一年後の帰国に備えて、アメリカから日本への猫の輸入検疫準備の第一歩を踏み出した。
過去記事【
猫の輸入検疫 その1】は、近所の動物病院へ行き、公的機関の獣医がいるかどうか、検疫に向けての必要な処置ができるかどうか確認し、予約を入れたところまでだった。
輸入前の準備としてやらなければならないことを下記にリストアップした。
参考
農林水産省・動物検疫所のHP
★ 輸入前の準備
1)マイクロチップの装着 : (ISO)11784及び 11785に適合するもの
2)狂犬病予防注射1回目 : 少なくとも帰国7ヶ月前
3)狂犬病予防注射2回目 : 1回目の接種日から30日以上経過後
4)狂犬病ウィルスに対する血清中和抗体価の検査
5)抗体保有後の輸出前待機: 採血日から180日以上
6)事前届出書の提出: 帰国40日以上前
7)届出受理書
8)出国前の臨床検査: 搭載前2日以内
9)輸出国政府機関発行の証明書の取得
ざっと書いてもこれだけある。
今回の記事では、【猫の輸入検疫 その2】のタイトルのもと、フォレストが受けた一回目の診察の内容を記したい。
フォレストの場合(第一回目の診察)
【診察日】: 2006.3月初旬
【場所】 : カリフォルニア州南サンノゼの某動物病院
【今回の目的】
① マイクロチップの確認
② 狂犬病予防接種 1回目
【達成できたこと】
① マイクロチップが読み取れることを確認。
ISOの規格品であり、検疫検査に有効なこと。
② 狂犬病予防接種の2回目を受けられたこと。
去年の夏の定期健診の際に受けた狂犬病の注射が、有効期限内であることがわかり、一回目は接種済みとなる。今回は2回目としての予防注射をしてもらえた。
【総評】
上記の準備リストの項目の

1)~3)

までを、第一回目の診察で終わらせることができた。1回目の予防接種になると思っていたら、去年何気なく受けてあった健診の際、狂犬病予防の注射をしていたことが判明。30日の時間が短縮できた。
【確認すべきこと】: 気になるので、今後クリアにしたい事柄。下記2点。
☆ 狂犬病予防注射(OIE)
狂犬病予防注射は、国際獣疫事務局(OIE)の基準を充たした不活化ワクチンを2回以上接種しなければいけない。それ以外は認められず、再接種となり、最悪の場合、係留期間が180日まで延びてしまう。
もう一度、その規定にあった注射かどうか確認しなければ不安である。
地元の獣医が大丈夫だといったワクチンでも、日本では規格外ということがあるとの情報もいただいた。簡単に信じてはいけないということだ。 獣医さんにもお勉強してもらうしかない。
☆ 公的機関の獣医
通い始めた動物病院に公的機関の獣医はいると受付で聞き、安心していた私だか、本当にUSDA(米でいう農水省)のAPHIS(動物検疫所)の獣医なのかどうか、もう一度確認すべきだと思った。もしかしたら、公的獣医といっても、所属場所や種類がいっぱいあったりしたら、大変だ。こちらのシステムがよくわかっていないので、きちんと確認したいと思う。
これより先の【体験談】は長いので、ご興味のある方のみ、お読みくださいね。
読むだけで疲れますよ~。長いんですよ。
フォーちゃんに負担をかけないためにも、今から検疫の準備を進めていこうと思っています。
最短12時間以内の係留検査を目指していますが、農水省のマニュアルだけでは、見えない部分もあるようで、慎重に進めていきたいと思っています。
皆様からのアドバイスや情報提供、励ましも、とてもありがたく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
【第一回診察・体験談】、はじまり、はじまり~。
2006年3月初旬、予約してあったが日がやってきた。
検疫準備として、今回がフォレストにとっての初めての獣医(VET)での受診である。
まず、受付で、日本に輸入するための手続きに入りたい旨告げる。
先日予約と相談に来た時にいたスタッフは、誰もいないように見えた。
受付の女性が手にしている開いたカルテがチラッっと見えた。フォレストのカルテである。
先日渡した英語の手引書とFormA, FormCもちゃんとファイルされている。
よしっ!これは、ちゃんと目を通してくれてるに違いない。
が・・・。油断した私が悪かったことに後で気付く。
なんの予防接種かろくに確認せずに、フォレストを獣医技師のお兄さんに手渡してしまった。
「待合室で待っていてください。」と言われたので、待っていると、10分くらいしてフォレストが戻ってきた。
「今日はこれで終わりです。」と獣医技師は言う。
簡単すぎて、気持ち悪いくらいだ。
あれれ、ホントにこんなのでいいの

確認しなくちゃと、自分の頭の中の整理をしていると、清算のために受付のカウンターに呼ばれた。
レシートの詳細をよ~く見ると、
狂犬病(Rabies)ではなく他の予防接種の名前が載っているではないの~。
ガーン 
いきなり、
別の注射をされてしまったよ~。
今日受けるのは、
狂犬病の予防注射なのよ~ぉ。その為に来てるのに。
やばい、やばい!!どうなってんの~? うまく伝わってないよ。
受付で確認していると、慌てて担当らしきさっきの獣医技師のお兄さんが戻ってきた。急いでカルテを確認している。
そして、
「ソーリー。ただの定期健診じゃなかったんですね。もうこの手続きに入るんですね~。」って言われた。

ぬわにぃ?お、お、お、おんどにゃ~~~~。(おんどりゃぁ)

