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つれづれの記

日々の生活での印象

なでしこの快挙  その2

2011年07月26日 12時06分55秒 | 日記
2011年7月26日(火) なでしこの快挙 その2


 FIFA女子ワールドカップについては、予選リーグを中心に、当ブログに
 なでしこの快挙 その1  (2011/7/20)
の記事を、先日載せたが、今回は、決勝トーナメントを中心に、あの興奮を、振り返ってみたい。

○ベスト8による、決勝リーグ第1戦の準準決勝は、ドイツ戦である。開催国ドイツは、予選リーグA組を、全勝で、1位で通過し、大会3連覇を狙う、強敵だ。FIFAランキングも、日本は4位だが、ドイツは2位と格上で、過去の対戦成績は、1分7敗とか。地元ドイツのプライドがあり、期待を一身に集めた完全なアウェーの戦いとあって、殆ど見込みは無い、と思っていたのだが、予想外の嬉しい結果となり、日本時間の10日の早朝に行われた対戦だが、寝ずに、TV観戦した甲斐があった。
 ドイツ国旗

 前半、チャンスだったのだが、FW永里のシュートは残念ながら枠外。又、後半のピンチで、相手のヘディングシュートを、DF近賀が、ゴール前で跳ね返し、辛うじて難を逃れた。一進一退の中、0-0のまま、延長戦に入った。
 延長前半は、決定的な場面が無く、延長の後半すぐに、FWが永里から丸山に交代したが、後半3分、状況を見ていたMF澤からの右パスを受けた丸山が、かなり斜めの角度だったのだが、右足でのシュートが、見事にネットを揺らして、これが決勝点となった。

 日独の、体格の差は歴然としているが、思ったほどには圧倒されなかったし、よく、攻め・守ったと言える。ドイツでやっている、FW安藤(デュイスブルグ)、永里(ポツダム)も出場しているが、ドイツ選手の中には、日頃の、同僚もいたのではないか。 
 先の、北京オリンピックでの3位決定戦で、このドイツに敗れて、日本が、メダルを逃したと言う、因縁の相手でもあった。

○ベスト4になった日本の勢いは素晴らしかった。準決勝は、スエーデンと対戦したが、こちらは、世界ランク5位で、日本が一つ格上だし、過去の対戦成績は、2勝2敗2分と互角で、十分に戦える相手のようだ。この対戦は、日本時間の14日の早朝に行われたが、再び、テレビにかじりついた。
 スエーデン国旗

 前半間もなく、澤が出したパスを、相手にインターセプトされ、相手のチャンスボールになってしまい、キーパーも交わされて、早々とシュートを決められてしまった。出鼻の失点のショックは、大きかったと思うが、でも、この失点に、慌てず戦い、その暫く後、宮間から出たボールを、MF川澄が右足で合わせて決め、同点とした。その後は、日本にも、何度かチャンスはあったが、決められなかった。
 ボールの支配率は日本が圧倒。中盤でのパスのやりとりのあと、宮間からのパスを、DF鮫島がシュートし、それを、キーパーがはじいたのだが、その時に、ゴール前まで詰めて来ていた澤が、ピョンとジャンプするようなヘディングで決め、2-1とリードしたのである。前半間もなく、自分からの不用意とも言えるパスを奪われて、相手の得点を許してしまった澤としては、じっと取り返すチャンスを待っていたと思われる。その借りを返した、嬉しい得点なのである
 それから間もなく、競り合いで、かなり前に出てきたキーパーがクリアーしたボールを、そのキーパーの後ろを狙って、川澄が、山なりのロビングシュートを放ち、それが無人のゴールに決まり、日本の勝利が、ほぼ確実なものとなった。川澄は2点目の活躍だ。 その後、大したピンチも無く、3-1での、不安気のない、日本の快勝となり、準決勝は終了した。これで、銀メダル以上が確定した
 後で知ったのだが、スエーデンチームでは、主力の選手が怪我で出られず、代わりの選手も、警告の累積で出られない等、不運もあったようだ。フルメンバーでの対戦だったならば、競り合いの苦戦になっていただろうか。

