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夢の羅列<白バイp-2・迷路おじいさん>20170504

2017-05-13 21:15:44 | Dreams
夢の羅列<白バイp-2・迷路おじいさん>20170504


つづき。

なんだここは。首都高の路側帯に出ると思っていたのだが、これはどこかの家の中ではないか。それならオレの車はどこへいったのか。そうか開けたドアを間違ったのか。私はすぐに入ったドアから元に戻ろうと振り返りドアを開けた。

あ、また部屋だ。おかしいぞ。私は少し焦った。奥のドアを開けた。また部屋だ。そして次は廊下だ。今度はドアや戸がいくつもある。どうする。どうする。早く車に戻らないと、あの白衣の男に輪留めでもされたら逃げられなくなる。私はイラつくのと焦るのとで、もう手当たり次第にドアを開け進んだ。もう元には戻れない確信があった。迷路かよ。どうなってんだ。おっと木造の階段が見えた。よしこれを上がろう。

階段を上がると短い廊下があり、先の方が明るく見え、そこはおそらく玄関であると思われた。私はとにかく外に出ようと進んだ。よしよし玄関だ。そうか、靴を履いたままだったな。あと3歩か。まあ仕方がないか今さら。私は靴のまま三和土に降りようとした。その瞬間、右側の戸を開け放したままの台所?に人の気配を感じた。

右を見るとダイニングキッチンのテーブルに浴衣姿のおじいさんが座っていて私を灰色の目で見ていた。うっ。私は飛び降りようとしていた脚を停めた。

「シシャノゴトク……モグモグ……。」

???……、ああ、死者のごとくか。履物を履いたまま家から外に出るのは死人と担ぎ手だけだというアレか。私は素直に申し訳なかったと思い、老人に頭を下げた。下げつつもついついその乱雑な部屋の中をさっと見渡した。私から見ればゴミばかりに見えたが、爺さんは食事中で、箸を宙にに停めたまま私を見て、いや私を見つつもその背後の何かを見ているような目で、しかも口にまだ飲み込んでいない飯が入ったままで言った。

「つまり、じゃ。クドいんじゃよ。今時の魚は。……、リズムというものがない。昨日の夜の波の繰り返しをリズムとして記憶しておかにゃならんのに……、ワシャまだ死んどらんしの。ブツブツ」

もう私に話かけてはいない。以前、横浜の台湾料理屋で店の隠居した老婆が、私が食事中にずっと独り言をまるで歌うように端の席で口にしていたが、この老人もそんな感じがした。まあ年寄りなんて皆そんな風だろう。先を急ごう。しかし年寄りからリズムという言葉が出ると何か新鮮に聞こえるな。

目の前の玄関は開いたままだった。私はいったん靴を脱ぎ三和土に降り、あらためて靴を履き、外に出た。路地だった。普通の、どこか、雑司ヶ谷の住宅街かなといった少し昔風の下町感のある風通しのよい路地であった。玄関を振り返った。左横に大きく白い暖簾が張ってあり、朝顔の意匠が見事だった。そこに「染め物○○」と一緒に染めてあり、ああここは染物屋だったのか。じゃああの爺さんは職人か。でもあの齢で。ご隠居かな。いやいや、車だクルマ。急がなくては。

つづく。
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