楽居庵

私の備忘録

朝茶事 その二

2011-07-26 08:45:55 | 茶事

 

後入の花は、白馬より届いた破れ傘、岡虎の尾、蛍袋、おとぎり草の中から破れ傘一輪を鮎篭(瓢阿造)

に入れる。標高800mの花は、里に持ってきても元気であった

 

主なる道具組を語るうちに、懐石の献立も出来てきたよう

水屋は、ベテランの先生の指導の下、担当の二人が暑い中デパートをあちこち駆けずり回って

新鮮な食材を捜し求めてきた

 

向付は、鮎の一夜干をさらに一夜干しして、三枚に下ろし焙る

涼しげな吹き墨の皿に盛られて食欲をそそる出来栄え

煮物椀は、蒸しゅうまいを椀種に、意外性があったが美味しい取り合わせでもあった

他に海老、椎茸、隠元を添えて目にも美しい

 

強肴は、冬瓜に大葉を添えた和え物、ズッキーニとジャガイモの明太子和え

そして香の物を五種、その一つに先日行った行田の蓮見物の土産、地元の瓜の奈良漬も入れて下さった

 

飯器は、竹細工で有名な静岡・美吉市の蓋付の籠を数年前に求めていたのを見立てで使った

見立て品を茶の中に活かせるのも、探し甲斐があるというもの

茶は、これこれがないと出来ないわという考えから抜け出すのも容易ではないけれど、

抜け出してみると、その方が面白く遊び心が発展しそう

 

さて、生菓子は? 干菓子は? どれにしようか?

実は菓子に挑戦してみたけれど、案の定今回は我が家の一服の茶の菓子になってしまった

 

笹屋伊織製の「涼の朝風」銘を色ガラスの小鉢に入れて腰掛でいただくことに

干菓子は、雪の掛軸を受けて岐阜・奈良屋の雪だる満と行田の蓮の実甘納豆を、

今年の干支卯字入りの春慶の木瓜皿に盛り沢山にお出しする

 

          破れ笠と鮎篭

 

最後に、眼目の濃茶は初炭の勢いがあって湯相も整い、熱い濃茶を差し上げることが出来た

それでということではないが、続いての薄茶は気持ちもホッとしたせいか膝の痛さを

感じてきたりして点前が散漫になってきたのは反省

 

このような時、いつも感じるのが徒然草の第百九段、「高名(こうみょう)の木登りといひし(おのこ)」の戒めの段である

朝茶事の反省としたい(長文ですが…)

 

現代語訳:

木登りの名人と呼ばれている男が、弟子を高い木に登らせて小枝を切り落としていた。

弟子が危ない場所にいる時には何も言わず、軒先まで降りてきた時に、

「怪我をしないように気をつけて降りて来い」と声をかけた。

「こんな高さなら飛び降りても平気ではないか。なぜ今更そのようなことを言うのか?」と問わば、

「そこが大事です。目眩がするくらい危ない枝に立っていれば、怖くて自分で気をつけるでしょう。

だから何も言う必要はありません。事故は安全な場所で気が緩んだ時こそ起こるのです」と答えた。


朝茶事 その一

2011-07-25 22:05:37 | 茶事

台風6号が去った24日、先生宅で朝茶事を催した

亭主は私、水屋2人とお客様3人は社中の方々、そして私の友人1

 

席入りは9時、もっとも朝露に濡れての席入りは無理だったが…

この度は、自分の道具の持出しと先生の道具で組み立てることになった

 

さて、お招きは日にちも迫っていることゆえ、稽古場に皆さま宛のお手紙を置かせていただいた

 

 露地

 

涼しさを味わっていただくことも大事なことゆえ、まず掛軸から

視覚的にも、感覚的にもこれがという軸がお蔵から持ち出された

「雪」一字、この一字をみたらいろいろな想像、思い出が浮かびそう、と期待をこめて 

                 待合(風鈴と燕)

 

雪は解けて、滝となり、沢となり、沢には水草が生い茂り、

処により忘れ水にもなって…

そんなイメージが広がった頃、女子サッカーなでしこジャパンが見事に優勝!

