一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

いちごはどうする

2010-12-01 | M&A

前回のエントリに関連して。

FCレジデンシャル投資法人の投資主は、今回解散請求をしてきたエス・ジェイ・キャピタルが23%を保有しているのですが、筆頭投資主は29%を持っているいちごアセットです。
いちごアセットはFCレジデンシャル投資法人や運用会社ファンドクリエーション不動産投信と提携をしたうえで投資法人の第三者割当増資を受けて45%を握ろうとしたところ(参照)、エス・ジェイ・キャピタルの増資差し止め仮処分にあって断念したまま現在に至っています。  

そのいちごアセットですが、別のリートで動きが。 

いちごグループホールディングス株式会社:ジャパン・オフィス・アドバイザーズ株式会社の全株式取得(子会社化)に関するお知らせ  

ジャパン・オフィス投資法人の運用会社であるジャパン・オフィスアドバイザーズ株式会社の全株式をいちごトラスト(ケイマン籍のSPCでいちごアセットマネジメント・インターナショナル・PTE.Ltd=シンガポール籍の投資運用会社に投資一任)から取得したという取引、つまりいちごトラストの投資家が保有している運用会社の株式を買ったということのようです。 

ちなみに、いちごアセットはこちらのリートの投資口の30%(+いちごアセットマネジメント・インターナショナルが10%)を保有しています。  

当社グループは、日本における長期投資に特化した資産運用グループであるいちごグループの中核企業として、不動産を中心とした資産運用分野におけるエクセレンスを目指しております。本件 M&A の実施により、今後REIT 事業に参入し、私募ファンド、REIT、PM(プロパティマネジメント)、 BM(ビルマネジメント)、その他不動産サービス機能をグループ内に有する不動産運用グループとして、確固たるブランド構築を目指してまいります。  

というのが本気なら、FCレジデンシャル投資法人の運用会社についても触手を伸ばしてオフィス系と住宅系の2つを持つ気なのかもしれません。 

当初のFCレジリートとの提携では、親会社のファンド・クリエーション・グループには第三者割当で5%を保有させたものの運用会社は渡さずというファンクリに有利なディールだったのですが、今回の解散請求に対し「運用会社の株(の全部か過半)を渡すなら反対してやる」というようなことを言ってくるとか。 
ただそうなるとリート運用会社からの収益が大半であろうファンド・クリエーション・グループ本体が持たなくなってしまうので、ファンクリ側としてはウンと言いにくいかもしれません。 
となると親会社の時価総額も15億なので、TOBでもかけて親会社ごとまとめて買ってしまって、「投資法人も立て直すからエス・ジェイ・キャピタルさん焦らず待っててね」、という展開もあるかもしれません。  

まあ、このへんは僕の妄想なので、いちごアセットが何を狙っているか次第なんですが。

逆に「ジャパンオフィスがあればFCはいらない」といって解散に賛成してしまう可能性も十分あると思います。  



ちなみに上のリリースで 

本件は、第1号案件であるタカラビルメン株式会社に続く、第2号案件となります。

とありますが、これは今年3月、いちごアセットの社名がアセットマネジャーズの頃のディールです。
タカラビルメンは、昭和56年創業の龍ヶ崎に本社がある会社(参照)で、平成18年にワイズテーブルコーポレーションの子会社になったものを買ったのですが、ワイズテーブルコーポレーション自体XEXやサルバトーレ・クオモをやってる飲食業なので(参照)、そもそもワイズが何でこの会社を買って、それをいちごに転売したかは本件とは別に興味があります。
(なので「不動産事業への戦略的な投資」も眉唾かもしれませんし。)


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