つれづれの記

日々の生活での印象

ウイルスの時代ー感染症との闘い

2014年09月28日 23時48分08秒 | 日記

2014年9月28日(日)  ウイルスの時代―感染症との闘い

 

 

当ブログでは、これまで、

  ウイルスの時代―デング熱    (2014/9/8)

  ウイルスの時代―エボラ出血熱  (2014/9/16)

を投稿してきた。国内のデング熱、アフリカのエボラ出血熱とも、未だ鎮静化したとは言えない状況で、関係者の御苦労が続いている。

 今回は、人類と感染症との闘いの歴史や、わが身辺の話題について、簡単に触れて、締めくくりとしたい。

 

 

○感染症とは

 人間の病気(疾患)には各種あるが、その中で、感染症は、以下のように定義されるようだ。

感染症(かんせんしょう、英語:infectious disease)とは、寄生虫細菌真菌ウイルス異常プリオン等の病原体感染により、より高等な動植物である「宿主」に生じる望まれざる反応(病気)の総称』。感染症 - Wikipedia

 換言すれば、病原体が移動することで、人間社会に広がる伝染性の病気のことだ。

 

 感染症の分類では

    ・感染場所(身体の部位)による分類

    ・病原体の種類による分類

    ・病態(症状)による分類

    ・公衆衛生学的な分類

    ・法的な分類

などがある。

 法的な分類では、緊急性の高いものから、5つのグループに分類されているようだ。 

 以下は、感染症を、上記の、病原体の種類によって分類したもので、病原体は、おおむね、大きいものから微細なものの順に並んでいる。 病名の内、筆者が良く聞く病名は、太字にしてある。(感染症 - Wikipedia を参照) 

 

○具体的な感染症

◇「寄生虫」 目視出来る大きさの虫から、小さな原虫まで各種

寄生蠕虫感染症

 エキノコックス症日本住血吸虫フィラリア症、回虫広節裂頭条虫など

蠕虫(ぜんちゅう)とは、「みみず」の様な形で、蠕動運動をする虫のことのようだ。

日本住血吸虫は、往時の山梨県などの地方病の原因となっていて、日本で発見、研究されたという。日本特有のものではなく、東南アジアでは今も発生しているようだが、日本では、既に撲滅されているという。(地方病 (日本住血吸虫症) - Wikipedia )

→回虫や、サナダムシ類(広節裂頭条虫など)は、日本では、終戦前後までは、ごく身近だった寄生虫で、家畜などにも寄生していたが、その後の衛生状態の急速な改善等で、現在は、見聞きした事が無い。

 少し前だが、某大学教授が、人体の免疫抵抗力を高めるために、回虫などの寄生虫と共生するライフスタイルを提唱して話題を呼んだことがある。

 

寄生性原虫感染症

 アメーバ赤痢マラリアトキソプラズマ症リーシュマニア症クリプトスポリジウムなど

→マラリアは、マラリア原虫を蚊が媒介するもので、熱帯地域で現在も発生しているようだ。 少し前に、インドネシアに行った時は、火を焚いて煙を出して蚊やりをやった。

 

◇「真菌」 かび類

真菌感染症

 アスペルギルス症、カンジダ症、クリプトコッカス症、白癬菌症ヒストプラズマ症、ニューモシスチス肺炎(旧名:カリニ肺炎)など

白癬菌症とは、「みずむし」のことのようで、今でも、時々、仲良くしている。

 

◇「細菌」

細菌感染症

  レンサ球菌(A群β溶連菌、肺炎球菌など)、黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA)、表皮ブドウ球菌腸球菌リステリア髄膜炎球菌淋菌病原性大腸菌(0157:H7など)、クレブシエラ(肺炎桿菌)、プロテウス菌百日咳緑膿菌セラチア菌シトロバクターアシネトバクターエンテロバクターマイコプラズマクロストリジウムなどによる各種感染症

黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌は、食中毒事故などで、現在も、しばしば話題となっている。

 

 

  結核コレラペストジフテリア赤痢猩紅熱炭疽梅毒破傷風ハンセン病レジオネラ肺炎(在郷軍人病)、レプトスピラ症ライム病野兎病Q熱など

結核コレラペストジフテリア赤痢猩紅熱などは、往時は、伝染病として恐れられた。

 光学顕微鏡の進歩と、結核菌のコッホ、赤痢菌の志賀潔、破傷風菌の北里柴三郎等、教科書にもでてくる先哲の研究努力から、細菌類の発見や研究、治療法等で、大きな進歩があった。