それでは、撫子の平茶碗に花を添えてと、続きお薄で洗い茶巾にする

 

若かりし頃、洗い茶巾の所作は水を満々と張った平茶碗から茶巾を取り上げ、

茶巾に水を含ませしぼり、滝のように落とことで涼を感じさせる、と習ってきた

そして、建水にまた水を大きく空け、さらに涼をよぶ、という所作が中々できなかった

 

が、今は簡略化され、押しなべて水を意識させることがなくなったように思う(多分)

 

床が決まったので、風炉は雲華紅鉢(崇白造)、釜は富士釜(春斎造)、

そこで風炉釜の取合せに、日頃「健康でなければお茶も楽しめないわね」と、

稽古場で話題になっていることもあり、青楽六瓢唐草平水指(青子造)で無病息災を感じていただければと思った

 

          後座 

 

そして、水を満々という思いを伝えたくて、茶杓は「頭上満々脚下満々」、

この茶杓は、春には桜が頭上に満々、足元には花びらが満々と、四季折々いつでも使いたい

大徳寺は三玄院最長老の老師のしなやかな美杓(と、私は思っている)

 

濃茶では、今高麗茶碗、銘が「忘水」を選んだ

4人のお客様に一碗で点てられることと、満々と溢れる水もあるけれど、

忘れられた水もあることだし…

そうそう、遠州銘の井戸茶碗に「忘水」という中興名物があり、詞華集・恋下の歌からとられているが、

今回は熱い恋を語るテーマでもなし…、この件はパスとした

 


枝豆あんの葛まんじゅう

2011-07-22 22:00:07 | 茶事

朝茶事を控え、心にもなくお菓子を作りたくなった

淡交社刊「キッチンでつくる茶席の和菓子」は、如何にも出来そうな雰囲気

 

電子レンジとフードプロセッサーでびっくりするほど簡単に!という

枝豆も白こしあんも葛も極上の材料を用意して、取りかかった

(白こしあんは菓子材料ならなんでもある富澤商店を利用)

 

枝豆はフードプロセッサーに入れて、ムラのない生地を作るのがポイントだけど、

結果はペースト状にしたつもりだったが、口に含んでみると舌に少しざらつきがあったよう

 

葛は、半透明でなめらかな糊状になるまで練るのがコツ

それなりに出来上がり、薄茶を点て、夫と試食した彼の感想は、「まあね」の一言

 

 

私も、「まあね」と同感してしまった

それで、今回は手作りを見送り、笹屋伊織、岐阜は奈良屋の雪だる満の干菓子を

買いにデパートに走った

 

     

 


7/18 なでしこジャパン 優勝! 世界ナンバー1

2011-07-18 11:48:59 | 茶道具

なでしこジャパンが予選を経て立ち上がってくるにつれ、俄然面白くなってきた

夜も明けぬ朝まだき、電気の消費量がグーンと上がるのも仕方がないとばかり、応援

 

私は実は、2対1で負けるのではないかと内心は予想

そういうわけではないが、前半はまだうつらうつらの状態、後半もようやく2対1になったとき

目はパッチリ、らんらんとしてきた

 

結果はPK戦で見事な金メダル!本当におめでとう!

日本女性も強くなった

 

そこで、見事な優勝をした大和撫子を讃えて、

24日に控えている朝茶事には、撫子模様平茶碗で洗い茶巾、

そして手に入れば撫子の花を使いたい!

 

学名は、Dianthus superbus var. longicalycinusで、気高い、堂々とした、という意味だそうだ

なでしこジャパンにふさわしい学名である

 


7/17 東北六魂祭りへ

2011-07-18 10:51:48 | その他

JR東日本キャンペーンプランは日帰り切符で仙台へ

仙台で開催された六魂祭りに、この切符を利用して出かけた

 

会場に着いたのが午後125分頃、市内の定禅寺通りは見事なけやき並木、ここを

青森ねぶた、秋田竿燈、福島わらじ、盛岡さんさ踊りと祭りのパレードが続いていたらしいが、

私が着いたときは、ちょうど終わったばかり!