○決勝戦は、アメリカが相手となった。予選リーグC組で、そのアメリカに勝ったスエーデンに、準決勝で快勝したのだから、理屈では、日本がアメリカに勝つのは、おかしくはないのだが、そうは甘くない! アメリカは、FIFAランキング1位で、過去にも2回の優勝経験があり、これまでの、日本の対戦成績は、3分け23敗とか、惨憺たるもので、常識的に勝てる相手ではないのだ。
 アメリカ国旗
この決勝戦は、日本時間の18日の早朝に行われたが、勿論、早起きしてTV観戦した。

 開幕から、圧倒的にアメリカが押していて、日本が危ない場面も何度かあり、完全に、アメリカのペースに乗せられっ放しだった。でも、前半は何とか0-0に持ち込んだ。 休憩時間中、もっと日本らしい、ゆっくりした廻すサッカーをやろうと、話し合ったようだ。
 後半の早い時期、替わったモーガンが、長いロングパスを受けて、カウンター攻撃に出て、スピードを生かして、ディフェンスとGKを交わし、あっと言う間に、長いゴールを決めてしまい、均衡がくずれた。
 でも、後半も、そろそろ終わりで敗色も見えてきた頃、日本も、ゴール前の競り合いで、相手の守備陣から奪ったボールを、宮間が、難しいながらも左足でゴールを決め、同点に追いつき、2-2で延長線に持ち込んだ。

 しかし、延長線の前半に、左サイド深くから折り返したモーガンのセンタリングを、ゴール前で待っていたワンバクが、ヘディングで合わせ、早々とアメリカに得点され、またもや、先制を許し、嫌な空気が流れたが、日本チームは諦めなかった。
 そして、延長線の後半、左CKのチャンスが訪れた。蹴る宮間とゴール前で待つ澤との間で、ニアで行こうと、示し合わせたようだ。宮間が蹴ったニアのボールに、澤が、するすると飛び出して行って、足で合わせ、見事にゴールして、追いついたのだ。
 ところが、延長線の終了寸前に、日本ゴールの近くで、日本のファウルがあり、DF石清水がレッドカードで退場となり、もはやこれまで、と観念した。が、そのFKが、幸いにも外れて、2-2のまま、延長線が終了した。

 始終圧倒され、2度も先制されながらも、何とか追いついて、PK戦に持ち込んだ日本だ。ここからは、こんどは、体力よりも、精神力の勝負である。 PK戦を前にして、こんなはずではない、という、苛立った気分のアメリカに対して、日本チームには、ここまで来たのだから、楽しんで終わろう、という、リラックスした気分があったようだ。
 これまで、色んな大会のPK戦を、何度か見てきた。先のアジアカップで日本が優勝した時の、GK川島のファインセーブが目に浮かぶが、今回は、それに匹敵する、素晴らしいものであった。

 先行したアメリカのPKを、なんと、初っ端から、GK海堀が、セーブしたのである。キッカーは、ゴールの右を狙ったのだが、GKはそれを見透かしていたかのように、素早く右に動き、ボールを、手ではなく、空中の水平に近い右足に当てて、ゴールを許さなかったのである。映像を良く見ると、あの右足は、結果的にボールに当たったのではなく、右足を見ながら、意識的に当ててゴールを防いだ、と見える。自分の体を、全て活用するキーパー魂を見たように思った。キッカーの動きを、どう読み、動きを観察しながら対応していくか、キーパーの腕の見せ所だろうか。
後攻めの、対する日本のキッカーは、最も信頼のおける宮間だったが、問題なく、右に決めた。

 続くアメリカの二人目のPKは、一人目がセーブされたためか、余りにコーナーを狙い過ぎて、こんどは、左上の枠外に大きく外してしまった。相手の立て続けの失敗で、なんともいい気分だ。
 でも、油断は禁物、後攻めの日本の永里のキックは、左を狙ったが、相手のGKに読まれて、セーブされたのである。これで、1-0。

 アメリカの3人目は、左を狙ってきたが、海堀が、こんどは左に動いて、またまた止めたのである。アメリカは、3人とも失敗となった。
 そして、続く日本は、MF坂口が、左に難なく決めた。PK戦は、一般には、失敗が少なく、息詰まるような緊張感がみなぎるのだが、ここで、2-0という、予想外の展開になり、見て居ても、だいぶ気が楽になった。

