風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

第3回 「未然会」展のご案内 (作品画像更新・追加)

2016年04月29日 | 展覧会案内
*一部作品画像の更新と、1点追加 (4月29日)



私が講師を務めるNHK文化センター青山教室 日本画二木クラスの展覧会です。

5月9日(月)〜 15日(日)まで
東京・京橋の「ギャラリーくぼた」にて開催されます。



企画から運営まで、すべて生徒の皆さんの手になり
3年に1度の開催で、今回は3回目を迎えます。

是非ともご高覧賜りたく、謹んでご案内申し上げます。











生徒の皆さんは11名で、4号から40号までの30点あまりが展示されます。

私の作品は、サムホール・3号・4号のパステルの小品 のみとなり
過去の作品を中心に10点を展示しますが、その内の7点をご紹介します。


まずは、展覧会未発表の4点。
制作中の様子は、以前掲載したことがあります。




 「特等席」 4号F (画像更新)
  イタリア・シロールの猫









 「宵闇」 サムホール (画像更新)
  イタリア・ヴェネツィア、カナル・グランデとサンタ・マリーア・デッラ・サルーテ聖堂









 「寂夜」 サムホール
  ルクセンブルグ、ノートルダム大聖堂









 「雨後の聖堂」 サムホール
  イタリア・アッシジ、サン・フランチェスコ聖堂







そして、最近加筆・修正したものを3点。





 「白妙」 サムホール (画像更新)
  シクラメン









 「夕刻」 サムホール
  イタリア・アッシジ、サンタ・キアーラ聖堂








 「山茶花」 サムホール (追加)
  白備前の徳利とサザンカ





この他に3号2点、サムホール1点を出品します。

ゴールデンウィークの直後でお疲れのこととは存じますが
交通の便の良い場所でもありますし、何かのついででも結構ですので
是非ともお立ち寄りくださいますよう、お願い申し上げます。


-------------- Ichiro Futatsugi.■
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聴き比べ:正統派と異端児

2016年04月15日 | ペンタトニックス
病膏肓に入る

先日、2回連続・2度目のペンタトニックスの記事を見た友人から
「やまいこうこうにいる」とのお言葉を賜りました。 きゃはは!
病気が進行して手の施しようがなくなる、という意味から転じて
趣味や道楽に入れ込み過ぎて、もはや手がつけられない状態に陥ることを言います。

ごもっとも!! 弁解の余地無し!!

正直に申し上げますと
ペンタトニックスを知って「こいつは凄いぞ!」と感じた一方で
「ひょっとしたら、またヤバいことになりそうだ!」という直感が心をかすめたことも確かなのです。
はい、しっかりとヤバいことになってしまっております。

子曰わく、四十にして惑わず。
五十にして更に惑わず! そして今、六十にして究極に惑わず!!
たとえ世間の誹りを一身に浴びようとも、何事も信じた道を突き進むのみ! きゃはは!




さて、本題に入る前に、昨夜公開されたばかりのペンタトニックスの新しいオフィシャル・ヴィデオをご紹介します。
昨年10月にリリースされた初のオリジナル・アルバム「 PENTATONIX 」の中の「 If I Ever Fall in Love 」という曲。
シンガーソングライターのジェイソン・デルーロを客演に迎えています。
新作オフィシャル・ヴィデオの公開は約4ヶ月ぶり。
昨夜は公開1分後の段階で視聴回数は約3千でしたが、40分後には7万超え!
夜が明けて12時間後には約50万!とウナギ登り。さすがぁ!!

[Official Video] If I Ever Fall in Love - Pentatonix ft Jason Derulo







では、本題に入ります。
前回の末尾で、急遽予定を変更して「Black Is The Color Of My True Love's Hair」という曲をご紹介しました。
多重録音で作るコーラスで人気のシンガーのピーター・ホーレンズ
ペンタトニックスのヴォーカルベース担当アヴィ・カプランが組んでカヴァーしたものです。
前回、ジャズ・シンガーのニーナ・シモンの曲だとご紹介しましたが、その後、もっと古い曲であることが分かりました。
フォーク・ミュージック、つまり民謡とか伝統音楽の部類に入るもののようで、ニーナ・シモンもカヴァーしたということのようです。

このミュージックヴィデオは、ピーターとアヴィ双方の You Tube チャンネルからアップされており
当然のこと曲自体は全く同じで、タイトル画像と末尾のスピーチ映像が異なるだけです。
とても気に入った曲ですので再度掲載しますが、こちらはアヴィのチャンネルのもの。

"Black Is The Color Of My True Love's Hair" Avi Kaplan & Peter Hollens




ペンタトニックスのヴォーカルベース担当アヴィ・カプランと言えば、You Tube でよく比較されるのが
「ホーム・フリー Home Free」というア・カペラグループのヴォーカルベース担当「ティム・ファウスト Tim Foust 」です。

百聞は一見に如かず、まずはこちらをお聴きください。
ピーター・ホーレンズが今度はティム・ファウストと組んだ「ミスティ・マウンテンズ Misty Mountains 」という曲です。
ファンタジー映画「ホビット The Hobbit 」の中の曲をカヴァーしたものとのことです。
少々強面のティムのドスの利いた重低音と、アヴィの柔らかい低音の違いが一目瞭然です。

