最近、人に会うと「忙しそうですね」と言われるが、実はそうでもない。確かに休みは無いし(結局2月は一日も休めないようだ)、窯を焚けば24時間仕事だ。けれど、自分の段取りで動いているので、疲れることはない。
だが正直に言って、問題は山積みであり、前途多難なのはハッキリとしている。自分の思うとうりに仕事が進む訳もなく、収入に至っては、前の仕事の4分の1くらいになった。いや、最近はもっと酷いかもしれない。それでもこの仕事を続けているのは何故なのだろうと、自分でも不思議に思うことがある。よく考えてみれば、愕然とするくらいの悪い状況だ。この貧乏を打開する秘策もない。いつまで続くのかもわからない。
では、何が私を突き動かすのか?
それは、子孫のためだ。それこそが私の仕事だ。
笑われてもいい。かっこつけてると言われてもかまわない。甘いと顔を顰められてもいい。
この、母なる地球が愛しくて、父なる宇宙がたまらなく好きだからだ。私にできることは、炭をやくことくらいだ。
金持ちになるつもりはない。名を残すことに興味はない。誰かと争って、勝っただの負けただの、そんなつまらないことにエネルギーを使いたくない。できることなら、シガラミを全て捨て去って、身軽に山と向き合いたい。低レベルの自慢話と人の悪口を言うことしかできないような、そんな人間にはならない。
夢は、炭で山河を救う手助けをすること。名も無き山守・水守として、名も無き山に眠ること。
自慢は、そんな気持ちに翳りがなく、それだけはこれからも変わらないだろうということ。
この先、自分が骨を埋める場所を探して彷徨うのだろうけれど、それでいいと思う。
私の人生はこれからが本番だ。柔軟なアタマと身軽な身体が武器だ。今までの経験と、これから体験する全ての事はプラスである。
そうやって、己を信じてやっていきたい。できるだけ、他人を尊重しながら・・・・
名も無き山々に棲む神と、お天道様が私を見ていてくれる。それだけで充分だ。