 結核などは、忌避され、差別的に扱われたこともあるが、現在は、原因が特定され、治療法が確立されている。

 アルベール・カミユの小説に、「ペスト」というのがあり、アルジェリアでこの病気が発生した時の惨状が題材になっているようだ。

 少し以前までは、外国出張するときは、コレラの予防注射が義務づけられ、何度か、痛い思いをしている。

ハンセン病については、患者が差別された暗い歴史がある。

→赤痢菌の仕業といわれる「疫痢」と言うのがある。筆者が物心が付く前、これに罹って入院したと言うのを、母から聞かされたことがある。

 昨日で完となった、NHK朝ドラ 「花子とアン」だが、愛する息子 歩くん が亡くなったのは、この疫痢で、終戦直前のわが実体験と重なったことだ。

 

 

◇「リケッチア」「クラミジア」

  これら病原体の、大きさ・形状、特徴などについては、把握していない。

 

リケッチア感染症

 発疹チフスツツガムシ病日本紅斑熱など

→ツツガムシは、幼少時、田舎の最上川流域で、刺された話をよく耳にした。川で泳いだ夜は、風呂桶の中で、恐る恐る手足を摩ったものだ。

・クラミジア感染症

 トラコーマ性器クラミジア感染症オウム病など

 

◇「ウイルス」

ウイルス感染症

 インフルエンザウイルス性肝炎ウイルス性髄膜炎後天性免疫不全症候群 (AIDS)、成人T細胞性白血病エボラ出血熱黄熱風邪症候群狂犬病サイトメガロウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群 (SARS)進行性多巣性白質脳症水痘帯状疱疹手足口病デング熱伝染性紅斑伝染性単核球症天然痘風疹急性灰白髄炎ポリオ麻疹咽頭結膜熱(プール熱)、マールブルグ出血熱ハンタウイルス腎出血熱、ラッサ熱流行性耳下腺炎ウエストナイル熱ヘルパンギーナチクングニア熱など

 

 →エボラ出血熱、デング熱については、前前稿、前稿で触れたところだ。

天然痘急性灰白髄炎ポリオ)などは、歴史的には、大変流行して恐れられた時代もあるが、現代では、ほぼ、撲滅しているだろうか。

 AIDS、SARSなどは、近年になって表に出て来た感じだろうか。

麻疹(はしか)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、幼児期の予防注射でお馴染だが、麻疹(はしか)は、免疫の有効期間が10年と言い、必ずしも安心できないようだ。

→近年、風疹(三日はしか)が流行し、妊婦が罹ると、胎内に影響するなどと騒がれた。

 

◇「プリオン」

  病原体としてのプリオンは、どんなものか、よく知らない(癌のようなもの?)。

 

プリオン

牛海綿状脳症 (BSE)クールークロイツフェルト・ヤコブ病致死性家族性不眠症 (FFI)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群 (GSS) など

  →BSEについては、今も牛肉の輸入上、規制が続いている。

 

 

 

 

上記の、ウイルス、細菌、真菌(カビ)の各病原体について、その大きさと、それぞれの基本的な構造について示した下図が、ネットで見つかった。(病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い|これからの衛生管理|大幸薬品株式会社 より引用) 

     

 全体としては、以下のように言えるだろうか。

      大きさ   ウイルス<細菌<真菌<ヒト細胞

      通常の光学的顕微鏡で確認できるのは、図の細菌レベルまでで、それより、1桁半程微細なウイルスレベルは、電子顕微鏡が出 現して確認出来るようになったと言えよう。 

      構造    ウイルスは丸裸の核で、細菌は細胞膜がなく、どちらも、単独では生きられず、他の細胞内に寄生する。 

             真菌はヒト細胞と同じような構造の単細胞で、単独で生きられるようだ。 

 

 

○ 思い出す人物 2人

 医療関連で、熱帯アフリカや感染症で思い浮かぶのは、以下の2人の偉人である。

 

野口英世博士((野口英世 - Wikipedia)(北里柴三郎・野口英世~世界で活躍した日本人~|歴史にドキリ|NHK for School 

 当時流行した黄熱病について、気鋭の細菌学者野口英世は、南米での調査研究で、他の病気を、黄熱病と誤認したことが、後になって、分ったようだ。当時は、光学顕微鏡しかない時代で、黄熱病は、蚊が媒介する事や、原因となる微細な濾過性病原体(ウイルス)が突き止められたのは、後の事という。

 因果な運命だろうか、博士は、最後は黄熱病に罹って亡くなったようで、この所の、エボラ出血熱の治療に当たっている医療関係者が、エボラで亡くなる状況と重なることだ。

 

・シュバイツアー博士(アルベルト・シュバイツァー - Wikipedia

 長年に亘って、アフリカで、医療活動に従事した、ドイツ系フランス人、アルベルト・シュバイツアーの事が思い出される。氏は、医者であるとともに、宗教家、音楽家、平和活動家と、多彩な側面をもつ。

 学生時代に読んだ、シュバイツアー著作集第一巻(白水社)にある、

         「水と原生林のはざまで」

の中で、幼い頃、オルガンで、いやいやながらバッハを弾かされる下り等は、今も印象に残っている。

 氏の活動拠点は、現在のガボン共和国(当時は、仏領赤道アフリカ)のランバレネのようで、1952年に受賞したノーベル平和賞の賞金で、整備されたという診療所は、現在も在って、地域の病院として活動しているというのは、嬉しい事だ。

