不合理ゆえに我信ず

文(文学・芸術・宗教)と理(科学)の融合は成るか? 命と心、美と神、《私》とは何かを考える

私たちの「大和」(男子皇族誕生に思う)

2006-09-08 13:36:51 | 哲学

(賛同はあまり得られないかもしれませんが、書きます)

日本国の有史以来、皇室や皇統は、断絶することなく125代も続いています。これは何を意味するか。

日本列島に住む人々の集団に、組織的秩序が生まれて、ひとつの国として連綿と続いてきた。一度も異民族に滅ぼされたことがなく、一度も国家転覆が起こっていない。これを意味します。(マッカーサー・GHQだって天皇制を廃止しなかった。)

アイヌ民族とか琉球民族とか、古くは坂上田村麻呂に征伐されてしまった蝦夷とか、朝廷の「和人」の側に吸収されてしまった人々の悲哀はあるでしょう。

しかし「大和」は、征服した部族や民族を奴隷化しなかった。階級を作って、彼らの身分を低く固定したりしなかった。いまでは、いろいろな部族の血が、ゴチャゴチャに混じり合って、日本人全体(最近帰化した人は別として)で、1000年前、2000年前に日本列島に住んでいた人々の血を共有していると言っても、過言ではないでしょう。(日本人一人ひとりの先祖の数の膨大さを思えば)

例えば現代中国社会の本を読んでいて、いつも思うのは、社会道徳の驚くほどの欠如です。上から下までの、詐欺、横領、窃盗、暴力といった例の数々は、日本社会では信じられないほどの多さです。なぜなのか?

これは私見ですが、中国では王朝が過去に何度も変わっているからではないでしょうか。(いまの中国共産党だって、王朝のようなものです。)王朝が変わるとは、国家転覆が起こるか、異民族に滅ぼされることを意味します。それまでの秩序や価値観はガラっと変わって、新しい体制の側に入れなかった者たちは、非常に悲惨な運命を余儀なくされる。人々の心は荒む。自分と自分の一族以外は信じなくなる。

例えばですが、もし徳川家康が、天皇や皇室を皆殺しにして、自分が皇帝(最高権威者)になっていたらどうでしょう。あとに続いて天下をとった者は、家康のやったことを全否定して、新しい秩序を作ろうとするに決まっている。

韓国では、新しい大統領が就任するたびに、過去の大統領のやったことの「罪」を暴いて牢屋に入れ、復讐します。これは国家の精神的な「魂」・「ご本尊」と言えるものが無いための悲劇のような気がします。

総理大臣よりも立場上偉い人がいて、その人は、政治的実権を何も持っていないが、すべての国民の幸福を願っている。その人は、競争や選挙(闘争)で選ばれるのではなく、血族・血統によって、自動的に決まる。その血統は、日本国の断絶のない正統性そのものである。これは、とても好ましいことではないでしょうか。

諸外国の各マスコミは、「紀子さまご出産」をトップニュース級で伝えました。これは彼らの、日本に対する羨望であるような気がしてなりません。


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