 

今夏は東北を応援したくて東北6大祭りのはしごをしようと計画していたが、

野暮用にて断念、それで急きょ日帰りコースで出かけたがこんな結果に終わってしま

った

 

 

それでも展示されたねぶたと竿燈を一目見ようと写真に収めてきた

竿燈が倒されているのも珍しいかな

 

         


今夏も行田の古代蓮を見に

2011-07-14 10:17:52 | 花、木

暑い!暑い!といっても事態は好転するわけでもないので、

友人夫妻の明日、古代蓮を見に行くという前夜の携帯メールに便乗して朝五時起き

 

友人と行田の駅で待ち合わせ、朝1番のシャトルバスに乗る

猛暑の昨夏と比べ、最高の蓮シーズン(今年は最も12日早かったが…)

 

人間界は連日のうだる暑さで、それでは蓮池で涼をとりましょうと出かけてきた

私たちを礼儀正しく直立して出迎えてくれたことに感激!

 

 

 

それも池を埋め尽くして、この世と思えない典雅な世界

台座を連弁にして、御仏を拝礼した古の人々の心を思った

 

蓮には、浮葉、果托、巻葉、連弁、花蓮、などなど俳句の季題も発見できてうれしかった

 

行田の古代蓮は、花弁の数が少ない原子的な形態を持ち約14003000年前の蓮といわれている

それだけに御仏が誕生した頃には、この古代蓮がエデンの園を彩っていたのであろうか

                                                                                  

 

 過去現在未来の蓮

 

 

朝早かっただけに、手打ちのうどんがとてもおいしかった

そして家包に十万石製の蓮の実甘納豆、蓮の実ご飯や

果托、地元産の瓜、ゴーヤ、瓜の奈良漬けだのリックにつめての朝の遠足であった

 


浅草・浅草寺のほおずき市

2011-07-11 10:31:19 | その他

昨日10日、浅草は浅草寺のほおずき市へ

超結社での吟行会で夕方頃に雷門前に集合

何分ベテランばかりの吟行とあって、ひよっこの私にとり重荷の句会であったが、

そこはおっちょこちょいの私、武者修行的に参加

11名の参加で、5首を投稿、7種を選句

1時間半の吟行時間が与えられ、披講は吾妻橋たもとの居酒屋で

皆さんより、次のような季語、季題がでて大変参考になった

ランダムに記すると、

大西日、旱天、打水、四万六千日、簾、よしず巻き、青鬼灯、涼をとる、などなど

「四万六千日」のご縁日に、「雷除」のお札が9,10日のみ浅草寺で分けられているので

地震、雷と云う位なので、お札をいただき、家の高いところに貼り付けた

          (これで一安心?)

 


ゴーヤカーテンにしたい!

2011-07-10 10:04:46 | 花、木

梅雨が明けた途端、連日の猛暑

その力を得てゴーヤの花が次々と咲き始めた

今朝はゴーヤに2cm位の実も付いていたのを発見した

今夏はゴーヤで食卓を豊かにし、エコでがんばるぞ!

同じ時期に植えた瓢箪も一日に数10cmも伸びる勢いで、

ゴーヤの網を占領し始めている


「花見で一句」に入選

2011-07-09 09:31:58 | その他

今年7月、上野東京国立博物館で開催の展覧会が二つある。

 

「空海と密教美術」展7/20~)と

 特別展「孫文と梅屋庄吉 100年前の中国と日本(7/26)

どちらも興味を引く展覧会で、暑い夏を過ごすには格好の場所かもしれない

 

ついでに東博HPの最新情報欄をのぞいてみたところ、すっかり忘れていた俳句が館長賞をいただいていた。

 

4月7日、上野の東博の桜は今を盛りと咲いていた。

庭園には俳句の投句箱があり、ふと浮かんだ句を箱に入れた。

 

  

 

「池にいるふるるばかりの桜かな」

 

「トーハクで桜を詠もう」というテーマと後で知ったが、

俳人の正木ゆう子氏が選句されたとのことであった。