炭やきは地球を救う

脱サラして10年。炭やき・木こり・木挽きを生業としています。

大晦日

2008-12-31 | 環境問題 地球を救う真面目な話

今年も穏やかに暮れそうだ。年末年始は実家でのんびりと過ごしている。

私は年末年始だからと、特に何かをする方ではない。普段、なかなか休みが取れないのでゆっくりさせてもらっている。

それでも、今年起こったことを思い返してみると、やはり一番は会社を興したことだ。

来年は、稼ぎの部分で一生で一番頑張らなければならない年になりそうだ。

もちろん、仕事の部分でも、一生で一番頑張ろうと思う。

日本一の道具と、恵まれたフィールド、恵まれた環境、素晴らしい仲間たちを与えられている私だ。ここで頑張らなければバチが当たる。

おととい、富山の村井さんが窯を見たいと言われ、娘とジローを連れて仕事場まで行って来た。仕事場で走り回るジローの姿を娘に見せたかったからだ。娘が驚くくらい、ジローは元気良く走り回っていた。景色と空気が勉強で疲れている娘の頭をリフレッシュしたようだ。

娘はとても穏やかな表情をしている。ジローの頭を撫でる娘が愛しくて、可愛くて仕方ない。

娘の穏やかな笑顔が、私の原動力であることは間違いない。

良いお年をお迎え下さい。


今年の仕事収め

2008-12-27 | 環境問題 地球を救う真面目な話

今年最後のエコツアーを終えた。先日のNHK環境講座を聴きに来てくれていた、からきさんたちだ。素直で明るく、頭の良い子たちだ。最近の大学生に対するイメージを払拭させてくれるような真っ直ぐさだ。

今回のエコツアーで、私は未来のための仕事をしているのだと、強く実感した。彼女たちは、こんな私の無愛想でつたない言葉を一つ一つ噛み締めてくれたようだ。学校でも環境の事を学んでいると言っていたが、実際に山に来てみて初めて腹に落ちる事が多いのだろう。

彼女たちは、これから母親になっていく。

私が最も伝えたかったのは、「一緒に山を守る」という事だ。

それぞれがしっかりとココロに刻み込んでくれた。それがとても嬉しい。

一日目は炭やき体験。夜は炭火で料理。残念ながら、曇っていて星は見えなかった。

二日目は串原の山で間伐。見上げても樹冠が塞がっている状態や、土がむき出しになっている林床など、人工林の現状を自分の五感を使って取り込んでいた。

実際に数本倒して「緑の窓」を目の当たりにした彼女たちの表情は明るく、生き生きとしていた。「何故間伐をしなければならないか?」という話に耳を傾ける彼女たちの真剣さが伝わってくる。

午後は、段戸裏谷原生林へ。森の中へ入った途端、言葉を失うほどの安心感と、足裏に伝わる腐葉土の感触に感激していた。これから社会に出て、不公平や理不尽を経験していくのだろうけれど、今回の経験が何かの役に立つと思う。特に、原生林で感じた「地球」そのものを愛でる感情は、二度と消える事が無いだろう。

彼女たちは、自ら山を体験したことを自分の子に伝えていくだろう。仕事が未来へ繋がった。

それが何よりも嬉しい。


クリスマスだけど

2008-12-24 | 環境問題 地球を救う真面目な話

世間はクリスマスだ。私はいつもと変わらない日を送っている。

森林窯を止めた。昨日のうちに主煙突と副煙突5本を外しておいた。吸気口を閉じ、煙突も数ミリの隙間にしておいた。これがガス抜きだ。ガス抜きを始めると、窯の熱気が下がるのがわかる。今朝になってから、煙突を外して密封した。その後、窯の上をキレイに均し、回りを片付ける。炭の品質とは関係無いのだが、窯をキレイにしておかないと気がすまない。窯は私の一番大切な道具だからだ。

湖畔窯は順調に炭化を進めている。吸気口を狭め、煙突も絞った。後は窯に任せるだけだ。

クリスマスとは関係なく、私は身体を動かす。今日も薪を割り、竹を刻んだ。

一日外にいて、山の空気を体の隅々まで行き渡らせる。

世間の雑踏から遠く離れ、自然の懐で働く幸せを噛み締めた。

空は真っ青だ。Imgp0778


宇宙(そら)

2008-12-21 | 環境問題 地球を救う真面目な話

昨夜、夜中に目が覚めた。キリッとした寒さだ。防寒着を着込み、窯まで降りる。

空を見上げると、満天の星空。宇宙(そら)がすぐ近くにあるみたいだ。

いや、自分が宇宙(そら)の真ん中にいるみたいな感覚。ミードを引っ張り出し、オリオン大星雲を捉える。ため息が出るほど美しい。かに座のプレセベ星団も肉眼で見える。この時期のこの時間には必ずそこにある星たち。当たり前の光景が魂を揺さぶる。

焚き火しながら、星を眺めていたら、すぐに一時間ほど過ぎた。ジローは私の靴を枕に眠っている。

明日からは湖畔窯を焚く。生に近い上木をたっぷりと詰めた。数日後にはカナギ独特の甘い香りに包まれるだろう。

森林窯は順調。まだまだ、煙が切れて来ないが、温度は上がってきた。火曜日に止めることになりそうだ。

父なる宇宙(そら)に抱かれるような感覚だ。大宇宙にぽっかりと浮かんだ母なる地球。

私たちは、銀河系の中にいる。夜中の窯の前で、ふとそんな事を考える。

宇宙(そら)に想いを馳せていると、気持ちが落ち着いてくる。


木炭ボイラー

2008-12-20 | 環境問題 地球を救う真面目な話

森林窯が順調なので、木炭ボイラーの見学に行ってきた。黒部までの日帰り出張だ。

黒部のムライ㈱さんの工場である。精力的に事業を展開されている社長の人柄に惚れ、筑波の産業総研や姫路のエマルジョン燃料関係でご一緒させてもらった。

Imgp0750

これがその木炭ボイラー

カナギ炭でなく、流木炭の方が向いているような燃焼形態だった。写真の装置は随分大掛かりで、大型のハウス向けだそうで、この半分のサイズのボイラーもある。

木炭ボイラーのメリットは、何と言っても燃料経費の削減。燃料代がおおよそ3分の2で済むようになる。

しかし、私が惹かれる一番のポイントは、石油依存の燃料を使わないということ。炭は100%木質バイオマス燃料だ。もちろん、動力が無いと動かないので、電気は使う。

最近、ペレットやおが屑を燃やすボイラーもあるのだが、木炭ボイラーは炭を燃やす事によって、煙や匂いがほとんど無いという点が素晴らしい。

もう一点。煙や匂いが少ない排気の中には、炭酸ガスが多く含まれる。これをハウスの中へ入れる事。ハウスの中に栽培されているのは植物だ。植物は炭酸ガスを吸収して、光合成を行い、デンプンを作り、酸素を排出する。炭酸同化作用が促進されるという訳である。

排気まで無駄なく使える。燃料にする炭は、間伐材の炭でいい。2日で1立方mの炭を消費するが、有り余る間伐材を炭化すれば充分に供給できるし、たくさん作れば、安く出せる。

私にとって、夢のような機械なのだ。これぞ、環境負荷の最も少ない木質バイオマス燃料の使われ方だと思う。

お近くで、環境問題に関心が高く、ハウス暖房について検討している方がおられたら、是非紹介して下さい。私が説明に伺います。