感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

市中肺炎

2014-03-06 | 臓器別感染症:呼吸器系
Community-acquired pneumonia
Richard G. Wunderink et al
NJEM

肺炎;年間350万人死亡(米国では5万人とされているが過小評価されている)
心疾患のない患者では診断は難しくない
感染所見(発熱、悪寒、白血球上昇)があり、呼吸器症状(咳、痰、呼吸苦、胸痛、胸部異常所見)があり新規浸潤影があれば診断される。
15%で初期にはinfiltrateが見逃される(10%でdisagreeがある) 

抗菌薬のkey pointはS.pneumoniaeとatypical pathogenがカバーされているかいなか(mycoplasma, chlamydophila, legionella)がカバーされているか否かである。
→IDSAガイドラインではキノロン又は第二第三世代のセファロスポリン+マクロライドを推奨している。
→S.pneumoniaeがICU入室の代表的起炎菌でありcombination therapyが推奨されている。 

・quality metricは初診後6時間以内の抗菌薬投与であり、4時間を超えた後の抗菌薬投与は予後悪化と相関している。→初期抗菌薬を早く入れようとすると肺炎でない人に対する不適切な抗菌薬投与が行われる事に繋が→C.difficileの増加をまねく→死亡率の改善に繋がらない
→ショックでは1時間以内の抗菌薬投与だが、最近のIDSA-ATSガイドラインでは推奨
1時間遅れるごとに8%の死亡率増加を招くとされている。 

抗菌薬推奨期間は5-7日間である。(抗菌薬延長についてはエビデンスがない) 

Health care associated pneumonia は耐性菌が多いとされている。(MRSA, MDR gram negative pathogens) 
→このような患者ではMRSAカバーや緑膿菌カバーが望ましいとされているが、overtreatmentが指摘されている。 

適切な時期でのインフルエンザ検査は診断に影響する。 
救急外来に受診する40-60%の肺炎患者は入院する
スコアリングシステム:PSI, CURB65を用いる。 

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