レッツノートに至る経緯

ノートパソコンを買う気になっている経緯を記しておく。図も表も写真もなくてこんだけ長いと誰も読めないだろ。参ったか。

購入確率1%未満
現在は昨年の3月に購入したHP compaq nx9010/CTを使っている。3スピンドルA4ファイルサイズ、質量3.4kgのいわゆるデスクトップ代替ノート。ひたすら安さだけを追求して光学ドライブはCD-ROM、セレロン2.8GHz、メモリー256MB、HDD20GBで79800円というシロモノ。オプションのフロッピーディスクを2000円で装着。同僚には「この時代FDD付けるとは時代遅れ」とからかわれながらもマザーボードのBIOS書き換えるときにドースンダみないな言い訳の気持ちがあった。HDDは80GBに換装、メモリーは512MBを追加して使っている。

現在、週に1~2回は持ち出してモバイルノートとして使っている。当初はモバイルというよりは出先で相手先の人とパソコン真ん中にはさんで打ち合わせしたり、プレゼンテーションをするのが目的だった。極端な話、車で行くのならデスクトップ機を持ち運んでもいいぐらいの用途。

A4ファイルサイズノートのバッテリー駆動時間が短いことは承知していた。メーカーのカタログ表示は2時間ぐらいだが、どうせ実体とは乖離していると思っていた。しかし持ち運んで使うことは考慮していなかったので何の問題もない。

モバイルユース事始め
使い始めて間もないころ、突然何かアラートメッセージを表示して電源が切れてしまった。電源スイッチを押すと、一瞬は動き出すかに見えてすぐ切れてしまう。はやくも故障かと落胆した。ところがACアダプターを刺したコンセントに電気が来ていないという凡ミス。恥ずかしながら電源状態の表示を理解していなかった。それまでの作業は全部バッテリー駆動だったわけだ。正直驚いた。USBマウスをつないでいるし、CD-ROMドライブも使っていた。時計を見るとおそらく2時間近く作業していたことになる。「バッテリーが2時間持つのならモバイル用途も可能だな」という感触を得た事件だった。

そのころからノートパソコンを持ち運んでいる往復の電車の中などで作業をするようになった。出張先でもメールのやりとりをするとか、徐々にモバイル的な使い方が増えてきた。そうなるとさすがに重量級ノートは厳しい。持ち運ぶのはいいのだが鞄からささっと出してささっとしまう、それができない。漠然と小型軽量のノートが欲しいと思ってた。

小型ノートが欲しいと思い始めた理由はもう一つある。HP compaq nx9010/CTを買ってすぐ子供に見せたら「ずいぶん大きいんだね」と言われたこと。子供の感覚として大きすぎるらしい。冷静に考えたら仕事の道具なんだから子供がどう思っても関係ない。しかし、心情的に小型機にしておけば良かったかという後悔に似た気持ちができた。

何か軽量ノートの購入確率10%
こうした中、今年1月末の出張の折、相手先の人と雑談でモバイルパソコン談義。その人は海外出張の機会もあって、機内で長く使えるパソコンが欲しい、などと発言していた。私も何か小型軽量機を買いたいとは思ったが、レッツノートを買おうとは思っていなかった。自宅のメインに使っているデスクトップパソコンの調子があまりよくないのでその買い換えを優先した。

デスクトップパソコンを買いながらもモバイルノートへの思い絶ちがたく、真剣に検討を続ける。まずエプソンダイレクトのEndeavor NT340を検討。CPUをセレロンにしておけば14万5000円と安い。HPの機種も検討したが私のニーズには適合しないと感じた。

レッツノートもちらりと頭をよぎったが高価だ。デスクトップパソコンを買ったばかりなので安いのでいいなとか、1年後ぐらいに買うんだなどとと自分に言い聞かせている。

銀座で目覚めるレッツノート
友達と銀座で飲んでいるときまでノートパソコンどうしようか、などと考えていた。その後はっきりとレッツノートを候補に考えるようになった。実はクラブでのエピソードがある。パソコンとかインターネットの話題になって、じゃちょっと見せましょかと無粋ながらパソコンを取り出してWebページをホステスに見せていた。HPの重量級ノートにUSB接続のAirエッジフォンだ。すると酔っぱらった別の客がやってきて「おい日本人なら国産を使え」と笑いながらレッツノートを見せびらかす。