Misty Mountains - ft. Tim Foust








ペンタトニックスは全米ア・カペラコンテスト「 The Sing Off 」に挑戦中から「近未来ア・カペラ」と絶賛され
その卓越したアレンジ能力と、ア・カペラの常識から踏み出した表現力で「ア・カペラ界の異端児」と評されてきました。

もちろん、ア・カペラで歌っているのはペンタトニックスに限ったことではありません。
グループは数多くいますし、ピータ・ホーレンズのように多重録音でコーラスを作る人もいます。

そして、アメリカのア・カペラコンテスト「 The Sing Off 」からデビューしたグループもペンタトニックスだけではありません。
ペンタトニックスは2011年のシーズン3で優勝しましたが
その次のシーズン4で優勝したのが、ティム・ファウストがヴォーカルベースを務める男性5人組の「ホーム・フリー Home Free」でした。
彼らもペンタトニックス同様、コーラスとヒューマンビートボックスを組み合わせています。


ホーム・フリーの「 California Country 」という曲です。
私はまだホーム・フリーを聴き始めて間もないため、メンバーの名前もティム・ファウスト以外は知らず
この曲がカヴァーなのかオリジナルなのかも分からないのです。

Home Free - California Country (Country Evolution)



少し聴いただけでペンタトニックスとは全く方向性の異なることが分かります。
ジャンルとしては、ホーム・フリーはカントリー系。
ペンタトニックスは、より幅の広いオールラウンダーとでも言えるでしょうか。

メンバーそれぞれの歌唱力・ハーモニーの精度では明らかにホーム・フリーが優っていると思います。
破綻が極めて少なく安定感があり、練り上げられたハーモニーは心地よい響きをたたえています。

ペンタトニックスと比べると、ホーム・フリーはア・カペラの正統派のように感じられます。
対してペンタトニックスは歌唱力とハーモニーは荒削りですが
類希な着想力・アレンジ能力がもたらす意外性が際立っていると感じます。



と言うことで、今回は正統派ア・カペラとも言えそうなホーム・フリーと
異端児という評価を受けるペンタトニックスを、少しだけ聴き比べていただきます。


● ホーム・フリー
メーガン・トレイナーというシンガー・ソングライターの曲「 All About That Bass 」のカヴァー。

Meghan Trainor - All About That Bass (Home Free a cappella cover)




● ペンタトニックス
11世紀から今日に至るまでの名曲の一部をメドレー仕立てにした「Evolution of Music 」

Evolution of Music - Pentatonix






次は、両者が同じ曲を取り上げたものです。

クリスマスソングの名曲「エンジェルス・ウィ・ハヴ・ハード・オン・ハイ Angels We Have Heard On High」のカヴァーです。
日本では「荒野(あらの)の果てに」という題名でも知られており
元々は16世紀にフランスで原型が出来、19世紀に英語版の歌詞が作られたようです。


● ホーム・フリー

Home Free - Angels We Have Heard On High




● ペンタトニックス

[Official Video] Angels We Have Heard On High - Pentatonix







最後はホーム・フリーでシメようと思います。
ジョニー・キャッシュ(故人)というシンガー・ソングライターの曲「 Ring of Fire 」をカヴァーしたもの。
ペンタトニックスのアヴィ・カプランが参加しており、ティム・ファウストと共演しています。

Home Free - Ring of Fire (featuring Avi Kaplan of Pentatonix) [Johnny Cash Cover]







これまで何人の人が地上に生まれて来たのか。
今後何人の人が生まれて来ようとしているのか。
不思議なことに、と言うべきか、当然のことに、と言うべきか
同じ人は存在しません。
だからこそ、次々と面白いものが生み出されてくるのですね。

人はそれぞれ。
グループも様々。
ペンタトニックスの良さと、ホーム・フリーの良さも、またそれぞれ。

どちらが好きかも、また、聴く人それぞれ。


-------------- Ichiro Futatsugi.■

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聴き比べ:カヴァーとオリジナル Vol.1

2016年04月07日 | ペンタトニックス
アメリカの5人組ア・カペラグループ「ペンタトニックス」は、2011年のア・カペラコンテスト「The Sing Off」で優勝した後
カヴァー曲を You Tube に発表し始め、何枚かのカヴァー・アルバムを経て
2015年11月に、オリジナル・アルバムとしては初の「PENTATONIX」をリリースし、ア・カペラ史上初の全米初登場1位を獲得しました。
今後はオリジナルの比率を増やしていくと思いますし、それが当然の流れだと思います。

しかし、彼らの人気を不動のものとしたのは、デビュー当初から発表し続けている数々のユニークで秀逸なカヴァーです。
すでにご紹介済みの「ダフト・パンク Daft Punk」が典型例です。
カヴァーの比率が下がったとしても、良い曲を取り上げて、ずっと続けてほしいと願っています。


ペンタトニックスのカヴァーを聴き込んで行くと
オリジナルはどうなのか? それとどう違うのか? 自然とそこに興味が移ってきます。
幸いにも YouTube を使えばオリジナルの検索が簡単にできますし
オリジナルと一緒に並べて比較できる動画も存在しています。

