映画「ブリキの太鼓」は、何度も観た。
生きることの悲しさ、せつなさ、グロテスクさ。
そして、嬉しさ、いとおしさ、美しさ。
ギュンター・グラス氏。
ナチスを批判し、反原発運動などを通して戦後左派言論人の代表と称されるも、
後にかつてヒトラー親衛隊の組織の一員だったことを告白。
さらに、ドイツにとって「タブー」と思われる、ユダヤ人の国イスラエル批判を行い、反発を受ける。
自分の中の、相反する要素のせめぎあいに苦しんでいたのかどうかは、分からない。
氏の人生そのものが、「ブリキの太鼓」だったように思われてならない。
