ガウスの旅のブログ

学生時代から大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。現在は岬と灯台、歴史的町並み等を巡りながら温泉を楽しんでいます。

旅の豆知識「うどん」

2017年09月07日 | 旅の豆知識
 旅先でよく食べるものの一つに、「うどん」があるのではないでしょうか。現在では、日本中に普及していて、食堂のメニューにも多く、駅等の立ち食いなどもあります。
 しかし、昔は「うどん」の原料となる小麦は、西日本の肥沃な平野部で裏作として作られていて、東日本の山間部の瘦せ地で作られていた「蕎麦」とは好対照だったのです。従って「うどん」は、どちらかというと小麦のとれる西日本の平野部で主に作られていたという感じがあります。
 また、「うどん」のダシ汁は、東日本で濃く、西日本では薄いという印象もありましたが、近年ではいろいろな「うどん」が作られて、食されているようです。
 現在では、食するだけでなく、工場見学や製造体験のできるところもありますので、旅先で訪れてみることをお勧めします。

〇「うどん」とは?
 うどん(饂飩)は、小麦粉を原料とした麺類の一種です。小麦粉を食塩水と練り合せて線状に切出し、ある程度の幅と太さを持つ麺で、乾麺や生麺として流通していました。日本農林規格(JAS規格)の『乾めん類品質表示基準』では、うどん(饂飩)の太さは直径1.7mm以上とされています。これより細い直径1.3mm以上~1.7mm未満はひやむぎ(冷麦)、1.3mm未満はそうめん(素麺)と分類されていました。
 名称は奈良時代に中国から渡来した唐菓子の混飩(こんとん)からの転化とされていますが、現在のように細長く切ったものとして、本格的に普及したのは江戸時代だと言われています。その後、日本各地で作られて食されるようになり、栃木県佐野市の耳うどん、群馬県などのおっきりこみ、山梨県のほうとう、愛知県のきしめん、徳島県北東部のたらいうどんなど郷土色豊かなものになっているところもあります。

☆「うどん」の名店のお勧め

(1)佐藤養助総本店(秋田県湯沢市稲庭町)
 “稲庭うどん”は、手延べ製法の細い乾麺で、日本三大うどんのひとつに数えられています。佐藤養助総本店は、製麺業者の直営店で、300年以上前の製法をそのまま伝える近くの工場で作られた手作り麺を使用していますが、昆布、焼干、干しシイタケ、カツオ節で取ったダシが味わい深く、美味しかったのです。

(2) 大澤屋(群馬県渋川市)
 “水沢うどん”は、生地を捏ねてから伸ばすまでの間に、熟成期間があり、こしがあるのが特徴で、水沢観音の門前で供されて広まりました。その中で、水沢うどん街道にある「大澤屋」は、麺に強いコシと弾力があり表面はツルツルとして輝いていて、とても美味しいのです。釜揚げうどんもお勧めですし、舞茸の天ぷらも添えたいところです。

(3)うどん茶屋 海津屋(富山県氷見市)
 “氷見うどん”は、手延べの細麺が特徴で、加賀藩献上御用として、藩政期より250年以上の歴史があります。「うどん茶屋 海津屋」製造元である海津屋さんが 工場の隣に出された直営店で、うどんは、手延べの細麺で、ツルっとした舌触りとモチモチ感のある食感がとても良かったです。

(4)宮きしめん神宮店(愛知県名古屋市)
 “きしめん”は、愛知県では江戸時代からの郷土料理となっていて、麺の形状が平たいのが特徴で、日本農林規格(JAS)の乾麺では、「幅を4.5mm以上、厚さを2.0mm未満の帯状に成形したもの」となっています。「宮きしめん神宮店」は、名古屋市の熱田神宮の境内にあり、門前の茶屋の雰囲気の店舗です。宮きしめんは、醤油のきいた赤いだしがとても美味で、その他のメニューには、おすましきしめん、とろろきしめん、白えびかき揚げきしめん、天ぷらきしめんなどがありました。 

(5)小縣屋(香川県丸亀市)
 “讃岐うどん”は、日本三大うどんのひとつに数えられますが、弾力のあるコシと滑らかな食感が特徴で、香川県は、全国で県民一人あたりうどんの消費量がトップです。「小縣屋」は、丸亀市に本拠を置き、“元祖しょうゆうどん”と銘打っているだけあって、茹でたての歯ごたえのあるコシの強い麺に、だいこんおろし、すりごま、ねぎ、すだち汁等を好みに合わせて入れ、生しょうゆをかけて食べるのがとても美味しくて、お勧めです。

