旧三潴銀行本店

2013-03-03 19:42:01 | 福岡・長崎・佐賀


 清力酒造社長・中村綱次ら大川の地元融資家が明治27(1894)年に設立した鐘ヶ江銀行を端緒とする三潴(みずま)銀行の本店として明治42(1909)年に建設。 表からは窺い知れませんがレンガ造の建物です。 18世紀半ばに開港した若津港と共に発展したこの一帯も、明治41(1908)年に開港した三池港の影響を受けて次第に衰退し、三潴銀行も大正14(1925)年に十七銀行(現在の福岡銀行)に合併され、この建物も海運会社やケーブルテレビ局等として使用されました。  福岡県大川市向島2367  13年01月上旬

 ※参考『筑後の近代化遺産』 2011



 正面玄関。 現在はこちらからの入場は出来ません。


 ペディメント付きの1階の窓。


 2階中央の窓はイオニア式の柱頭を持った付け柱で飾られています。


 2階の左右にある窓。 窓の装飾材には花崗岩を使っているそう。


 屋根窓の形をした換気口。


 隣接する新しい建物から中へ入ります。 現在は三潴銀行記念館(併設・九州貨幣博物館)となっていて国内外の貨幣等が展示されていました。


 この写真では良く分かりませんが階段手前の左側にあるドアが入場口です。


 中から見た正面玄関。


 装飾部を拡大。


 営業室だった吹き抜けの空間。 銀行時代のカウンターは取り外されています。


 ドイツ製の鋳型打ちブリキ天井が輝いていました。 平成21(2009)年に大改修が行われて往時の姿が甦っています。


 暖炉のデザインは様式的ながらも少し自由な感覚。 外観デザインとも共通する雰囲気です。


 イタリア製のタイル。


 金庫室です。


 劇場のボックス席のようにも見えますね。




 階段の脇を通って最初の部屋へ。 建物の北に位置する3部屋の一番西側の部屋です。


 隣りに新しい建物が出来たので、窓の外はニッチのような空間に改変されています。


 次の部屋へ。


 ここは部屋というより通路といった方が正しいのかも知れません。 3部屋の中央に位置し扉の向こうが先程の営業室にあたります。




 一番東側の部屋。


 裏手に附属屋があるのでここの窓の外もニッチ状になっています。






 戻る前に天井を見上げる。




 親柱のてっぺんにある円い部分は質感などから新しいもののようにも思えます。 この部分は復元なのかも。




 

 右のこの扉を開けると新館の2階に繋がっていました。 昔はどこに繋がっていたのでしょう? あるいは改修時に階段が設置され窓から出入りしてるのでしょうか。


 それにしても眺めの良い場所です。


 2階は会議室と重役室として使われていました。






 最初に広い方の部屋へ。


 天井の造作が素敵。






 右の扉から今度は小さい方の部屋へ入ります。


 こちらが重役室になるのかも。




 

 ディティールも逃したくない。






 天井の境目も気になる。




 内部を見終えて再び外に出てきました。




 避雷針。
 

 裏側です。


 正月早々という事で訪問時は閉まっていましたが、恨めしそうに中を覗いていたらおじさんが出て来てくれてワザワザ開けて下さいました(感謝)。。


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4 コメント

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ブリキ天井 (蜥蜴)
2013-03-08 11:54:28
初めてみました。
こんな装飾があるんですな。
面白い!

シャンデリアの光が鈍く反射して、
綺麗そうです。

階段かわいいなぁ(階段フェチ・笑)。不思議な形。
ベットみたいにも見えますな。

中が拝見できて、自分も管理のおじさんに
感謝です。
至高の銀天井 (es)
2013-03-11 19:27:43
蜥蜴さん、ブリキって経年変化で表面がくすんでくるイメージなのですが
ここのは改修して間もないからなのか、照明の光が反射してキラキラしてとても綺麗でしたよ。
特に2階に上がるとブリキに打ち出された花柄(?)の模様も間近に見えるから尚更ですね。
吹き抜けの空間とブリキ天井、そして艶めかしい階段がセットになっていて本当に絶品でした。
中を見せてくれた監理のおじさんには本当に感謝ですね。
正月だし覗いた時は中も暗かったのでまさか人が居るとは思いもしませんでしたよ(汗)。


こんなにりっぱになって。。。 (Bargon)
2013-04-06 11:44:19
10年ぐらい前でしたか、当時はあまり事前調査をしないで建築めぐりをしていて、大川から柳川行きのバスで移動中、遠景にかの筑後川昇開橋を見つけ、降りようかどうしようか迷っていたら、古い銀行風の建物が目に入り、すぐに下車しました。
そのころは、「大川海運物産」という会社の事務所になっていました。正面玄関は扉がなく、ガラス張りで中が見えるようになっていました。人の気配がなかったので、ガラス越しにこっそり写真を撮らせてもらいましたが、旧態を展示しているようでした。
中にはいれるようになったんですね。
ぜひ再訪したいです。
価値の再確認 (es)
2013-04-21 15:51:20
Bargonさん、こんにちは。
返信が2週間以上も遅くなってしまい誠に申し訳ありませんでした。

2005年に初めてここを訪れた時の写真を見返してみました。
当時はインテリアショップになっていてやはり玄関扉はガラス製、
前の歩道には樹木が植えられていて建物を半分以上隠すくらいに成長してました。
現在の様子とはまるで違うので短いながらも歳月を感じてしまいます。
こうして誰もが気軽に建物を楽しめるようになった事に素直に感謝したいですね。
是非また訪問してみて下さい。

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