風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2016年 10月31日 月曜日

2016年10月31日 | 仕事場
まずは、再び発生したイタリアの大地震から。

イタリア中部で30日午前7時40分(日本時間午後3時40分)ごろ
マグニチュード6.6の強い地震が起き、かなりの被害が出ている模様です。

震源地はウンブリア州ノルチャの北約6キロで、震源の深さは約10キロ。
120キロほど離れたローマでも比較的強い揺れを感じたようです。
それに先立つ26日にもマグニチュード5.5と6.1の強い地震がありました。

ノルチャの南東地域で8月に起こった大地震以降住民の避難が進んでいたこともあって、今のところ死者は確認されていません。
負傷者も20人ほどで人的被害は少なかったようですが、歴史的建造物や民家などの物的被害が甚大のようです。

震源地に近いノルチャでは、街の象徴的存在であるサン・ベネデット聖堂が正面壁を残してほぼ全壊。
ノルチャに近いプレーチ、カンピ、カステルサンタンジェロ、ヴィッソ、ウッシタなどでも被害は大きく
プレーチ近郊にある、中世の外科学校で有名なサンテウティツィオ修道院は26日に正面壁の一部が破損していたのですが
今回の地震によってほぼ全壊した模様です。
カンピにあるサン・サルヴァトーレ教会も26日に一部を残して倒壊しています。

BBC News JAPAN 地震の記事

今回の震源より南東へ20キロほどが震源だった8月の大地震で壊滅的な被害が出たアマトゥリーチェをはじめ
その周辺の被災地でも今回の地震が追い打ちをかけ、更に被害が拡大しているようです。

死者が出ず、負傷者も20人ほどで人的被害が少なかったとは言え、一連の地震による避難者は25000人にのぼると伝えられています。
季節はまっしぐらに冬に向かっており、しかも被災地は冷え込む山間部ですから、被災者の今後が気にかかります。
8月から群発地震のように強い地震が連続しましたが、是非ともこれで収束に向かってほしいものです。



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【 日本画 】


◆ ロマネスクのレリーフ 20号 最終回

イタリア中部ウンブリア州スポレートにあるサン・ピエトロ聖堂正面壁には
聖書の内容を表現したロマネスク様式の優れたレリーフが多数彫り込まれています。
今回描いたこのレリーフの竜は悪魔サタン、獅子はイエス・キリストの象徴です。

前回とは特に大きな変化はありません。
ほとんど細部の調整に費やし、一応の仕上がりとなりました。




 「獅子奮迅」 72.7cm × 40.5cm (20号)








◆ サン・マルコ広場の夜 6号 最終回

イタリア・ヴェネツィアの中心部サン・マルコ広場です。
広場を囲む建物群の1階にある回廊状のポルティコからの眺めです。

奥に見えるサン・マルコ聖堂や鐘楼などを描き込み、空の下側に星を入れました。
これで一応の仕上がりとします。




 「サン・マルコの夜」 41cm × 27.3cm (6号P)








◆ リクヴィールの吊り看板 日本画 6号 最終回

フランス・アルザス地方の小さな村リクヴィールにある吊り看板です。
モデルになったのは、路地裏にあるホテル・ア・ロリエルという小さな宿の看板。

建物は夜の闇に溶け込ませたまま、ほとんど描き起こすことはせず
灯りに照らされて浮かび上がる看板を強調することにしました。
画面左側の壁はやや広過ぎるように感じていましたが、これで大丈夫だろうと思います。




 「旅の宿」 41cm × 31.8cm (6号F)








【 ジークレー下地のパステル 】


◆ 安曇野の水車小屋 25.5 × 17.5 cm 作品ベース 第2回

長野県安曇野市穂高の大王わさび農園の脇にある水車小屋です。





 前回の状態






 彩色3

全体に薄い黄緑色を塗り込み、これを基調色とすることにしました。
今は小屋を描き起こしている途中です。
前回以降、あまり描く時間を取れませんでしたが、間もなく仕上がると思います。








◆ やまなみ サムホール 写真ベース 加筆・修正

北アルプスの、常念岳の南端から蝶ヶ岳にかけての山々です。
昨年描いたものですが、少し修正を加えました。





 加筆・修正






 加筆・修正





-------------- Ichiro Futatsugi.■


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shinkai)
2016-11-02 00:39:58
こんにちは! 

「獅子奮迅」「サン・マルコの夜」そして「旅の宿」も仕上がりですね、ご苦労様でした!!

今回最初に拝見した途端、おお、素晴らしい!と思ったのでしたが、どれもしっとりとした味わいがあると感じたのでした。

「獅子奮迅」は細部調整でと書いておられるので、どこが変わったのかと見比べてみましたが、
竜の首の左側とかあちこちの陰がほんの少し濃くなった様に見えます。
ライオンの陰も濃くなったと思えるのもあるのですが、案外体のほうがほんの少し明るくなってそう思うのかもしれません。

「サン・マルコの夜」も落ち着いた雰囲気になったような気がします。
星が入って、少しロマンティックにもなり、アーチの下の巻上げテントもしっとりした感じがします。
ヴェネツィアの夜は、なぜかどこかしら他の町の夜とは違うイメージなんですが、と思うのですが、深い空が素敵です。

安曇野の家は、早速これが好きな友人に知らせませましたら、素晴らしい!!という返事が来ました。
バックの色に黄緑色が入った事で、また随分イメージが柔らかく優しくなって、素敵です!!


今回の再度の地震で、プレーチがかなりの大きな被害を受けた様子で、先回拝見したプレーチの夜景を思い出しました。
少し被害の写真を探しましたが、町の中は進入禁止になっているそうで、なかなか実際の様子がつかめず気にかかっています。

あの辺り一帯の被害が殆どの町村に及んでいる様子なので、イタリアの一番美しい古い小さな町村がこれで消えてしまったと思うと、とても哀しいです!

Unknown (二木一郎)
2016-11-03 16:22:04
shinkaiさん、こんにちは!

ありがとうございます!!
しっとりしているという感想は、今まであまりなかったので嬉しいです!

「獅子奮迅」は、明るい部分は洗い出しによって紙の色を生かすという方法を最後まで押し通しました。
数年前に描いたトゥスカーニアのサン・ピエトロも白系の絵の具での描き起こしは一切しませんでしたが
洗い出しはほとんど行っていませんので、これが初の試みになります。
白で描き起こさないというのは不安が募り、苦痛でもありました。
もし白を使っていたら、まったく印象の違うものになったと思います。

「サン・マルコの夜」は、少し画面が小さかったかなと思っています。
10号くらいが適切だったような気がしますが、これはこれで収穫はあったと思います。
ご存知のように、同じポルティコの別の場所を描く予定でいますので、良い予行演習になりました。

安曇野の水車小屋は、間もなく仕上がると思います。
お友達にはよろしくお伝えください。

プレーチの夜景は残念ながら仕上がりませんでしたが、地震の被害には心を痛めています。
家屋の倒壊が少ないことを祈るばかりです。
カンピのサン・サルヴァトーレ教会倒壊の様子はヴィデオで見ました。
YouTube には空から被災地を撮影したヴィデオも投稿されて来ていますので
プレーチも、サンテウティツィオ修道院も、近いうちに様子が分かるのではないかと思います。

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