 

 

 

 

 

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スコットランドの行方   2

2014年09月26日 23時27分22秒 | 日記

2014年9月26日(金)  スコットランドの行方  2

 

 

 先日行われた、スコットランドの住民投票については、当ブログの下記記事

      スコットランドの行方  1 (2014/9/24)

で触れたところだが、本稿はその続編である。 

 

 

○イギリスとスコットランドの歴史

  現在の、連合王国UKに至るまでの歴史の概要は、以下のようである。

                                      (イギリスの歴史 - Wikipedia より)

  1536 イングランド、ウエールズを併合

  1707 イングランド国とスコットランド国が合併⇒グレートブリテン王国

        このように、約300年程前に、力関係で、戦いに敗れたスコットランドは、イングランドへ併合されたと言われる。

  1801 グレートブリテン王国とアイルランド王国が連合⇒グレートブリテン&アイルランド連合王国

  1922 アイルランドが、北アイルランドを残して、独立

  1927 国名が、現在の

          グレートブリテン&北アイルランド連合王国(UK)

       となる。

 

 世界の広大な植民地を擁した大英帝国イギリスの、その統治・支配手法には驚かされるのだが、国内的にも、名前や形の上では対等に見えるが、実質は不平等という、油断のならない、イギリス流の慇懃無礼と映る。

イギリスの皇太子を、プリンス オブ ウエールズ と呼んだり、現在の女王の夫(王配)を、エディンバラ公(スコットランドの首都)と呼んでいるのは、懐柔策でもある?

 前稿にあるように、実際の政治では、スコットランドに地方議会が開設されたのは、ほんの15年前という、強かな支配ぶりであろう。 

 

○スコットランドの独立願望の底流にあるもの

 今回の独立騒動の原因は複雑だろうが、これまでの長い歴史の中で、積りに積った、支配者イングランドへの不満が、噴出したものとも言えようか。

 中央集権的なイギリスでは、ロンドンへの一極集中が激しいようで、あるサイトには、真偽の程はともかく、GDPと雇用に関して以下のように出ており、富の不均衡が大きいようだ (2014年スコットランド独立住民投票 - Wikipedia を参照)

    GDPでみた格差     ロシア   163%

                  ロンドン   69%

                  東京     14%

  雇用創出          国内全体の43%がロンドン(人口は全国の13%)

  政府系雇用        ロンドン  +66300人の雇用 、エジンバラ - 3000人の雇用  (2010-2012 のデータ)   

 

○愛すべきスコットランド 

 スコットランドとイングランドを対比した場合の、民族的な相異(人種、言語、宗教 等)については、良く把握していないのだが、そんなに大きな違いはないのだろうか。 

 スコットランドと言えば思い浮かぶのは、以下のような話題である。

 

・スコッチ訛り

 以前出席した、スイスジュネーブでの国際会議(ITU CCITT)で、スコットランド出身の英国代表の、スコッチ訛りの酷い英語は、殆ど聞き取れず苦労させられた。

でも彼には、綺麗なキングスイングリッシュを話す他の英国代表よりも、人なつっこい親しみやすさがあった。 

 

・音楽

  格子縞模様でスカート風の、民族衣装 タータンキルトを着けて吹くバグパイプは有名だ。

    バグパイプ (ネット画像より)    

 我が国で、近年歌われて来た歌には、下記のような、スコットランド民謡が多いのだが、これらの歌を、バグパイプの音色で聴いて見たいものだ。

 蛍の光  故郷の空(麦畑) アニーローリー  ロッホローモンド  いとしジョニー

 

・洋酒

  スコッチウイスキーは、一頃の外国土産の定番だったが、この所は、洋酒人気が低迷しているだろうか。

  今月末から始まるNHKの朝ドラで、スコットランドのウイスキー造りも話題になるようで、ウイスキー人気が盛り返す切っ掛けになるかも知れない。

 

・スポーツ

  UKは、サッカーの発祥の地という事で、欧州内大会やワールドカップでは、

      England   Scotland   Wales   Northern Ireland

の4地域(Country)とも、異例の、国家並みの扱いになっている。

  また、セントアンドルーズは、ゴルフの発祥の地と言われ、世界4大メジャー大会の全英オープンゴルフが、5年に一回、この聖地の、オールドコースで開催される(2015年予定のよう)。

  驚いたことに、憧れのこの難コースは、市が管理するパブリックコースで、誰でも利用できるようだ。

 

 

 

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スコットランドの行方  1

2014年09月24日 23時08分01秒 | 日記

2014年9月24日(水)  スコットランドの行方  1

 

 

① 先日、スコットランドの住民投票 (Scottish independence referendum)が終わった。

 急に大きな話題となり、イギリスが国際的なドラマの表舞台に出て来て、脚光・逆光を浴びた一幕だが、筆者には、世界史の実授業を受けている感じもあった。

ドラマを観た印象は、感動したというより、大事に至らずにほっとした、というところだが、少しく、振り返ってみることとしたい。

 

 下図は、今回使われた投票用紙であるが、

   “Should  Scotland be an independent country?”

