「白秋」に想ふ―辞世へ向けて

人生の第三ステージ「白秋」のなかで、最終ステージ「玄冬」へ向けての想いを、本やメディアに託して綴る。人生、これ逍遥なり。

松本侑子訳「赤毛のアン」新シリーズ―『赤毛のアン』~~~

2020年01月01日 | Yuko Matsumoto, Ms.
☆『赤毛のアン』(L・M・モンゴメリ・著、松本侑子・訳、集英社)~~~☆

  いつのまにか長い付き合いになってしまった。たしか以前にも書いたことだが、松本侑子さんのデビュー作『巨食症の明けない夜明け』以来のファンとしては、初めて『赤毛のアン』の翻訳本の出版を知ったとき、正直なぜ『赤毛のアン』なのかと思ったものだった。しかし実際に松本侑子訳の『赤毛のアン』(集英社版の単行本)を読み(「赤毛のアン」の名前は知っていても読んだのはその時が初めてだった)、その詳細な訳注や「訳者あとがき」を読み、松本侑子さんの手によるオリジナルな『赤毛のアン』の解説本も読んで、その疑問が氷解するのに時間はかからなかった。松本侑子さんは『赤毛のアン』に出会うべくして出会い、訳すべくして訳したのであり、『赤毛のアン』は松本侑子さんによって新たな訳を与えられるべくして与えられたのである。人と本との邂逅といっても良いのかもしれない。自分自身のことも顧みれば、その後松本侑子さんの『赤毛のアン』の英語講座に何年も通い、舞台となったプリンスエドワード島にまで行ってしまった(もう10年以上も前のことだ!)。これもまた巡り会いとしか言いようがない。
  昨年になって集英社版の文庫本に代わって文春文庫から訳文・訳注を改訂・改稿した新訳版が出版された。装丁はもちろんのこと冒頭の写真も新たなものに入れ替わり、松本侑子訳「赤毛のアン」シリーズの新たな旅立ちを感じさせてくれる。昨年(2019年)末に4巻目の『風柳荘のアン』も刊行されたようである(公式には2020年1月4日発売になっているが、アマゾンではすでに入手可能。ちなみにレビュアーも近日中に購入予定)。レビュアーと「赤毛のアン」との縁もまだまだ続きそうである。しかしレビュアーもすでに老境に入ろうとしている(あるいは入ってしまった)身である。願わくは最終巻の刊行まで生きながらえんことを!











  


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 科学不信大国に学ぶ―『ルポ ... | トップ | 読書備忘録―002 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Yuko Matsumoto, Ms.」カテゴリの最新記事