プルプル・・・。
そして、今更ながら、私の目の前で、前もって渡しておいた動物検疫の手引書を読み出した。
わざわざ事前に手引書を持ってきたのは、なんだったのか?確かにその時、このお兄さんはここにはいなかったし、獣医も5人くらいいて、それ以外にも獣医技師が何人もいるような病院なので、うまく話も伝わっていなかったようなのだ。そういうものなのだ。こんなことで驚いてはいけない。
うまく説明できなかった自分もいけないのだ。オロオロ。
こりゃ~頼んだからといって、まかせっきりにできない。自分でちゃんと確認しながらやってかないと、大変だと実感した。
予約と確認に来たときに、「できますよ~。海外への輸出はうちでやったことあるんですよ~。」自信たっぷりに答えてくれてたおばちゃんの笑顔にだまされてはいけない。頼りすぎてはいけない。自分がしっかりせねばぁ~~、と心から思った。反省。反省。
日本語をしゃべるようには、英語はしゃべれない。もどかしい、言葉の問題もある。英語ですべて説明しなければいけないし、とにかくコミュニケーションもしっかりとってやっていかなければと気合を入れる。大切なのは、英語のうまい下手ではなく、
コミュニケーション力
なのだ。カッチョイイ~。
今日の
目的は、
マイクロチップがちゃんと読み取れるか、国際標準機構(ISO)に適合しているものかを確認するとともに、最初の
狂犬病予防接種をすることであった。
獣医技師のお兄さんとじっくりと腰を据えて、話をし確認していくことにした。
まず、マイクロチップの確認。 読み取り機を使い、フォレストの背中にかざし、マイクロチップ番号を読み取ることができた。
フォレストは、アメリカの
Humane Society で里親になりもらってきた猫なので、マイクロチップは義務付けられており、最初から装着済みである。
そのマイクロチップがISO規格のものであるかを確認してもらう。
調べてもらい、ISO規格品ですと軽く言われたが・・・・・。
獣医技師のお兄ちゃん、私の不安が伝わったのか、
「だぼーちぇっく?」double check ?
再確認してほしいですかと聞いてくれた。お、やる気出してくれたのね。
「イエス、プリーズ。オフコースよ。」ってな訳で、電話して聞いてくれたところが、
こちら
Home Again マイクロチップを装着した犬、猫の識別、検索、データの管理をしてくれるところである。
「日本の輸入検疫で調べる際に必要」と言いながら問い合わせてくれ、その上で、
もらった
OKだったので、大丈夫だろう。
信用したいけど、後で、念のために、動物検疫所にも自分で問い合わせをして、三重の確認をしておこうかなぁとも思ってる。
次は、狂犬病の注射である。
カルテを見て調べてもらったら、去年接種した狂犬病の予防接種がまだ有効期限以内だとわかった。接種した時期の年齢も条件に達している。
その為、今回は、狂犬病の2回目の予防接種を受けられることになった。
最初に書いたリストの3番目の過程である。
間違えて別の予防接種を最初に打たれてしまったフォレスト。その予防接種も必要なものらしいが、1日に2本も接種していいのかと聞くと、問題ないと言われた。
そう言えば、余談だが、うちの子供たちアメリカに来てすぐの頃、学校に入るためには、予防接種を済ませなればならず、日本で済ませてきたものだけでは充分ではないとのことで、1日に5本もの注射をされたことがあった。 3年経った今でも、何も問題はないので、大丈夫なようだが、これも驚いたことだった。
病院で FormC(獣医の証明書用紙)に予防接種やマイクロチップの詳細を書き入れてもらい、予防接種の証明書(Rabies Vaccination Certificate)というものも添付してくれた。それで、その日の診察は終了した。
帰ってきて、再度手引書の見直しをしていて、一つ確認し忘れたことに気付く。
予防接種の種類にも規定があったのだ。
国際獣疫事務局(OIE)の基準を充たした不活化ワクチンでないといけないのだ~。
これは、次回きっちりと確認することにした。
ついでに、獣医の確認についてもしておこうと思う。
この記事を見てくださっている方から、前回の記事に対して貴重なコメントと情報をいただいた。
その動物病院には公的獣医はいるとの言葉で安心していた私だか、本当にUSDA(日本の農水省と同じ)の
APHIS(動物検疫所)の獣医なのかどうか、もう一度確認すべきだ。
犬猫の動物検疫、帰国の一年前から始めても、決して早くないと思う。
はっきり言って、
めんどくさいことばかりだが、愛するフォーちゃんのため、家族のため、自分のため、やるしかないのだ。
フォー父(夫)からも、
プライオリティナンバーワンで取り組めと言われている。
大事な大事なフォーちゃんのことなのだ。
今回お世話してくれた獣医技師の20代後半のお兄さん、よろしく頼みますよ~。
しかし、ネクストタイムには、あなたはいるのでしょうか?また別の人かもしれないわね。
私の熱意が通じたのか、あるいは恐かったのか、一生懸命に確認作業もやってくれたので、好感が持てたのだが。
「I'm counting on you. (頼りにしてますよぉ)がははははは~」
と言うと、
「I know ~. Ga-hahahahha」と笑い返してくれたので、最後までしっかり付き合ってほしいものだ。
でも、2回も注射をされたフォーちゃんは、笑顔のお兄さんに向かって、最後まで
シャーッ、シャーッと牙をむくことをやめなかった・・・。普段大人しいフォーちゃんの、シャーッ、シャーッ

久々に聞いてしまった。
次回は、リストの4番目の狂犬病ウィルスに対する血清中和抗体価の検査 をレポートしたいと思う。
最後まで読んでくださった方、お疲れ様でした。
私もがんばり過ぎたので、明日の記事はアップできないかもしれません。

この記事は、自分で調べたことや私の体験談を一例として書いております。
間違いや誤解が生じることもあるかもしれません。
実際に、検疫の手続きに入られる方は、直接、農林水産省のHPでご確認の上お願いします。
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