monologue
夜明けに向けて
 



わたしが渡米した1976年のアソシエイテッド・テクニカル・カレッジのスピークイージーランゲージセンターでわたしはほとんど英語が話せない生徒を集めた最低のクラス、Cクラスに入っていたが突然、クリスマスパーテイでのライヴ演奏を依頼されて、まず歌詞を見なくてもギターを抱えて弾き語りできるレパートリー「思い出のグリーングラス」「マイウエイ」「プラウドメアリー」「ウーマンウーマン」などを演奏してからそれではとばかりに当時のヒットパレードの曲の演奏に移った。ウオリックスミュージックシテイ楽器店で店員の目を盗んで譜面から歌詞を書き写した
6位のスタンド・トール」を感極まって泣きそうになるのをこらえながら吼えるように歌ってそれから気分を落ち着けてしみじみと9位のSORRY SEEMS TO BE THE HARDEST WORDを心を込めて歌った。それですこし疲れたと感じて一息入れていると会場の若い女性教師たちが不満そうにしている。みんなが1位の曲を聴きたがっているのはわかっている。けれど大ヒット中のTONIGHT’S THE NIGHT はギター弾きが女性を誘惑しようとしている歌で教育上あまりよろしくないのでそんな歌をパーテイとはいえ学校という教育施設で歌っていいものかと危惧してすこしひるんだ。それでもみんなが望んでいることだからまあいいかと心を決めて「ステイ・アウエイ・フロム・マイ・ウインドウ」と歌いだすと会場が待っていましたとばかりにどっとどよめいた。だれもが知っているので一気に盛り上がる。大喜びで身体をゆすり手拍子が始まり、「トウナイツ・ザ・ナイト」とみんなでコーラスして大騒ぎになった。普段真面目そうに見えた女教師たちが日ごろの仮面を脱いで大はしゃぎしていた。歌を聴いていているばかりでは物足りず自分たちも弾けたかったのだろう。
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DECEMBER 18, 1976
1位TONIGHT’S THE NIGHT Rod Stewart
2位YOU MAKE ME FEEL LIKE DANCING  Leo Sayer
3位THE RUBBERBAND MAN Spinners
4位YOU DON’T HAVE TO BE A STAR Marilyn McCoo & Billy Davis, Jr.
5位LOVE SO RIGHT Bee Gees
6位STAND TALL Burton Cummings
7位MUSKRAT LOVE Captain & Tennille
8位AFTER THE LOVIN’ Engelbert Humperdinck
9位SORRY SEEMS TO BE THE HARDEST WORD Elton John
10位NIGHTS ARE FOREVER WITHOUT YOU England Dan & John Ford Coley
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fumio


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