2012年1月18日(水) 辛味とカレーの魅力 その1b
○カレー料理と言えば、何と言っても、カレーライスだ。ラーメンと並んで、国民食とも言える食べ物で、嫌いな人はいないのではないか。
あの独特の辛味と色と香りが、年配の向きには、戦後の貧しかった時代に味わった、美味しかった思い出を蘇らせるのかも知れないが、現代の子供達にも人気が高く、学校給食で食べたカレーの味や、家庭でのお母さんが作ってくれた味として、忘れられないという。
カレーライスがあれば、一杯の水以外は、他には何も要らないと言える程、総合化された、素晴らしい食べ物なのだ。
一方、カレー粉の正体については、恥ずかしながら、殆ど知らなかった。山椒の木や、胡椒の木(蔓性の草)があるように、カレーの本場のインドには、「カレーの木」なるものがあり、花が咲き、実がなると、実の中にカレー粉の様なものが詰まっているのでは、と想像したりしたものだ。あの、カレーの辛味や、黄色い色や、香りは、何なのか、改めて調べて見ることとした。
○カレー料理の発祥の地であるインドには「カレーの木」などは無く、現地の人達は、草などから採取した、何種類ものスパイスを、料理の都度、組み合わせて、カレー料理を作るのだが、スパイスの組み合わせの技が難しかったようだ。 宗主国イギリスのC&B社(Crosse & Blackwell)が、予め、各種スパイスを組み合わせた、カレーパウダー(カレー粉)を開発し、イギリスで売り出したところ、家庭料理として人気を博し、これが、カレー料理が、イギリスから、世界各地に普及する切っ掛けとなったようだ。
この流れの中で、日本にも、C&B社のこのカレー粉が伝わり、カレー料理が広まったようだ。そして、戦前に、現在のエスビー食品(S&B:Sun & Bird 、今は、Spice & herB の意も)が、国産のカレー粉を発売した。 現在、当社の赤缶カレー粉は、シェアの大半を占めているようだ。
S&B社のカレー粉
カレー粉の主な成分を例示すると、以下のようである。
辛味 カイエンペッパー(胡椒ではなく唐辛子の一種) 生姜
味 クミン コリアンダー
色 ターメリック(ウコン)
香り シナモン フェネグリーク
○各種スパイスをミックスして、自分でカレー粉を作ることは、かなり難しいことから、通常のカレー料理の基本は、カレー粉から始まると言ってよい。 これに、好みの材料を入れたり、色んな野菜や肉等を組み合わせて、各種料理が出来るのだが、カレーに関する食材としては、
基本となるカレー粉(各種)
は勿論だが、手間暇を省きたい向きのために、調理段階に応じた、中間食材として
カレールウの形になったもの(固形、顆粒)
レトルトパック状になったもの
も、各種出ている。
これらの辛味についても、大人用から子供用まで、色々売られている賑やかさだ。
次回は、カレー料理作りについて、述べることとしたい。