不合理ゆえに我信ず

文(文学・芸術・宗教)と理(科学)の融合は成るか? 命と心、美と神、《私》とは何かを考える

憲法9条という欺瞞を続けるしかないが、もうこれ以上のふざけた憲法解釈はやめるべき

2014-03-08 14:20:20 | インポート

日本の憲法ができてから70年たった。これまで国会が憲法改正を発議したことは一度もないし、国民世論の憲法改正を望む声が多数派になったことも一度もない。だからもうこの憲法を押し付けられた憲法と言うことはできない。

私は10年以上前までは憲法9条改正派だった。日本の護憲派たちの「私たちは憲法を守って平和を維持してきた」という発言の欺瞞に、我慢がならなかった。

憲法は守られていない。自衛隊の存在も、在日米軍の存在も、日米安保条約も、湾岸戦争のときの戦費1兆2千億円の拠出も、すべて憲法違反であることは明白だ。違憲訴訟がいろいろと起こされ、地裁が違憲判決を下したこともあったが、最高裁は最終判断をせず、いつも逃げてきた。

最高裁といえども、政府が巻き込まれる国際政治の現実の前では、原理主義を貫くことはできないのだ。

護憲派は、本当に「憲法を守る」というのなら、自衛隊の廃止と日米安保条約の解消と在日米軍の撤退を、政府や国会に強く要求し続けるべきだ。

けれど日本がソ連にも中国にも侵略されず、彼らの国の衛星国家にされたりもせずに済んだのは、これらがあったからだ。日本が憲法9条を守ってきたからじゃない。守ってきたというのは大嘘だ。

平和憲法が、日本国民が自力で作ったものならば、自衛隊も日米安保条約も湾岸戦争戦費拠出も、日本国民が許すはずがなかった。作ってもらった憲法で、しかも守れていないのに、日本の平和憲法を誇り、それを守ってきたという護憲派たちに、私は心底腹がたち、軽蔑したものだ。

守れていない嘘の憲法をいつまでも飾っておくのは、もうやめるべきだ。実態にそう憲法にしないと、この「ふざけた状態」がいつまでも続いてしまう。これが10年以上前までの、私の意見だった。

しかし中国の軍事的脅威が膨らむにつれて、中国との戦争だけは、絶対に起こしてはならないという気持ちが、非常に強くなった。

憲法9条を改正して自衛隊を正規の軍隊にし、日本を戦争のできる「普通の国」なんかにしたら、中国との戦争が起こるリスクが飛躍的に高まるし、実際に起きてしまうだろう。

だから、いまの守れていない憲法を、守っているということにして、自衛隊も安保条約も在日米軍も、すべて合憲という欺瞞を容認し続けるしかないだろう。

ただし集団自衛行動は違憲という認識だけは、政府も国会も、壊さずにいてほしい。国会は政権にブレーキをかけ続けてほしい。もうこれ以上のふざけた憲法解釈はやめるべきだ。

あれだけの戦争災禍を引き起こした過去を持つ日本が、戦闘の場に自衛隊を出すべきでない。戦闘をやめさせる努力に専念すべきだ。

国連といえども大国がエゴをむきだしにする私闘の場であり、国連軍が本当の「世界警察軍」になるのは、まだまだ遠い未来の話だから。