クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その148 プッチーニ 歌劇「ボエーム」

2009年05月02日 | とっておきの名盤「オペラ」
  
私の最も好きなオペラの一つである「ボエーム」、その魅力をどこから書こうかなと先程からしきりと考えている。
まずはこの曲の構成だが、交響曲の四楽章の配置をそのままオペラに適用して、絶妙な音楽効果を引き出しているのが見事。
第一幕は屋根裏部屋(アレグロ)、第ニ幕はクリスマス・イヴの喧騒としたパリの街(スケルツォ)、第三幕は物静かな冬景色(アダージョ)、そして第四幕は再び屋根裏部屋(アレグロ)となっている。
これら四つの楽章というかそれぞれの幕が、プッチーニ特有のとびきり美しいメロディーに彩られると共に、音楽と一体になったドラマの自然な流れが素晴らしい。
特に好きなのが第三幕、ミミが涙ながらにロドルフォの友人マルチェルロに別れをもらすところの切ないほどの哀しい音楽、ミミとロドルフォの別れの二重唱の合間に友人マルチェロと恋人ムゼッタがはげしく言い合う四重唱の素晴らしさ、何時何度聴いてもその音楽の見事さに唖然としてしまうほど。
この場面を聴く為に、理想の演奏を求めてどれだけCDを購入したことか、我ながらあきれてしまう。
セラフィン指揮のこの盤、1959年の録音だが音も今もって新鮮だし、もちろん演奏も当然素晴らしく文句のつけようがない。
お針子ミミを歌うテバルディの情感に満ちた歌、詩人ロドルフォを歌うベルゴンツィのリリカルな美声、そして友人マルチェロ演ずるバスティアニーニの奥行きの深い歌声とどれをとっても魅力に満ちている。
「ボエーム」を聴くならまず第一に聴いて欲しいとっておきの名盤で、とにかく手にとって欲しい一枚。
この曲のベスト・ファイヴを挙げておくと、
・セラフイン指揮、ローマ聖チェチーリア管弦楽団、テバルデイ<S>、ベルゴンツイ<T>、バスティアニーニ<Br> <DECCA>
・レヴァイン指揮、ナショナルフィルハーモニー管弦楽団、スコット<S>、クラウス<T>、ミルンズ<Br> <EMI>
・ケントナガノ指揮、ロンドン交響楽団、キリテカナワ<S>、リーチ<T>、ティツス<Br> <ERART>
・ペレットーニ指揮、ミラノスカラ座管弦楽団、アルバネーゼ<S>、ジーリ<T>、ポリ<Br> <EMI>
・サンティーニ指揮、トリノイタリア放送管弦楽団、カルテリ<S>、タリアヴィーニ<T>、タッデイ<Br> <CETRA>
初演を指揮したトスカニーニのCDは別格で、この作品が好きな人のバイブル的存在。
そして、私だけのとっておきの銘盤が、
スタインコプフ指揮、アイッペルレ<S>、アンダース<T>、ファッスベンダー<Br> <ANDROMEDA>

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