クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その151 R.シュトラウス 楽劇「バラの騎士」

2010年07月07日 | とっておきの名盤「オペラ」
  

私が「とっておきの名盤」として特別な棚に置いているアルバムは、何度聴いても飽きの来ない演奏の素晴らしさがまず第一であり、録音の優秀さや曲の組み合わせが良ければ尚更素晴らしいというもの。
最近そのお眼鏡にかなう一枚を手にしたのだが、それがこのバーンスタインとウィーンフィルによるR.シュトラウス:楽劇「バラの騎士」のアルバム。
バーンスタインはR・シュトラウスの曲をほとんどと言ってよいほど録音しておらず、唯一この演奏ぐらいしか私には思い出せない。
相性が良くなかったとは思えないし、ユダヤ系の生まれである彼にとっては、思想的な問題があって(シュトラウスは第二次世界大戦後、ナチスに協力した疑いで連合国の裁判にかけられたが、最終的に無罪)、シュトラウスの曲の演奏に消極的だったのか、本当のところはその理由がよく分からない。
賞賛の仕方がありきたりのものになってしまうが、とにかくこの演奏は素晴らしいの一言に尽きる。
音の響きそのものが19世紀末の退廃したと言うより、むしろ良い意味での爛熟した雰囲気をこれほど聴く者に直接感じさせる演奏も珍しい。
歌手陣にかつてのルートヴィヒとベリー夫妻、それにギネス・ジョーンズ、ルチアポップと好きな歌手が並んでいる上、ドミンゴが一幕で甘い歌を聴かせる歌手の役をやっているのも嬉しい。
作曲者というか曲、指揮者、オーケストラ、そして歌手陣、おまけに録音の五拍子が見事に調和して聴く者に楽しいひと時を与えてくれる盤はそうあるものではない。
お勧めの一枚と言ってよい。
・カール・ベーム指揮、ドレスデン国立管弦楽団、ドレスデン国立歌劇場合唱団、マリアンネ・シェヒ<S>、クルト・ベーメ<B>、イルムガルト・ゼーフリート<S>、リタ・シュトライヒ<S>他 <Grammophon>
・レナード・バーンスタイン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、クリスタ・ルートヴィヒ<Ms>、ギネス・ジョーンズ<S>、ルチア・ポップ<S>、ワルター・ベリー<Br>他 <CBS>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、リーザ・デラ・カーザ<S>、オットー・エーデルマン<B>、セーナ・ユリナッチ<S>、ヒルデ・ギュ-デン<S>他 <Grammophon>
・カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、クリスタ・ルートヴィヒ<Ms>、テオ・アダム<B>、タチァナ・トロヤノス<S>、エディット・マチス<S>他 <Grammophon>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、アンナ・トモワ=シントウ<S>、クルト・モル<B>、アグネス・バルツァ<Ms>、ジャネット・ベリー<S>他 <Grammophon>
この曲この一枚 その5 R.Strauss:「オペラ名場面集」

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