 4人目のアメリカのキッカーは、エースのワンバクで、さすがに、右に、きれいに決めた。そして、いよいよ、日本の番で、これを入れれば優勝が決まると言う大事なキックだ。
 キッカーのDF熊谷は、大変なプレッシャーを感じたと思われ、空を見上げたりしたが、冷静に、左上に決め、3ー1でPK戦を制し、日本の優勝が決定したのである。

 GKの海堀だが、本戦と延長戦では、2ゴールを許したものの、PK戦で、素晴らしい活躍を見せ、日本の勝利に大きく貢献したことで、決勝戦のMVPに選ばれた。良くぞ評価してくれたと、嬉しくなる。
 大会を通じて、厳しい表情を見せ続けて、指揮に当たった佐々木監督だが、優勝決定後は、にこやかな表情で、インタビューに答えていたのが、極めて印象的である。 澤選手は、大会全体での、得点王に輝き、MVPにも選ばれた。

 強敵アメリカとの決勝戦の、本戦、延長線から、PK戦までのさわり等を、その後、何度かTVで見たのだが、結果が分かっていても、勝った試合は、何度見てもいいものである。
 でも、これだけを見たのでは、特に、本線や延長線で、相手に先行され、やはりアメリカには勝てないのか、という半ば諦めの中で観戦し、時間ぎりぎりで、何とか追いついた時には、希望が繋がり、ほっとした気分を味わった事等は、生の場面でしか味わえない、ライブ観戦の醍醐味かもしれない。
 そのハラハラドキドキが大きかっただけに、PK戦の圧勝は、格別に嬉しいのである。
逆に、アメリカにしてみれば、それだけ、悔しさも大きいだろうと思う。

○その後、帰国した日本チームの記者会見など、国内が大いに湧き、国民栄誉賞の話などもある。
 優勝報告(ネット記事より借用)
でも、彼女達は、勝利に酔いしれる間もなく、7/24から、なでしこリーグが、再スタートして、その開幕戦の開催地では、記録的な観客動員数となったようだ。

 改めて調べて見たら、日本には、男子のJリーグと同様に、女子には、なでしこリーグ(更に下位に、なでしこチャレンジリーグ)と言うのがあるようだ。上位の、なでしこリーグは、10チームから構成され、その中の、東電チームの、女子サッカー部マリーゼは、今季は自粛ということで、9チームでスタートとなったようだ。 チームの中には、地域独自のチームがある他、Jリーグチームの、女子部として運営されているところもある。

 今回の、なしこジャパンに出ている20名の選手の、国内の所属チームと、選手数は
   INAC神戸レオネッサ   7名
   岡山湯郷Belle     2
   日テレ・ベレーザ     2
   浦和レッズレディース  3
   アルビレックス新潟レディース 2
   ジェフユナイテッド市原・千葉 1

で、今回、日本代表は出さなかったが、国内の他のチームとしては、
  ASエルフ狭山FC
   伊賀フットボールクラブ
  福岡I・アンクラス
がある。
今回のなでしこジャパンメンバーには、以下のように、外国チームに所属して活躍している選手も、何人かいる。
   在ドイツのチーム  2 名
   在フランスのチーム  1
   在アメリカのチーム  1

○今回の優勝で、日本国内での女子サッカーの知名度は、一気に上がったが、一時的な人気に終わらないことを願っている。
今大会終了後に発表されたFIFAランキングは、優勝した日本が1位と思いきや
   1位 アメリカ
   2位 ドイツ 
   3位 フランス
   4位 日本
   5位 スエーデン
と、大会前と、少しも変わっていない事を、重く受け止めるべきだろう。
 幸いなことに、来年には、ロンドンオリンピックがあり、それに向けての予選(9月 中国)など、当面、関心が薄れることは無いだろう。そして、オリンピックでも、念願のメダル獲得(出来れば、金色)が実現すれば、日本の実力が、国際的にも、認められ、FIFAランキングも、上がるだろうと思われる。
 長年、日本の女子サッカーを引っ張って来てくれた、澤選手には、若手と共に、年齢の差を乗り越えて、オリンピック終了までは、国内リーグを含めて、活躍して貰い、自らの花道を作って欲しいものである。

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