その客のレッツノートにFOMAの通信カードが刺さっているのを見逃さなかった。格の違いを見せつけられたわけだ。「恐れ入りました」って感じ。社内価格で○万円で売ってやるぞ、みたいなことを酔っぱらって言っていた。こっちも酔っぱらっていたからいくらだと言っていたのか忘れた。松下系の社員かと思って名刺交換したらNTT系企業の社長だった。そりゃFOMAカードだって使うわな。NTT系企業となればそれこそ何百何千とあるだろうから、社長、と言ってもだれかわからんから書いても良いよな。問題があったら言ってください>その社長(笑)

もうひとつ理由がある。そのころ友人から「R3買おうと思うけどどうだろう」というメールが届いたからだ。そのときの私は10.4インチ液晶機は眼中になかった。しかしWebサイトで仕様を調べてみると、電池駆動9時間というのが魅力的だった。これなら日帰りの出張程度ならACアダプターは不要だ。1kgを下回る質量と考え合わせても、本や書類と同じ感覚で鞄に入れて持ち歩ける。キーボードが小さいのだけ辛抱したらいい。値段もそこそこ安いので私はかなりR3に傾いた。

デスクトップパソコンが届いた後もさらに真剣にレッツノートを買う気になっている。このときは2月中に買おうかとまで思った。ところがこんなことしていたので2月後半はクレジットカードのショッピング枠いっぱいで使えない。「ちょうど買えなくていいや」などと思ったが、普段メインに使っているカードはこのとき全く使っていなかったので買おうと決断すれば買える。いざとなれば現金でもいいんだし。

R3→T2→W2階段を駆け上がる
レッツノートに気持ちが傾いたのだが、どうせならR3じゃなくて12.1インチ液晶のT2の方がいいなじゃないかと思い始めた。R3とT2とは価格差が1万円ぐらいだし、私の使い方を考えるとそんなに軽くて小さい必要性はない。これはT2で決まりだな、と思った。懸念があるとしたらT2はレッツノートの中で電池駆動時間が一番短いことぐらい。光学ドライブの必要性は感じていない。

T2にしようと思う、ということをパソコンに一番詳しい会社の後輩に話した。彼は普段10.4インチ液晶のモバイル機をいつも持ち歩いている。「Excel2000さんの用途ならW2ぐらい買っといたほうがいいんじゃないですか。光学ドライブが必要なこともありますよ」。W2はかなり高いので無意識のうちに買う候補から外していたことに気づいた。他人に言われて思った。よく考えてみるとT2とW2の質量の差は気にならない。電池駆動時間が長いのでW2のほうがいいじゃないかと思った。

バイオの安さによろめく
インターネットの情報ばかりでなく、リアル店舗でも情報を仕入れておこうと電器店を覗いてみた。レッツノートは発売前で店頭にはない。ほかの機種を物色しているとソニーのバイオTypeY、VGN-Y70Pに気づいた。12.1インチ液晶、1スピンドル、HDD60GB、Windows XP Professional、標準電池で5時間駆動、それで価格は実質13万円ほどと安い。レッツノートでいえば1070gのT2に近い仕様なのに質量が1.7kgもある。とはいえいま使っているA4ファイルノートに比べたら軽いものだ。値段を考えると非常に魅力的だと思った。改めて雑誌記事などを当たってみたらビジネス用途には十分のようだ。ただ、店頭モデルでビデオ編集ソフトなどが入っているのが気になった。私としてはパソコンは素のOSだけが望ましい。

その後松下のメーカー直販で買おうか、それとも安いソニーのバイオを買おうかと心は揺れている。またbluegene氏のブログを発見して的確な視点に感動する。自分でちゃんとモバイルパソコンの比較表を作って検討しようと思っているうちにblue gene氏が作成してくれたりしている。

蟻地獄の八重洲展示会
レッツノートのプレビュー展示会があるというので東京・八重洲口に行ってきた。レッツノート自体は過去にも何度もさわったことはあるのだが「買うかも」という気持ちで見たのは初めて。R3は小さい。T2は軽い、W2も軽い…そして運命の出会いと言うべきがY2は使いやすいということ。ほかのモデルと比較するとキーボードは大きいしディスプレイの解像度は高い。ソフトを操作するのに画面を広く使えるのが魅力的。しかも現在使っているA4ファイルサイズノートより本体サイズは小さくて軽いのにだ。出先でオフィスソフトを使う機会の多い私にとって好都合だ。展示会の説明員が「私も個人的にはY2使っているんですよ」というひとがいた。「はいはい、社員なら使えるでしょうね」という気持ちと「やっぱりY2かな」という気持ちが半々だった。