(6)竹酔亭本店(長崎県松浦郡新上五島町)
 “五島うどん”は、五島列島で産する乾麺で、日本三大うどんのひとつに数えられますが、厚めに丸く伸ばした生地を鎌で渦巻き状に切り出した後、手延べ製法で作られます。「竹酔亭本店」は、ますだ製麺の直営店で、事前に申し込めば工場見学や体験も可能です。ここでは、手延べでコシの強い麺を薬味がたっぷりと入ったつゆにつけて食べるのが美味でした。

☆日本の「うどん」主要産地一覧

<東北>
・稲庭うどん(秋田県南部) 手延べ製法の細い乾麺で、日本三大うどんのひとつに数えられています。

<関東>
・おっきりこみ(群馬県・埼玉県北部・秩父地方) 二毛作による粉食文化のある地域の麺の入った野菜煮込み料理です。
・桐生うどん(群馬県桐生市) この地域で食べられているもので、麺はやや太めで、「ひもかわ」と呼ぶ幅広な麺もあります。
・館林のうどん(群馬県館林市) 江戸時代中頃より館林藩の名物として将軍家に献上されたとの記録があり、乾麺が中心です。
・水沢うどん(群馬県渋川市伊香保町水沢) 生地を捏ねてから伸ばすまでの間に、熟成期間があり、こしがあるのが特徴です。
・耳うどん(栃木県佐野市仙波) ここの郷土料理で、耳の形をしたすいとんのような塊状の麺を使用するので、この名があります。
・加須うどん(埼玉県加須市) この地域の郷土料理で、コシが強く、また加水率が高いのが特徴です。
・武蔵野うどん(東京都・埼玉県) 昔の武蔵国地域のもので、地粉を使ったゴワゴワしてコシが強く黒っぽい麺が多いのです。
・ほうとう(山梨県) 郷土料理でかぼちゃや根菜類等季節野菜を主体とした味噌汁に、生地に塩を練りこまずコシを作らない状態で幅広に切った麺を、打ち粉が付いたままの生状態から入れて煮込みます。

<中部>
・きしめん(愛知県) 江戸時代からの郷土料理、麺の形状が平たいのが特徴です。
・吉田のうどん(山梨県富士吉田市) 非常に強い固さと太さが特徴で、煮干や鰹節を出汁とした味噌または醤油味の汁で食べます。
・氷見うどん(富山県氷見市) 加賀藩献上御用として藩政期より250年以上の歴史があり、手延べの細麺が特徴です。
・小松うどん(石川県小松市) 細麺でのどごしが良いのが特徴で、加賀藩が名物として大名へ献上品としたという歴史があります。

<近畿>
・伊勢うどん(三重県伊勢市など) 柔らかくゆでた極太の麺に、たまり醤油に鰹節やいりこ、昆布などの出汁を加えた、黒く濃厚なつゆを絡めて食べるものが主流です。
・京うどん(京都府京都市) だしに強くこだわり、麺は細い麺をコシがなくクタクタになるまで煮て箸で麺を持ち上げると切れるくらいにするのが特徴です。

<中国>
・備中うどん(岡山県浅口市鴨方町など) 鴨方うどん、かも川うどんとも呼ばれ、昔からの手延乾麺の産地で、手延そうめんや手延ひやむぎと共に手延うどんも製造されています。

<四国>
・鳴門うどん(徳島県鳴門市) コシのほとんどない細麺で、だしは煮干しなどを用いたあっさりしたものです。
・たらいうどん(徳島県北東部の阿波市土成地区) ゆで汁ごと大きなたらいにあけ、それを数人で囲み、つけ汁に付けて食べます。
・讃岐うどん(香川県) 日本三大うどんのひとつに数えられますが、弾力のあるコシと滑らかな食感が特徴です。香川県は、全国で県民一人あたりうどんの消費量がトップです。

<九州>
・博多うどん(福岡県福岡市・北九州市など) 腰が弱めで柔らかいものが一般的で、汁は昆布・鰹節・うるめ・鯖節・いりこ・あじこ・あご(トビウオ)等を使用し薄口醤油で仕上げています。
・五島うどん(長崎県五島市など) 五島列島で産する乾麺で、日本三大うどんのひとつに数えられますが、厚めに丸く伸ばした生地を鎌で渦巻き状に切り出した後、手延べ製法で作られます。


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