直下型の地震だった。6月18日午前7時58分のこと。
遠くから、そう、東の方から
ドドドドドっと地鳴りがしたかと思ったら
ドンと突き上げられ 横に揺れた。
瞬間 家が割れると思った。
不思議と 南海トラフが来たとは思わなかった。
地鳴りに反応してまるが飛んできた。
ふたりでテーブルの下に隠れた。
数秒の揺れだったがとても長く感じた。
猫たちは一瞬にしていなくなった。
この家からは逃げてはいない。大丈夫だ。
この家はつぶれないから、猫たちガンバレと。
そう言い残して とりあえず外に逃げた。
前のマンションのベランダが落ちている。
隣のお家の屋根瓦が落ちている。
エライ事が起きたかもしれない。
地域の一人住まいの方 高齢者の方の家にまるを連れて走った。
とにかく走った。皆さんご無事だった。
お家に残られる方には
「落下物に気をつけて頭を保護して下さい。避難口確保して下さい。」
と声かけた。落ち着いた安心出来るような声かけが出来なかった。
避難される方とは一緒に避難所に行った。
防災訓練で対象者がはっきりしてたから
咄嗟に身体が動いたのは事実だ。
そして、異様にアドレナリンがわき出てたし。
ご近所声をかけあって、落ち着いてから
まるを脱走させてはならないと、
絶対逃がさないために車に閉じ込めた。
家の中に入る。玄関周りはぐちゃぐちゃ。
階段の窓際の置物は全滅。粉々。
額も全滅。階段はガラスまみれ
靴を履いたままで2階にあがる。
書庫兼ピアノ部屋は、本や書類が散乱し
ピアノの足カバーは4個とも外れて、重いピアノが40センチ動いていた。
猫たちはみんなおびえて固まっていた。
ガラスで怪我しないようにキャットハウスに閉じ込めた。
高槻市で女の子が学校のブロック塀の下敷きになっていると
テレビが伝える。
ひどい!安全なスクールゾーン上で、安全なはずの学校施設の下敷きに。
早く、早く、救出してあげてほしかった。
でも、私たちは無事だった。
くろはすぐに見つかったが、ドラミが見つからない、
しばらくしてどこからか怯えた顔して出てきた。
まるは音に敏感になり、防災ヘリ、新聞社のヘリの音にびくついた。
ご飯もあまり食べなくなった。
舌を出してハァハァハァハァっと呼吸も荒かった。
余震の度に私の元に飛んでくるようになった。
たま姐さんは悠然としていたが、ご飯を食べなくなった。
二日目になって、やっとご飯を食べ出した。
ユキタ兄さんのお家はガラスまみれになったから
避難してきた。
ベランダで日向ぼっこしてた時に被災した彼は
パニックになって部屋の中に入って肉球がきれてしまった。
脱走した猫が周りにいっぱいいる中ほんとに脱走しなくて良かった。
その夜みんなで一所で寝た。
ブルーシートの張った屋根。
壁が落ちたお家。崩れた土蔵。
歪んだブロック塀。崩壊した玄関。
陥没したり盛り上がったりしてる歩道。
閉鎖になってるアンダーパス。
休業している商業施設やスポーツジム。
いま、被害の状況が目に見えて広がっている。
二週間経って、今なお避難されている方が大勢いらっしゃる。
自分の周りでも、もうこれ以上ここには住めないと
府営住宅の空き室入居申し込んだが、見通し立たないので
とりあえず引っ越しをするという方も居らっしゃる。
これくらいの被害で済んで良かったと
自分ばかり喜んではいられない。
今回の地震で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
そして、被災された皆さんお見舞い申し上げます。