昨年石垣島に行ったのですが、宮古島の人は、観光地としては石垣の方がメジャーだけど、海は宮古の方がきれい、というのが共通の思いのようです。
実際海はとてもきれいです。
特に宮古島は周辺の伊良部島、来間島、池間島などの全体が珊瑚礁の上に浮かんでいるような地形になっていて(後2つは橋でつながっています)、どの浜辺でもシュノーケリングが楽しめ、また、珊瑚礁が切り立って水深が深くなっているところ(「ドロップオフ」という)はダイビングのポイントになっています。
(石垣はどちらかというと島の間の水深の深いところでマンタを見る、というようなポイントになるようです)
実際、シュノーケリングでも珊瑚にいろいろな魚(やウツボやウミヘビやイカ)だけでなくウミガメまで見ることが出来ました(運がよければイトマキエイも見られるとか)
(宮古島と池間島を結ぶ池間大橋)
しかも、宮古島には山がないので川もなく、大雨のときに海に陸の赤土が流れ込む事もないので、海が汚れずに珊瑚礁も長持ちしているそうです。
では慢性的な水不足かというと(石垣にはダムがあります)、珊瑚礁(石灰岩)の地層の下に粘土層があり、その間に雨水が溜まるので、宮古も水不足にはならないとか(そのかわり水道水は硬水でそのままでは飲めません)
今回はじめて知ったのは、宮古島にはハブがいない、ということ。
今までは、与論島以北は北限を超えるのでいない、としか知らなかったのですが、沖縄周辺の小島でも、ハブのいない島がいくつかあるそうです。
そして、それらの島に共通しているのが、それらの島ではパイナップルが育たないこと。
どうやらハブの苦手な土壌というのがあるのではないか、というのが俗説なのですが、だれも検証したことはないとのこと(最近では宮古でも土を入れ替えてパイナップル栽培をしている農家もあるとか)
食べ物は石垣と共通する部分が多いですが、宮古ではカツオとタコが比較的多いでしょうか。
「カツオ味噌」という酒盗と島トウガラシと味噌を混ぜたようなちょっとピリ辛の味噌はご飯につけると美味しかったです。
沖縄そばでいえば「宮古そば」は比較的カツオ出汁が強めです。また、なぜか具が麺の下にあるのが本来の姿だそうです(スープと具を作っておいてから茹で上げた麺を乗せるのかな?)。
また「雪塩」という細かい粒の塩などを扱っている世界一ミネラルの豊富な塩(ギネスブック認定)を造っている製塩所とか、宮古島の海水のにがりで作る石嶺豆腐店の豆腐(これは確かに美味かった^^)なども名物です。
牛肉は「石垣牛」の方が有名ですが、最近では宮古でも牧畜が盛んになってきたそうです。
あと、宮古の人は石垣の人に勝るとも劣らず商売っ気がないですね。
最後の2日はレンタカーを借りたのですが、送迎という約束だったのに配車してくれるし、さらに、「いい車があいてるから値段同じでいいからこっちにしなさいよ」と結局営業所に連れて行かれて3ランクくらい上の車を貸してくれるし、最後の空港での乗り捨ても、ホントに「乗り捨て」(島で車盗んでも逃げられないからいいのでしょうか)でOKでした。
繁華街の駐車場も、係りの人に声をかけたら
「そこの駐車券に時間書いといて」
と言われてしまいました。
つまり入庫時間と出庫時間をクッキーのカン箱に入れてある「駐車券」に自分で書いて、料金と一緒にポストに入れる、というシステム。
みやげ物屋の人に聞いたら、普段は無人のことが多いそうです(「へえ、珍しく人がいたんだ」だって^^;)
確かに1時間100円、3時間まで200円、5時間まで300円、一晩500円という価格なので、人を置く方が割高なのかもしれません。(ちなみに六本木ヒルズの駐車場は1時間800円です)
ダイビング・ショップの人も、夕飯のお勧め所の解説に忙しくて代金を受け取るのを忘れてるし、お釣りをダブルでもらいそうになったことも何回かありました。
石垣と宮古、どっちがいい?と聞かれたら・・・悩んでしまいますね
(まぁ、仕事をやめて楽隠居できるのならどっちでもいいですw)
あまり人気のない北側のビーチのバンガローに泊まったのですが、「食堂での宿泊客の注文を記録しておき、チェックアウト時にまとめて支払いをしてもらう」のが普通のことろ、ここの食堂は、注文自体は聞いて料理を作ってくれるのですが、客自身が部屋別に用意された備え付けのノートに自己申告するようになっていました(宿泊客が、ノートに日付と注文を、「July 24: Fried Rice with Beef 7B」というように記載する訳です)。ソフトドリンクも同様で、いつでも注文すると持ってきてくれるのですが、客がノートに自己申告するシステムでした。そこには約1週間滞在したのですが、支払いは、宿泊費を含めて、自己申告どおりでした。安宿だったのせいもあるのでしょうが、ほんとうに、のんびりと「経営」していました(さすがに、今はもうそんなことしていないでしょうけれど)。
それに比べて、東京近郊での無人野菜販売所に監視カメラが置いてあるのを見ると、文明は人間を本当に豊かにしたのか、時々疑問に感じます。
そうですね、今さらながらですがお客さんを信用する(疑わない)ことがホスピタリティの基本なのかもしれませんね。
「善管注意義務」とか「内部統制」とか取締役の責任とか結局他人の資金を預かる受託者責任は結局すべてゼニカネに換算されてしまうわけで、そういう機関化された資金を前提とする世界ではもはや期待できないものなのでしょう。
非上場企業、個人企業ならでは、という世界ももっと評価されていいかもしれませんね(=間接金融で昔の日本じゃないか、という話もありますがw)。