営業中止ホテル…鹿島、大林組も施工
(2005年12月 6日 (火) 14:32 読売新聞)
耐震強度偽装問題で営業中止に追い込まれているホテルのうち、2棟は大手ゼネコンの鹿島と大林組が施工業者となっていたことが6日、国土交通省などの調べで明らかになった。
いずれも設計は「平成設計」(東京都千代田区)が元請けし、姉歯秀次・1級建築士(48)が構造計算をしていた。
大林組広報室は、「施工は建築主の指定で木村建設が下請けした。(以下略)
「平成設計」というのがどれくらい大手なのか知りませんが、小さい事務所なら設計と下請を指定されたところに大手ゼネコンが入るというのはあまりないはずです。
現実的にはコストが安いので木村建設に発注したい施主が木村建設の倒産リスクをヘッジするために、口銭を払って大手ゼネコンに元請に入ってもらった、ということなんだろうと思います。
大手ゼネコンも「倒産リスクの保険屋」の小遣い稼ぎのつもりで気軽に受けたのかもしれませんね。
確か建設業法では一括下請け発注も施主の同意があればできるのですが、工事管理に専任の技術者を置かなければいけなかったはずです。
その辺も名目的においているだけでいい加減だったのかもしれません。
その結果実際に元請責任をかぶることになってしまったわけです。
リスクをとったにもかかわらず、やるべきことをしっかりやってなかったのですから仕方ないですね。
建設業界に限らず、下請丸投げとかの一件楽勝なコミッション仕事というのはけっこうあると思いますが、契約上、業法上のリスクをしっかり考えないといけない、という教訓ですね。
個人でいえば、食事をおごられて気軽に保証人になってしまったというようなもんでしょうか。