   “スコットランドは、独立国となるべきか?” 

の問いに,YES、NO、で答える、簡明なものである。(ネット画像より) 

      

 

◇住民投票の概況は、以下のようだ。

 ・有権者数  有権者の登録数は、約430万人と言われる。

   イギリスでは、通常の国政選挙での年齢は18歳以上だが、今回は、16歳以上としたようだ。2歳繰り上げたことで、有権者数が11

   万人程増えたと言う。地域の将来を担う若者の政治参加は、有意義だろう。 

 ・投票率   84.6%の異例の高率だったのは驚きである。

   終盤になって接戦が伝えられる中、「投票率に関係なく、1票でも多い方に決まる」、といったPRが利いて、関心が高まったのかも知れない。 

 ・投票結果  以下のように、反対多数で否決された。

        独立賛成(YES) 約161.8万票(約44.7%)

        独立反対(NO)  約200.2万票(約55.3%)

 

 イギリスでお馴染のブックメーカー(賭け屋)は、ギリギリになると、独立のリスクを避けるため、かなりの差で否決されると、冷静に予想していたようだ。

 自分の想定でも、反対60% 位で否決されると想定していた。 

 

◇住民投票を実施することとなった経緯 

 今回の住民投票は、何と、2年前に実施することが公式に決まっていたようで、その経緯は、以下のようだ。

・1999年 スコットランド地方議会が設立(300年振りに復活)された。(ブレア政権) 

・2011年、スコットランド地方議会で、スコットランド国民党(SNP)が、過半数を獲得。独立の気運が強まる。(キャメロン政権)

・2012年10月、イギリス政府が、スコットランドの独立の是非を問う住民投票を認めた(認めざるを得なかった)(エディンバラ合意)。

 当時の、イギリスの政権としては、実施しても、どうせ反対多数で否決されるだろうと楽観して、その後、目立った対策をしなかった。ガス 抜きの意味程度と、多寡を括っていたようだ。

 でも、独立を目指す地域の本気度が高まり、投票結果の事前の予想が次第に拮抗して来るに及んで、直前の土壇場になって中央政府は大慌て!

 独立した場合の想定される影響の甚大さに、世界も騒然となり、結果が注目された。(キャメロン政権)

・2014年9月18日 住民投票を予定通り実施。 前述のように、独立は否決された。(キャメロン政権)

 

 投票結果は別として、暴力沙汰や不正行為の報道もなく、整然と住民投票が実施され、終了したようで、流石に、イギリスの民主主義の高い成熟度を表している、と筆者は感じる。

 

② イギリスとスコットランドの概況

 イギリスは、周知のように、国連や国際レベルでの正式国名は

   United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (略称:UK)

   グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(通称:イギリス 英国 連合王国)

で、下図のように、グレートブリテン(島)の中に、

   イングランド

   スコットランド

   ウエールズ

の各地域が含まれている。

 4つの各地域は、往時は王国だったが、現在は、イギリスの地方的な位置づけである。下図中のイギリスの国旗(ユニオンジャック)は、これらの地域の旗を合体させたものと言われる(ウエールズの旗は含まれていないがーー)。

      (ネット画像より)

  イギリスの国旗については、以前、当ブログの下記記事

      サッカー南アフリカ大会 その3 (2010/7/22)

で、触れたことがある。

 

 イギリスの中で、スコットランドを除くイギリスと、スコットランドとの概況は以下のようである。(朝日新聞デジタル:スコットランドに関するトピックス

 

        スコットランドを除くイギリス      スコットランド 

面積     16.5万km(68%)         7.8万km(32%) 北海道位

人口      5870万人(91.7%)        530万人(8.3%)

経済(GDP) 14200億£(ポンド)        1450億£ 

 

 大ブリテン島の北部地域を占めるスコットランドは、面積ではイギリスの32%にもなるが、人口では、8.3%、GDPでは、9.3%と、小さいようだ。

 地域全体の首都はエディンバラで、スコットランド議会があるようだが、行政はどうなっているのか(首相はいるようだ)、良く分らない。

 

③ 独立賛成派の描いたイメージと、独立で想定されたリスク

・賛成派が描いた、独立した時のイメージは以下

  経済 通貨  ポンド£(⇒イギリス政府は使用を認めないと)

