つれづれの記

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COP23

2017年11月23日 10時13分55秒 | 日記

2017年11月23日(木) COP23 

 

 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC:UN Framework Convention on Climate Change)の第23回締約国会議(COP23)が、この11月6日から開催され、11月18日に閉会した。

今回の議長国は、オセアニアの島嶼国 フィジーだが、会議場の関係で、ドイツのボンで開催されている。(下図はネットより)

  

パリ協定の締約国数は192、批准国数は111で、今会議への参加国・地域は、200近いと言われる。 (国連気候変動フィジー会議(COP23)|国連気候変動会議|WWFジャパン など)

  

 気候変動枠組み条約に関しては、一昨年11月に、パリで開催されたCOP21で、議長国フランスの国威をかけた努力の末に、画期的な、パリ協定(Paris Agreement)が、合意・採択された。

排出量世界1、2位の中国とアメリカ(全世界の4割以上)が、それまで後ろ向きだったのに、率先してこの会議をリードしたことも印象深い。 

 

 パリ協定は、京都議定書の後を受けて、先進国だけでなく、新興国、途上国も含めた全員参加が売りで、漸くにして合意された法的拘束力のある国際条約である。

この協定は、地球の温度上昇を、産業革命以前に比して2度以下(目標1.5度)に抑えるという、壮大な夢を実現することを目標としている。 

温暖化ガスの排出量の現状は、下図のようで、これを、今後削減していくため、協定では、各国の数値目標等を示している。この目標は、先進国は絶対値だが、中国、インドなどの新興国は、経済成長と連動した数値となっている。

時間軸では、2020年から本格的にスタートっせることとし、それまでの諸準備のロードマップが示されている。

     

当ブログでも、下記記事で取り上げている。

   地球温暖化防止対策―COP21  (2015/12/29)

 

 昨年の11月、パリ協定採択後初めてとなるCOP22が、モロッコのマラケシュで開催され、協定の実施に向けて具体化が進められた。ここまでは、地球の未来に対する希望的な空気があった、と言え、アメリカはまだ、オバマ大統領の時期であったが、会議期間中に当選が決まった、次期トランプ大統領の姿勢が注目された。

  そして、トランプ大統領に代わったアメリカは、この6月、パリ協定からの脱退を表明したことで、協定が骨抜きになるのではと、全体の雲行きが俄かにおかしくなっている。 京都議定書の策定後も、アメリカは早々と脱退しており、パリ協定でも、またしても、自国利益を優先する、アメリカの独断ぶりである。 

中国に続いて世界2位の大量排出国であるアメリカだが、脱退によって、自国の排出量規制はどうなるのだろうか? トランプ大統領は、石炭火力発電などの化石燃料の使用を容認する姿勢も公言しているようだ。

でも、アメリカ国内では、連邦政府の後ろ向きの姿勢に対し、州などで、自主的に排出規制を行うところもあるようだ。(パリ協定 (気候変動) - Wikipedia など)

 

  アメリカの離脱表明が、大きな暗雲となった今会議だが、2020年から完全施行されるパリ協定のルールについて、2018年に策定を完了することを目指し具体化が進んだようだ。

ルール作りで論議された60項目もの具体的内容は未調査だが、先進国と途上国間での対立が表面化したものもあるようだ。また、アメリカは、研究開発等のため、2億ドルの資金拠出を行うとなっているが、これを止めるようで、フランスのマクロン大統領が、アメリカの肩代わりをして拠出すると表明しているが――。

 

  次回のCOP24は、来年12月、ポーランドのカトビツェで開催されることになり、 

     ・パリ協定のルール策定の完了

         ・各国の温暖化ガス削減の取り組みを評価

等が主な議題となるという。

 喫緊の課題である、地球温暖化防止対策が、アメリカ抜きで果たしてどこまで進展するだろうか。TPPでは、アメリカ抜きの11カ国で、日本や豪州が、何とか進めようとしているがーー。

 

  地球規模の公害問題とも言える地球温暖化問題だが、日本国内の3大公害問題のようには、因果関係が明確でなく、加害者がはっきりせず、影響も比較的緩やかなため、解決するのは至難の技だ。

問題児としてアメリカを非難することはやさしいが、地球レベルの環境問題と、自国の利益とをどのようにバランスさせていくのかという普遍性のある課題の方向付けに関し、世界は大きな岐路に立たされているだろうか。

  いっそのこと、じたばたすることなく、産業革命や文明の進展の結果生じる地球温暖化を、地球上の人類の私利私欲が齎す業(ごう)として受け入れ、地球環境の変化に対応して生き延びていくしか無いのかもしれない。

 

 

 

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