愛知県庁大津橋分室

2012-08-08 19:02:53 | 愛知・岐阜


 官庁街へと向かう大津通りに東面するこの建物は、愛知県信用組合連合会が昭和8(1933)年に地元・名古屋の北川組の施工により建てたもの。 旧制の信用組合は中小商工業者の金融機関で、愛知県信用組合連合会は愛知県下の各種信用組合の連合組織であったと考えられるそうです。 2・3階にスクラッチタイルを貼ったシックな建物の設計は愛知県の営繕課、担当は黒川巳喜と土田幸三郎といわれます。  愛知県名古屋市中区丸の内3-4-13  10年02月中旬

 ※参考『愛知県の近代化遺産』 2005ほか



 階段室の東面と北面には3本のピラスター(付け柱)。


 当初は2階に食堂、3階は講堂とその控室になっていました。 現在はどのようになっているかは不明です。


 パラペットのテラコッタはグリフォン(グリフィン)でしょうか? グリフォンは黄金の守護と知られているので金融関係の建物としては相応しいものとなります。 


 3本のピラスターの下には3つの丸窓。 


 松明(たいまつ)飾り。




 現在は塞がれていますがここが本来の正面玄関でした。




 左から太陽、月、雲(?)。 何やら暗示的ですね。


 3階のバルコニーに嵌め込まれたテラコッタ。


 黒川巳喜はあの黒川紀章の父親だそう。


 施工した北川組のデータによると建物竣工は昭和7年になっています。


 

 昭和32(1957)年から愛知県の所有へと変わる。


 隣りの伊勢久は昭和5(1930)年の築。 2棟で昭和初期の大津通りの表情を今に伝えます。


 当時の愛知県営繕課は表現主義的意匠を多用していたという。


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