      税収  北海油田 英国全体の税収は、8200億円

           北海油田の所有権は、海岸線の地域境界を水平に延長すると、約90%、右上がりの地域の境界線をそのまま延長すると、約50%が、スコットランド領となる。賛成派は前者で皮算用しているが、国際慣習では、後者となるようだ。     

  女王 現状のまま

  EUに加盟(⇒EU側は加入は難しいと)

  原潜基地(クライド海軍基地)を返上し国内非核化

 

・独立した場合のリスクーー識者等のコメント

    UKの崩壊と国内の混乱

    欧州、国際経済の大混乱

    UKのEU、欧州内での存在感の低下

    UKの国連の地位の変化(常任理事国 核保有国 等)

 

補足:住民投票(国民投票)

 イギリスでは、国全体等の大きなレベルでの住民投票に関する法制があり、これまで、EUへの加盟を巡る案件で、実施されているようだ。 現在は、2000年法があるようで、今回のスコットランド地域の独立を巡る投票も、これに則っているだろうか。

 我が国では、国レベルでは、平成22年(2010年)に施行された、憲法改正のための国民投票法(投票年齢は、18歳以上)があり、まだ実施された事は無い。自治体レベルでは、条例の制定により、これまで、数多くの住民投票が行われている。

 

 次稿で、スコットランドの今後や、独立を巡る世界各地の動きについて触れる予定である。

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ウイルスの時代ーエボラ出血熱   

2014年09月16日 15時50分56秒 | 日記

2014年9月16日(火) ウイルスの時代―エボラ出血熱 

 

 このところ、西アフリカでのエボラ出血熱の流行と、日本国内でのデング熱の拡大のニュースが、大変気になる話題だが、当ブログでは、デング熱については、下記のように、取り上げたところだ。

     ウイルスの時代―デング熱   (2014/9/8) 

 この前稿では、都内のデング熱は、隣家の小火(?)と譬えて言ったのだが、閉鎖が続く公園内で、再度、蚊の駆除が行われるなど、未だに、火の勢いは収まってはいないようだ。最近では、患者数は、終に100人を超え、15都道府県に及んでいるという。 

 先日9月10日夜の、NHK―TVクローズアップ現代の報道では、最初にデング熱と診断された女性が、顔を隠して出演に協力したり、偶々、蚊に刺されて発症したNHKの女性職員が、実名で出演するなど、生々しく、デング熱の怖さを伝えてくれた。

今後、涼しさが増せば蚊も少なくなり、感染拡大は治まるものと期待しよう。

 

 本稿では、もう一つの話題で、遠いアフリカで蔓延している、怖いエボラ出血熱について、取り上げることとした。前稿で、対岸の大火、と譬えた病気である。 

 

○エボラ出血熱の感染拡大

 エボラ出血熱は、今年2月、西アフリカ地方のギニアで確認されたと公表されて以降、急速に感染が広がったものだ。

国立感染症研究所のサイトにある情報では、WHOによる、9/6時点の感染状況は、以下とあり、この所は、死者数/感染者数の増加傾向が、やや収まって来ているようだ。(エボラ出血熱 検疫所による情報

     国名     死者数/感染者数(9/6)  

     リベリア   1224/2046

     ギニア     555/862

     シエラレオネ 509/1361

     ナイジェリア   8/21

     セネガル     0/3

     合計    2296/4293 

 下図は、今回の流行状況(やや古いデータ)と、過去の蔓延の状況を対比して示したものである。これまでの流行(赤茶色)は、赤道に近い、アフリカ中央部だが、今回の流行(青色)は、北緯10度位の西アフリカ地域である。 (致死率50%超えのエボラ出血熱の感染拡大を図でまとめるとこうなる - GIGAZINE)  

   

 これまで、10回以上流行しているというが、これらの中で、今回は、前記のデータにあるように、飛び抜けて大きな流行となっているようだ。

  9月12日夜のTV番組、BSフジのプライムニュースでは、「デングそしてエボラ 日本の弱点と対策は」としてとりあげられ、下記の、専門家を迎えて、  

     岡部信彦氏  川崎市健康安全研究所長

     押谷 仁氏   東北大学大学院教授

長時間に亘り、両感染症について論じられた。

 番組の中では、質疑を通して、前稿と本稿にあるような、多くの知見が示され、解説と啓発が行われた。

 

 エボラ出血熱についての話題の中で、死者の中には、何と、医療関係者も数多く含まれている事実について触れられた。この件については、何の病気かが良く分らない初期の状況下で、不十分な防護環境で治療に当たらざるを得なかったことで、医療関係者にも犠牲者が出たのだろう、と言う事であった。 医療従事者も命懸けである!

