不合理ゆえに我信ず

文(文学・芸術・宗教)と理(科学)の融合は成るか? 命と心、美と神、《私》とは何かを考える

日本の財政危機/兄弟の会話

2011-05-22 13:17:37 | 哲学

弟:「兄ちゃん大変だ! 父ちゃんが1億の借金を抱えているらしい。年収は400万しかないのに。」

兄:「知ってるよ。でも大丈夫だ。母ちゃんが1億以上貯金してるから。」

弟:「だけど父ちゃん、年とってもうすぐ働けなくなるのに、いまだに毎年400万くらいの新しい借金を作ってるみたいだよ。いまにウチは破産するよ。」

兄:「母ちゃんの貯金があるって言ってるじゃないか。俺たちだってもうすぐ学校を出るし。」

弟:「母ちゃんは、貯金を父ちゃんの借金の返済に使うなんて、絶対イヤだって言ってるよ。」

兄:「心配するな。母ちゃんだって借金取りが押しかけてきたら観念するさ。」

弟:「母ちゃんはイザとなったら貯金を全部おろしてドルに変えて外国に逃げるって。」

兄:「そうか…… お前はどうする?」

弟:「僕は母ちゃんと一緒に行く。就職先もないし。兄ちゃんは?」

兄:「俺は残る。実はな、父ちゃんから毎年100万円もらってて、いま新しいビジネスの準備をしてるんだ。学校を出たらすぐ社長になる。ビジネスが当たって大儲けしたら、父ちゃんの借金なんてすぐ返せる。」

弟:「馬っ鹿じゃないの。なんでそう安直なんだ。父ちゃんと一緒だ。」

兄:「やってみなきゃわからんじゃないか。それに人生なんて、どうにでもなるもんだ。」

弟:「けど父ちゃん、何でそんなに借金したんだろ。」

兄:「不景気で給料が下がったのに、家に入れるカネは減らさなかったからな。父ちゃんは母ちゃんが怖くて言いだせなかったんだ。爺ちゃん婆ちゃんの医者代がたくさんかかるし、田舎にいる父ちゃんの兄弟夫婦たちにも随分送金してやってたようだし。」

弟:「どこからそんなに借りたのかな。」

兄:「モロトモ銀行だ。」

弟:「え? それ母ちゃんが貯金してる銀行だよ。」

兄:「そうだ。母ちゃんが貯金したカネは、もうモロトモ銀行にはないのだ。」

弟:「父ちゃんが借金を返せなくなったらどうなるの?」

兄:「母ちゃんも貯金を下ろせなくなる。モロトモ銀行はカネがなくて困ったことになるから、父ちゃんが書いた借金の証文(国債)を外国のハゲタカファンドに格安で売り飛ばすかもしれないな。」

弟:「そしたらどうなるの。ウチはハゲタカに食われて潰れるの?」

兄:「まてまて、モロトモ銀行も同じ日本人だから証文を外国に売ったりしない。父ちゃんのことだから最後の手段で、カネを印刷して返済するかもしれない。」

弟:「そんなことできるの?」

兄:「やろうと思えばな。爺ちゃん婆ちゃんたちの長老会議でOKをもらえばいいんだ。」

弟:「なんだ。何も心配することないのか。」

兄:「アホ! そんなことしたらカネの信用は地に落ちて、そのカネでは外国から何も買えなくなる。石油も食料もな。だから兄ちゃんが頑張ってこのウチを建て直すんだ。お前も残って手伝え。」

弟:「………(はやく母ちゃんと逃げよう)」

つづく

■配役■

ウチ: 国民全体(広義の国)
父ちゃん: 政府(狭義の国)
母ちゃん: 一般国民(有権者)
兄弟: 学生、未成年者
長老会議: 国会
父ちゃんの給料: 税金収入
1億の借金: 1,000兆円の国債発行残高
母ちゃんの貯金: 国民の銀行預金
新しいビジネスの準備: 公的機関による成長産業への投資
カネを印刷して返済: 新規発行国債の日銀直接引受


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白い! (hijk)
2011-06-16 07:20:24
面白い!
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お見事!…そして拍手♪ (ニコニコ)
2012-02-09 16:15:47
お見事!…そして拍手♪
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