インビクタス / 負けざる者たち
cast >> Morgan Freeman, Matt Damon, Tony Kgoroge, Patrick Mofokeng, Matt Stern, Julian Lewis Jones, Adjoa Skinner, Marguerite Wheatley, Leleti Khumalo, Patrick Lyster, Penny Downie, Zac Feaunati, Grant Roberts, Scott Eastwood, Langley Jack Kirkwood, Bonnie Henna, Sean Cameron Michael ...
producer / director >>Clint Eastwood（134min）
executive producer >>Morgan Freeman
music >> Kyle Eastwood, Michael Stevens
soundtrack >>
【invictus】… "invincible" のラテン語で「どんなことにも打ち負けない」「無敵」の意。
ジョン・カーリン原作の『インビクタス / 負けざる者たち』を、クリント・イーストウッド（ filmography ）監督・製作 × モーガン・フリーマン製作総指揮・主演で映画化。Ｃ・イーストウッド × Ｍ・フリーマンがタッグを組んだ３作目、そしてイーストウッド監督30作目の記念すべき作品 ーーー。
アパルトヘイト撤廃後も根強い "人種対立" が残る中、国民が "肌の色" に関係なく "サウスアフリカン" として "ひとつ" にまとまる大きな転機となった、自国開催のラグビーＷ杯での奇跡の道のりを、ネルソン・マンデラ大統領（cf. "Goodbye Bafana" ）と代表チームのキャプテンを務めたフランソワ・ピナール選手との "交流" を通して描いた真実の物語 ーーー。
1990年「反アパルトヘイト運動」により反逆罪として逮捕され、27年もの間ロベン島に投獄されていたネルソン・マンデラ（Ｍ・フリーマン filmography ）が遂に釈放。1994年、全国民（← 多数を占める黒人が "初めて" 投票する権利を与えられた）が参加しての総選挙が行われ、マンデラは南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任。国は新たな歩みを始めるかと思われた。が、大統領は "アパルトヘイト（cf. "Cry Freedom" ）" 撤廃後も、白人と黒人の "人種対立" と "経済格差" は解消されず、"暴力" や "事件" も依然として減らず、国家は分断状態にあることを痛感していた ーーー。
"国民の統合（＝国をひとつにまとめること）" こそが悲願の大統領が注目したのは、ラグビー代表チーム "スプリングボクス" の存在。白人のスポーツとして "差別の象徴" となっていた "ボクス" は、長らく国際試合から閉め出され、今や "国の恥" とまで言われるほどの弱小チームと化していた。しかし、スポーツという "世界共通言語" で国民の意識を変えることができると固く信じる大統領は、チームの再建を決意。翌'95年に自国で初開催されるラグビー・ワールドカップを "国民をひとつにする" 絶好のチャンスと捉え『過去は過去とし、赦しこそがこの国の未来の礎となる』と訴える。そしてキャプテンのフランソワ・ピナール（マット・デイモン filmography ）を官邸に招き、その "想い" を伝える ーーー。戸惑いつつも、大統領の "不屈の信念" に心を打たれたピナールは、事あるごとに大統領のサポートを受けながら、誰もが不可能と考えた "優勝" を目指してチームを動かし始める・・・・・。
大統領警護官の黒人リーダー、ジェイソンをトニー・キゴロギ（ filmography ）、ピナールの妻をマルグリット・ウィートリー、マンデラ大統領の娘をボニー・ヘナ（ "Catch A Fire" ）、その他パトリック・モフォケン、ジュリアン・ルイス・ジョーンズ、パトリック・リスター（ "Goodbye Bafana" ）、レレティ・クマロらが出演。
マンデラ氏とＭ・フリーマンは親交があり、フリーマンの監督作 "BOPHA!" 撮影時にも現地アフリカで会ったそうです。二人とも長身ですし、フリーマンはマンデラ氏を演じるにあたって、あらゆる映像をかき集め、話し方や身のこなしなど研究したそうです（秀逸）。
"アパルトヘイト" を知らなくても（← 用語としては教科書に出てくるでしょうが）、マンデラ大統領の信念が実を結び、ラグビーを通じて人々が "肌の色（＝差別・対立）" に関係なく、"ひとつの国民（＝サウスアフリカン）" として共に "歓喜" を分かち合った姿に感動するでしょうが、"アパルトヘイト" を知って観れば、随所にジーンと熱くなるシーンがあります・・・。決勝戦でのコラージュのような編集（← お馴染みのジョエル・コックスら）は秀逸。その中でも最初は白人警官に邪険に扱われていた黒人少年が、ラジオから聞こえる実況中継に一喜一憂し、最後はコーラ片手に警官に抱き上げられて喜びあうシーンはお気に入りです。
ーーー これを機に、アフリカ映画をじっくり観てみるというのはいかがです？（薦）
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