 WHOの推計では、今回の患者数は、2万人までに増えるとも言われている。 致死率が、50%としても、大変な死者が出ることとなる。  

    

○エボラ出血熱とは

 エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)は、エボラウイルス病(Ebola virus disease 略称:EVD)とも言われるように、エボラウイルスによって引き起こされる感染症で、現代の最も怖い病気の一つと言われる。(以下は エボラ出血熱 - Wikipediaエボラ出血熱に関するQ&A|厚生労働省 等より) 

 この病気が初めて確認されたのは、40年程前の、1976年と言われる。 ユニークな病名の由来は、現在の、アフリカ コンゴ民主共和国 北部を流れるエボラ川(コンゴ川の支流)の名前をとって付けられたようだ。この病気の最初の患者の出身地の近くを流れる川という。 地図上で、この川を見つけると、病気の状況が、不思議と現実味を帯びて来る。(下図 黄色○印)

     

 原因となるエボラウイルスは、下図の様な、奇妙な形状をしているようだ。  

    

 現地のコウモリ類が、このウイルスの自然宿主と言われ、猿や鹿等がウイルスを保有している事もあると言う。このウイルスは、これらの動物の中で、ライフサイクルを繰り返しているようだ。(下図)

                                             エボラウイルスのライフサイクル

 このウイルスは、空気感染はしないようで、人間が、コウモリなどの動物を食べたり、その体液や排泄物や死骸に触れるなどで、人間にも感染するという。

人間同士では、単なる接触では感染しないと言う。死者に触れる習慣等で、感染者の体液や排泄物などに居るウイルスが、目や傷口を経て、体内に侵入し感染するようだ。人体内でのウイルスの潜伏期間は、2~21日(通常 7~10日)という。

 

 症状としては、発熱や頭痛、筋肉痛、等があり、症状が重くなると、下痢や嘔吐、内臓などからの出血があるようで、死ぬことが多く、致死率は、50~90%と高いようだ。ネットには、エボラ患者の悲惨な画像が、数多く出ている。

現時点では、予防するワクチンは出来ておらず、有効な治療薬や治療法も確立していないようだ。

 

 国際的な人の移動が盛んな、グローバル化の時代ゆえ、人間が感染して危険なウイルスを国内に持ちこむ可能性は大きい。

日本での対策としては、何と言っても、水際作戦で、空港でのサーモグラフィーや質問表などによる監視が重要だ。万一、発症が疑われる場合は、隔離することとなる。隔離すれば感染は拡大しないので、ある意味では、比較的扱い易いともいう。 

 基本的には、専門機関に任せるしかないが、感染の危険が疑われる場合に、個人、市民レベルでできる対策としては、手洗いでは、塩素系の薬品で、消毒するのは有効という。

又、嘔吐物は、手で触れずに慎重に処理する必要があるという。

 

 

○ 今後に向けて

 上記番組で、このように怖い感染症なのに、何故、ワクチン等の薬の開発が進まず、治療法が確立していないのか、との素朴な疑問も提起された。

これについては、前記の専門家氏は、薬品等の開発には、膨大な費用と時間がかかることから、この病気の発生頻度や分布からみた、医療上の必要性と、ビジネス的な見通し等との関連が、問題となるという。

採算性を重視するビジネスモデルではなく、国際的な公共的取り組みも必要では、との尤もなご意見であった。

 

 言うまでもないが、感染症の対策に当たっては、医療施設や衛生環境の整備など、国の総合経済力や民度が物を言うようだ。

今回感染が拡大した国々の多くは、大戦後に、植民地から独立はしたものの、決して、恵まれた国々ではないようで、悪循環になっている面もあるだろうか。 

 

 これらに関する、今後のWHO等の、国際的な動きが注目される所だ。 

 

 

 我が国では、これまで、日本脳炎や、SARSや、鳥インフルエンザや、家畜の口蹄疫など、ウイルス性の感染症が話題となった事例は多いし、食中毒などは、身近かでも起こっている。

今回の、デング熱とエボラ出血熱騒動は、日本の、感染症に対する取り組みを見直す、いい機会でもあるようだ。  

 次稿では、感染症に関する歴史と全体的な状況について、触れることとしたい。

 

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川内原発の適合審査合格

2014年09月14日 17時53分42秒 | 日記

2014年9月14日(日)  川内原発の適合審査合格 

 

 原子力規制委員会は、この7月中旬に、川内原発の審査書(案)について公表し、それに対するパブリックコメントを聴取して来たが、8月半ばまでの約1ヶ月の間に、 17000件を越える意見が寄せられたようだ。 これらを斟酌して修正を行った上で、9月10日、審査書を正式に決定したことを発表し、事業者の九電に対して、設計変更の許可書を出したようだ。

今後は、事業者側から委員会に対して、細部の設計等の必要書類が提出され、最終的な設備の検査を経れば、停止中の原発2基の再稼働が可能となる。

 これらのスケジュールから、再稼働は年明け以降となる見通しのようだ。(川内原発の新基準審査合格が正式決定 NHKニュースなど)

 

  川内原発については、当ブログでも

     原発の安全審査  1  (2014/7/29)

     原発の安全審査  2  (2014/7/30)