ペンタトニックスのカヴァーする範囲は、彼らと同世代のポピュラーミュージックからクラシックにまで及びます。
現在までに私が捜したオリジナルは約50曲。
その中から数回に分けて、オリジナルとカヴァーを何曲かを聴き比べていただこうと思います。
中にはオリジナルの演奏ではなく、他のミュージシャンのカヴァーをオリジナル代わりに選んでいるものもあります。

ペンタトニックスがカヴァーしているわけですから
先にオリジナル、後にカヴァーという順で載せています。

前回はマニアックなものをご紹介しましたので、今回は雰囲気をガラリと変えて
クリスマスソングを中心としたアルバム「ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー That's Christmas To Me」から4曲。



1曲目は「ホワイト・ウィンター・ヒムナル White Winter Hymnal」

この曲はアメリカのグループ「フリート・フォクシーズ Fleet Foxes」が2008年にリリースしたもの。
クリスマスソングではありませんが、ヒムナルとは賛美歌のことですし、歌詞にも大天使ミカエルの名が出てきます。
土俗的・民族音楽的な響きがあり、ヴィデオのコマ撮り人形アニメと相まって独特の不思議な雰囲気を醸しています。


Fleet Foxes - White Winter Hymnal [OFFICIAL VIDEO]




ペンタトニックスのカヴァー。

[Official Video] White Winter Hymnal - Pentatonix (Fleet Foxes Cover)






2曲目は「メリー・ディドゥ・ユー・ノウ? Mary, Did You Know?」

欧米では多くのミュージシャンにカヴァーされており
すっかりクリスマスソングの一つとして定着している感がありますが
1991年にマイケル・イングリッシュというシンガーが歌って知られるようになったという、比較的新しい曲です。
マイケル・イングリッシュの歌もYouTubeにありますが、ここでは別の2人のカヴァーをご紹介します。

最初はクレイ・エイケン Clay Aiken というシンガーが2004年にカヴァーしたもの。
クレイはその前年、アメリカの有名なオーディション番組「アメリカン・アイドル」シーズン2で準優勝してデビュー。

Mary, Did You Know with Lyrics




もう一つはシーロー・グリーン CeeLo Green というソウル系シンガーのカヴァー。
この曲はイエス・キリストの生涯を描いた映画「サン・オブ・ゴッド」と
その元になったドラマ「ザ・バイブル」の中で使われているそうです。

CeeLo Green - "Mary Did You Know" [Official Audio]





ペンタトニックスのカヴァー。

[Official Video] Mary, Did You Know? - Pentatonix







3曲目は「リトル・ドラマー・ボーイ Little Drummer Boy」

これも多くのミュージシャンにカヴァーされているクリスマスソングの名曲です。
異色なものでは、ビング・クロスビーとデヴィッド・ボウイのデュエットというものもあります。

1941年にアメリカのキャサリン・デイヴィスという宗教音楽作曲家が原型を書き(元々のタイトルは異なる)
1958年にアメリカのシメオン合唱団が現在の形にして歌ったものがビルボードチャートの1位に輝いて広く知られるようになったようです。
タイトル画像にシメオン合唱団の名がありますし、絵の雰囲気から
これが1958年にビルボード1位を獲得したレコードのジャケットなのかもしれません。

The Little Drummer Boy (Perfect Version)




ペンタトニックスのカヴァー。

[Official Video] Little Drummer Boy - Pentatonix






4曲目は「キャロル・オブ・ザ・ベル Carol of the Bells」

今回の4曲の中では最も古くからある名曲で
作られたのは約100年前のウクライナということです。
古いだけに、オリジナルと言えるような演奏も残っていません。

そこで、ここでは リベラ Libera というロンドンを本拠に活動する少年合唱団の歌をご紹介します。
今にも精霊が舞い降りて来そうな演奏です。

Carol of the Bells




ペンタトニックスのカヴァー。

[Official Video] Carol of the Bells - Pentatonix







さて、今回のおまけです。
アルバムのタイトルになっている「ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー That's Christmas To Me」を載せる予定でしたが…
急遽変更して You Tube で見つけたばかりの別の曲を取り上げようと思います。
ペンタトニックスとは直接関係ないのですが、メンバーの一人が参加したデュエットです。


曲は「ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー Black Is The Color Of My True Love's Hair」

オリジナルはジャズ・シンガーのニーナ・シモンが1959年にリリースしたもので
アメリカのピーター・ホーレンズ Peter Hollens というシンガーと
ペンタトニックスのヴォーカルベース担当アヴィ・カプラン Avi Kaplan によるア・カペラカヴァー。

ピーター・ホーレンズは、コーラスの各パートからヴォイスパーカッションまでを全部一人でこなし
それを多重録音しての曲作りを得意とするミュージシャンです。

こちらは、まずカヴァーからお聴きください。


Black Is The Color Of My True Love's Hair - Peter Hollens & Avi Kaplan





Nina Simone - Black Is The Color Of My True Love's Hair



-------------- Ichiro Futatsugi.■

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