津軽ぐだめ記

青森県の南津軽は「田んぼアートの里」、田舎館(いなかだて)村から冴えない”おっさん”の「ぐだめき」を。

2008年6月

2008年06月01日 | 日記
 1957 年のシドニー・ルメット監督のアメリカ映画「12 人の怒れる男」は、陪審員の姿を描いた名作であり、ヘンリー・フォンダ、マーティン・バルサム、リー・J・コッブ等、芸達者なスターが陪審員役を熱演した。
 少年の犯した殺人事件をめぐり、最初は全員有罪の票を入れて簡単に票決が出ると思われていたのだが、一人、ヘンりー・フォンダが無罪票を入れた事から騒然となり、12 人が侃々諤々とやり合うのだが、結局、全員が無罪票を入れるまでの展開は観る者を引きつけて見事であった。
 さて、我が国でも裁判員制度発足まで 1 年となった。テレビで全国の地検・高検が作った裁判員制度の広報キャラクターが紹介されていたが、正直「何だ、これは」と思った。キャラクターと言う性格から、お堅い物は避けようと考慮したのであろうが、企業の客寄せと間違うような軽い“ノリ”の作品が殆どではないか。以前「裁判員参上」のPR看板が不評であったが、それと同じ発想かと思いたくなる。大体“参上”などと、鞍馬天狗か桃太郎侍が現れる訳でもあるまいに。
 国民の大事は(私もそうだが)自分に自羽の矢が立たないようにと内心思っているであろう。裁判にはズブの素人が凶悪犯罪の容疑者を裁くのだから、その重圧たるや並みのものではない。裁判員の心境の重苦しさと比して当局の余りにも軽い広報の仕方に違和感を覚えたのは私一人であろうか。
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