     原発の安全審査  3  (2014/8/4)

     原発の安全審査  4  (2014/8/7)

と取り上げ、自分なりに、理解を深めて来たところだ。 

 

 福島第一原発の事故を教訓として、国内の原子力安全行政が抜本的に見直された。 新たに原子力規制委員会がスタートし、新たな規制基準が制定され、この新規制基準に基づく第1号として、川内原発の適合審査が行われた訳だ。 

 旧規制基準から、新規制基準に変わるに当たって、大幅な見直しが行われている。 その内容については、上記のブログでも触れているので、ここでは省略するが、原発の安全確保の国際的な指針と言われる、IAEAの防護基準との関連について、改めて見てみることとし、今後に向けての、課題を探ることとしたい。

 

 

○IAEA防護基準

 IAEA(International Atomic Energy Agency  国際原子力機関)で定めている防護基準は、以下のように、5層から成っているようだ。下左図は各層の目的を、下右図は、主な手段を示している(東京電力(株)・福島第一原子力発電所事故:専門家インタビュー:岡本 孝司氏2012年06月09日のブログ|misaのブログ 参照) 

     

             深層防護 各層の目的                                    各層の対策

 新規制基準では、IAEAの第1層から第3層に関しては、自然災害のリスクの評価や、多重的な電源の確保など、抜本的に見直され、過酷事故(シビアクシデント)を極力起こさないようにすることを、最大の目標としている。

 そして、万が一、過酷事故が起こった場合でも、その影響の拡大を防止する第4層については、旧規制基準には含まれていなかった部分だ。 新規制基準ではハード・ソフト両面の対策が事業者に求められ、川内原発では、ほぼ見通しが立てられている。免震重要棟、格納容器ベント装置(フィルター付き)は、少し遅れて整備される。

 此処までは、原発サイト内の対策である。

 

 もっとも外側の第5層は、原発サイト外の対策で、放射能被害から、周辺地域の住民の安全を如何に確保するか、ということで、主要な内容は、防災と避難計画の準備である。

IAEAとしては、第5層まで整って初めて、原発の安全性が確保されている、と言うことだ。

  この件については、上記の、

         原発の安全審査 その4 (2014/8/7)

でも触れているが、我が国では、この層の位置づけ等に、やや問題があるようで、本稿で、改めて見てみたい。

 

 

○ 適合審査の対象外

 日本の新規制基準では、IAEAで求められている第5層については、審査対象にはなっていない。何故だろうか?  

 先日10日の発表会見での清水委員長の冒頭発言は、以下のように公表されている。 

  「本日、原子力規制委員会で、九州電力川内原子力発電所が新規制基準へ適合していることを確認し、設置変更許可をすることを決定いたしました。 これにより、九州電力川内原子力発電所については、原子力規制委員会として、法律に基づいて、運転に当たり求めてきたレベルの安全性が確保されることを確認したことになります。

今後、工事計画認可や保安規定の認可、使用前検査もありますので、引き続き詳細な部分について法令上の確認を進めて参ります。」 

 下線は、筆者が付けたものだが、あくまでも、安全性が確保されることを、法律に基づいて確認した、としている。 歯切れの悪いこの表現は、逃げをうっているのではなく、審査対象として、第5層は含んでいないことから、この意味で、当該原発の安全性は確保されている、とは言えない、ことを示唆している。

 

  原発の安全性に関する適合審査の申請は、当然ながら、運転当事者である事業者から規制委員会に対して行われ、審査が行われる。 そして、審査が通って運転後に、重大事故が発生すると、事業者は加害者の立場になるので、周辺住民の安全を守るための避難計画の準備等には、異なる視点と立場が必要となるだろうか。

 このことから、日本の場合は、地域防災計画の一環として、関係自治体が主体となって、避難計画の作成整備や、地域住民への説明等を行い、全体として、原発の安全性を担保する、という考え方になっているようだ。

  

○ 避難計画

 この避難計画については、原発の立地自治体だけでなく、周辺30km圏内の自治体も、作成することとなっているが、報道機関のごく最近のアンケート調査では、全国的に見ると、避難計画の作成は必ずしも進んでいないようだ。

 一般論だが、緊急時に、短期間で、地域住民や施設収容者を、安全な場所に移動させ、収容する施設を確保し、避難生活の面倒をみるのは、福島での経験を見るまでも無く、決して生易しいことではない。それが、机上でのシミュレーションだから、尚一層、その内容は不確定となるだけに、如何に実効性のあるものにするかがポイントだ。

 

 川内原発に関する避難計画は、政府・県の大幅な支援の下、30km圏内の9関係市町が共同で作成作業が進められ、5km圏内と、5~30km圏内に分けられて、一通り纏まった所で、これまで、関係地域住民に対する度重なる説明会が開催されている。

