クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その121 プッチーニ 歌劇「トスカ」

2008年04月04日 | とっておきの名盤「オペラ」
この盤は、昔からこの曲の極め付きの名盤とされているもの。
その素晴らしさの第一に挙げたいのは、「トスカ」の演奏に要求される劇的緊張と透明な流暢さを併せ持ったサバータの指揮ぶり。
アメリカに去ったトスカニーニの後をついでスカラ座の指揮台に立ち、その栄光の時代をもたらした力量は大指揮者の名に恥じない。
病魔に襲われて倒れた為、残した録音の数が少ないのが惜しまれる。
第二はスカルピア役を歌うゴッピの卓越した歌いぶり、その破滅的なドラマの進行に沿って千変万化する悪魔的なまでの表現を何といって評したら良いのか。
そして、トスカの心理的描写を歌い上げるカラスの役柄に対する完璧なまでの自己投入ぶりもゴッピに引けをとらないものがある。
私自身、カラスは余り好きな歌い手ではないのだが、この盤の彼女だけは素晴らしいと言うしかない。
ディ・ステファノのカヴァラドッシ役、彼の持ち味の甘い声が災いして少々物足りないのが残念。
この歴史的名盤、前にこのブログでも取り上げた「ボエーム」、「トウ-ランドット」と並んで、私のとっておきの名盤の棚にしっかりと置かれている。
あえて、この曲のベスト・スリーの盤をあげると、
・ヴィクトル・デ・サバタ指揮、ミラノ・スカラ座管弦楽団、マリア・カラス<S>、ジュゼッペ・ディ・ステファノ<T>、ティト・ゴッピ<Br> <EMI>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーマニ管弦楽団、カーティア・リッチャレッリ<S>、ホセ・カレーラス<T>、ルッジェロ・ライモンディ<Bs> <Grammophon>
・ジェームス・レヴァイン指揮、フィルハーモニア管弦楽団、レナータ・スコット<S>、プラシード・ドミンゴ<T>、レナード・ブルゾン<Br> <EMI>

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