不合理ゆえに我信ず

文(文学・芸術・宗教)と理(科学)の融合は成るか? 命と心、美と神、《私》とは何かを考える

答えのない超難問・憲法9条問題

2012-02-25 20:42:17 | インポート

■橋下徹市長は、憲法9条をどうするか、2年後に国民投票を行うという。それは無茶だ。この問題は答えのない超難問なのだ。たった2年で白黒つけてはいけない。

■たしかに日本の実情と憲法が大きく矛盾しているのは周知の事実だ。

■「戦力は保持しない」はずなのに、自衛隊は誰がどう見たって軍隊だし、「国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄」しているはずなのに、湾岸戦争のときには、135億ドル(1兆5千億円)も戦費を拠出した。

■けれどこの矛盾をなくすために、憲法を改めるとしたら、実際にどうなるか。

■すぐに思いつくのは、「自衛隊を軍隊として正式に認め、他国に侵略はしないが、他国から侵略されたら武力で反撃する」ことができるように9条を変えるというものだろう。

■そうすると北方領土や尖閣諸島や竹島の問題をめぐって、ロシアや中国や韓国と戦争が起こるリスクが格段に高まる。これらの領土は、日本にしてみれば「侵略されている」ことになるからだ。

■戦争リスクを回避するなら、上記3領土はあきらめて、相手にやってしまうことだ。

■今度は9条護持派の意見に従ってみよう。9条を変えないなら、自衛隊を廃止し、日米安保条約を解消し、米軍には全部出ていってもらって、国内の基地はすべてなくし、当然ながら外国への派兵は一切しないことになる。

■それで果たしてやっていけるか? 中国がじわじわ国境を広げてきて、尖閣諸島はおろか沖縄までも中国にとられてしまうかもしれない。実際、沖縄は昔は中国の領土だったという中国の学者がいる。

■意見はどうであれ、戦争、とくに中国との戦争だけは、絶対に避けなくてはならない。もし戦争になったら、永年のうらみから、中国は日本本土に核兵器を落とすことも容赦なくやるだろう。

■核戦争にはならないとしても、双方において非軍人の大量虐殺は必ず起こる。

■他国との係争は、外交力で解決しなければならない。そのために日本の政治家や外交関係者は、全知全能を傾注しなければならない。とにかく戦争はダメだ。

■かと言って9条護持が国民投票で決まってしまうと、現実問題として、国を守れなくなってしまう。

■憲法9条問題をうやむやにして、正面から向き合おうとしないから、日本という国が芯のないヘタレ国家のままだという意見には、ある程度私も同感だ。

■しかしいまは各国が核や大量殺戮兵器を持つ時代なのだ。この時代になったいま、武者の勇気を平家物語の時代の感覚で称賛してはならないのだ。

■日本の憲法9条問題は、本当に、超難問なのだ。


橋下徹の「参院廃止」に賛成!

2012-02-18 11:45:33 | インポート

■参院に求められる役割は、日本全体のことを長期的な視野で考えて、冷静に公平に政策審議するという事であったはずだ。

■なのに今の参院は、衆院と同様、党人政治家がのし歩いていて、そこから大臣や与党幹部が多数登用されている。参院が衆院と同じになっている。

■衆院と参院の実質的な違いは、解散があるかないかだけだ。同じような選挙システムで、同じような、地元や業界や組合の「利益代理人」が選ばれているだけだ。

■いまのままでは衆院が二つあるのと一緒。まったく時間と税金の無駄だ。多くの人がこの事に気づいてほしい。

■一院制だと与党が暴走したときに止められないという意見があるが、橋下公約では、参院に代わる会議体が提案されている。政党の綱領や政治主張に拘束されない有識者の会議をもうけて、衆院の決定に対する制止権を持たせればよい。政策審議は衆院だけでよい。

■その有識者の会議は、全国知事会でもよいが、「地方交付税の削減」みたいな法案だとほぼ全員反対すると思われるのが難点。

■参院候補者が「参院廃止」を訴えたら、必ず当選する。あと2回参院選挙をやれば、参議員のほとんどが維新の会になる。衆院でも2/3を獲得すれば、憲法改正もできる。

■維新の会の政治塾のいちばんよいところは、塾生募集に際して「議員を何回もやろうと思うな。そういう人は来るな」と言っている点だ。

■参院廃止は決して愚かな戯言ではない。「いつまでたっても動かない日本の政治」の最大の原因は、参院が衆院と同様、政権奪取のための政党同士の戦争の場になっていて、参院が衆院の決定を否決するからだ。

■私の寿命は、あと約25年。死ぬ前に日本の憲法が変わるところをみてから、死にたい。