後付の言い訳のような気もするのだが、一番気に入ったのが「全角/半角」キーの位置。Y2はデスクトップ機などと同じで「Esc」キーの下にある。現在使っているA4ファイルサイズも「Esc」キーの下だ。ところがR3、T2、W2では「Esc」キーの右にある。でも高い。値段が高い。それが引っかかっている。

最後のアガキ
会社の帰りの駅でかつて同じ部署にいた友人と会う。話題がモバイルパソコンに移ると、彼が見せてくれたのは12.1インチ液晶のG4マックだった。肩掛け鞄からするっと出した。電池駆動は2時間ぐらいだけど質量2kgで普段から持ち運んでいるという。電源アダプターも小さい。2kgでも十分に持ち運べる。それじゃソニーでもエプソンダイレクトでもNECでもいいじゃないか。何も高価なレッツノートを買う必要はない。安くてすむと思うとなんだか元気になる。

でもカタログを眺めたのだが、一度レッツノートを買おうかと思った後ではパンチに欠ける。値段だけの問題なら、金を出せばすむ問題なのだ。出せないわけじゃない。それに高いといっても10万円ぐらいだろうか。その10万円をケチって後に悔いを残さないか。それが心配。しかも帰りに一緒になった友人はレッツノートのこともよく知っていて、「Y2良いよ。ヨドバシ.comでプチッとボタン押せば幸せになるよ」と焚きつけられていた。

ヨドバシに背中を押され
翌日はもう一度現物を見てみようとヨドバシに行った。気づいたのはヨドバシ店頭でのセール。1日に買った総額によってポイントが割り増しになる。3月27日までやっている。通常の10%に加えて、10万円以上買ったら5%UP、20万円以上買ったら7%UPになる。50万円以上買ったら10%UPだが、大型液晶テレビでも買わないとそんな値段にはならない。つまりレッツノートを買った場合ポイント還元率17%。

これはやられたと思った。ヨドバシ.comでは3%UPセールをやっているくせにレッツノートは対象外で気分がそがれていたからだ。店頭で買う場合はクレジットカードで買うとポイントは2%減らされ15%になる。でもヨドバシ.comで買うよりは還元率がいいよ。

もう一度値段のことを考えた。R3が20万円。安くて駆動時間も長いのだが液晶が10.4インチだ。それなら12.1インチのT2にすればいい。価格差はわずが1万円の21万だ。しかしT2はレッツノートシリーズの中で駆動時間が短い。それなら少し重くなるがW2にしておけばどうか。光学ドライブも付いている。でも3.5万円も高くなるぞ。24.5万円だ。これは痛いな。あれ、Y2はW2との価格差が2万円しかない。Y2が一番使いやすいと思っていたんじゃないのか。それならY2にしておけ…。そんな感じ。これってR3が安いと思って近づいたらずるずるとY2に引き込まれる恐怖の蟻地獄なんじゃないか。いまさら気づいても遅いか。

ヨドバシのポイント還元を考慮したらY2の値段26.5万円とはいえ、実質22.5万円じゃないか。一番安かったソニーと比べても10万円の差はない。光学ドライブ付いて電池が長持ちして、軽くて、解像度が高くて質量も1.5kgか。え、これってバイオのVGN-Y70Pよりも軽いじゃないか。そろそろ買わないとレッツノート売り切れるかな。売り切れてくれたらむしろ楽かな…などと思う今日この頃。<了>

追記 2006-4-27:この記事は2005年3月9日に書いたものですが、アクセスログを見ていると、その後もレッツノートの新機種が発売されるたびに読みにいらっしゃる方が多いので文章を追加しておきます。その後、2005年3月18日にレッツノートの「CF-Y2FW7AXR」というモデルを買いました。3月31日に書いた買ってよかったという気持ちは今でも変わりません。値段が高いと思ったけど、それ以上のメリットを私にもたらしてくれています。普段の仕事や出張の折に大活躍しています。

その後、レッツノートはY4になってしまい、Y2はなんだか2回りも旧機種の印象になってしまい、悔しかったのでY4に(勝手に)バーションアップして使っています。そのうちY5にするかも(笑)。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
« もっと大人げ... 電子辞書入手 »
 
コメント
 
 
 
読んだぞ (Unknown)
2005-03-09 17:48:05
参ったか
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。