 

曽根原氏はトルコ・イスタンブルで撮影した写真をもとに解説。

写真展「イスタンブルの壁のなか」(2月19日~2月25日、オリンパスギャラリー大阪で開催中。デジカメWatch参照)の写真で、味わいのある独特の色調でした。

その色調をどうやって出したかというと、上の円グラフで赤から黄色にかけての部分を外側に張り出させ(彩度を高く)、その他の色の部分は内側に縮め(彩度を低くし)たそうです。

グラフのポッチをつないだ形でいうと、雪だるまをおしつぶして右に傾けたような… (うまく表現できません)

 

この“イスタンブル調”、ほかの写真にも適用して見せてもらいました。午後の光というか、温かみのある表現になります。

(いいことを覚えましたね。フォトショップに応用すれば自分の写真に使えそう。イベントの収穫あり! です)

 

カラーの場合もモノクロ同様に、簡単に使えるプリセット(初期設定)が2種類用意されています。

「クロームフィルム リッチカラ―」と「クロームフィルム ビビッド」。前者は渋みのある色調。後者はフィルム「ベルビア」のような鮮やかな発色。

 

それにしても、これだけ細かな“こだわり”の調整をカメラ内で出来る機種は少ないのでは。

「外観のデザインだけではない、革新的な機能を持ったカメラ」と、曽根原氏は評価していました。

 

フィルム「ペン・F」へのオマージュ

今回の新製品「PEN-F」は、1963年に発売されたフィルムカメラのハーフサイズ一眼レフ「オリンパス・ペンF」と同じ名前。

フィルム時代の「オリンパス・ペンF」は、「オリンパスペン」(1959年)生みの親で、名設計者といわれる米谷美久(まいたに・よしひさ)氏が開発。ボディーには「F」の花文字が刻印されていました。

フィルム時代の「オリンパス・ペンF」(オリンパスのページより)。コンパクトなレンズ交換式カメラ。

 

デジタルの「PEN-F」ボディーには花文字がありませんが、オリンパスのページやパンフレットには花文字の「F」が使われています。

さらに発売記念キャンペーンとして、「PEN-F」を購入・ユーザー登録すると、花文字入りのレリーズボタン(赤か黒)がもらえ、5000円のキャッシュバックもあります。

フィルム「ペン・F」への思い入れがうかがえます。

 

「F」の花文字が入ったレリーズボタン(赤)。

 

昔、フィルム「ペン・F」を買えず眺めているだけだった者として、今回の「PEN-F」はとても魅力的です。

欲しいですね~

資金さえあれば…

 

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撮影カメラ   ソニーRX100

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