そして、この避難計画が、一作日の9月12日の原子力防災会議(議長 首相)で了承されたようだ。今後の調整や詰めが必要な項目も残っているようだ。(<川内原発>安倍首相が避難計画を了承)(原子力防災会議) 

 

○再稼働の判断

 原発の安全性については、前述のように、原子力規制委員会は、主として、原発自体の安全性について審査し、避難計画は、地域防災計画の一環として、チェック・整備される訳だが、それを受けて原発を稼働するか否かの最終的な判断はどうなるのだろうか。 

 建前では、法律に基づいて、事業者が判断するとなるだろうが、現状では果たして可能だろうか。 前稿でも述べたが、少なくとも第一号となる川内原発の再稼働については、国(主管大臣)が表に出て、判断を行うのが妥当と考える。

 

 再稼働する場合は、実効性のある避難計画の作成整備は、重要な要件の一つである。

再稼働に当たって、立地自治体と、県には同意が求められ、避難計画を作成する「義務」がある他の自治体には、一般論では、同意は求められない(問題があっても反対する「権利」は無い!)といった不満の声もある。

 上述した今回の川内原発での事例のように、関係する自治体が、国・県の支援下で、共同で避難計画を作成し、地域防災計画の一環として整備承認されれば、地域の意向も反映された上で、再稼働の可否が判断される形となり、今後のモデルになるだろうか。

  

○大飯原発 再稼働のお粗末

 2年前の2012年夏、民主党政権下で、大飯原発の再稼働が実行された時は、旧規制基準の下で、IAEAの第3層までが主で、第4~5層の検討・対策は殆ど無いという、今にして思えば、極めてお粗末な状況だったと言えるようだ。 

 再稼働した大飯原発も含めて、新たな体制と新規制基準の下で、全ての原発を全面停止した状態から再出発している訳だ。

 安全神話をいいことに、リスクに向き合わず、過酷事故は起こり得ないとしてきたことが、福島事故の最大の反省、教訓だろう。 門外漢には、詳細を理解するのは無理だが、新規制基準の内容は、かなり真剣に、各種リスクを評価し、過酷事故は起こり得るとして向き合っている、と、自分は理解している。

 旧規制基準と比較すると、月とスッポン程の違いがある、と言えようか。

 

 元々、100%の安全はあり得ないのだから、川内原発を再稼働した後に、重大事故が起こる可能性は、勿論ある訳だが、防災、減災対策を含めて人事を尽くすことで、事故は天災だった、と言えるレベルまで、整えなければならない。

 以下の譬えは誤解を招く危険はあるが、今般の広島市の豪雨災害は、記録的な大雨が原因で、天災とせざるを得ない状況と言えるだろう。でも一方で、宅地開発の在り方、危険区域の設定と避難情報の伝達法など、人災の要因は無かったのだろうかと、少し考えることで、今後に生かされる事項もあるだろうか。

  

○原子力行政の彼我の違い 

 原発先進国のアメリカやフランスでは、原発の安全性に関する規制のあり方について、IAEA基準との関係も含め、技術的な内容や法制は、どうなっているだろうか、気になるところだ。

 殆ど未調査だが、米国では、避難計画も含めて、米原子力規制委員会(NRC)で一元的に審査するようだ。避難計画が問題で、一度も稼働することなく廃炉になった事例もあるという。(「実効性ある避難計画を再稼働の要件とせよ」 | 原発再稼働の是非 )。

 これまでのように、欧米に学ぶと言うアプローチは、勿論大事だが、でも、欧米にはなかったタイプの重大事故の経験国として、日本自身が自分の問題として、歩きながら考える中で、答えを出していかねばならない課題でもあろう。  

 

 原発の安全性の確保を中心とした、我が国の原子力行政の全体像については、筆者としては、よく理解出来ていないだけに、まず、以下の様な、現行関係組織の役割分担(Terms of Reference)を、国民が理解しやすい形で明確にし、必要により、それを、今後、改めていくこととなるだろうか。

   ・原子力規制委員会の権限範囲

   ・避難計画の整備

   ・原発稼働の必要条件と判断主体

   ・電力事業者の責任範囲  

   ・政府の関与  等 

 欧米に比べた場合、何となく役割分担を明確にしない中で、根回し的に処理したり、最後は、お上に頼るのは、日本人の良い習慣でもあるが、悪い行動パターンでもあろうか。

  

○今後のエネルギー政策の確立に向けて

 最近の、某マスコミの世論調査によれば、原発に関しては、賛成、反対で国論が二分している様相があり、これまでの首相経験者の中で、反対に廻っている人もある。

 でも、国内の厳しいエネルギー事情を考えると、現状のまま、一気に原発を使わないで行くというのは無理で、当面は、慎重に安全性を確認しながら、原発の再稼働や、場合によっては、新規建設も行う必要がある、と言うのが筆者の立場だ。

 この様な流れの中で、新たなエネルギー政策の方向を見出していく必要があるだろう。

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