旧藤田家別邸洋館

2012-08-21 19:49:38 | きた東北 (青森・秋田・岩手)

 
 生涯に60以上もの会社の社長や取締役を歴任、日本商工会議所の初代会頭も務め貴族院議員にまで登りつめた弘前出身の実業家・藤田謙一(1873~1946)の別邸として大正10(1921)年に建設されたもの。 最盛期には38ヶ所もの別邸を持っていたと伝わる藤田ですが、現代にその姿を見る事が出来るのはこの洋館を含む藤田記念庭園内の建物のみとなっています。  青森県弘前市上白銀町8-1(藤田記念庭園)  11年08月中旬他

 ※参考『別冊太陽 日本の別荘・別邸』 2004ほか



 正面全景。 赤い8角塔屋と玄関上まで葺き下ろした大きな反り屋根が特徴。 


 煙突は煉瓦で出来ています。


 建物の設計は名棟梁・堀江佐吉の六男である堀江金蔵、施工は同じく長男の堀江彦三郎。


 北面の張り出し。


 東面から。 1階の張り出した部分には全て赤い屋根が載っていて可愛らしい。


 玄関を入ると出迎えてくれるステンドグラス。


 靴を脱いで上がった玄関ホールには暖炉が設えてあります。


 

 天井を見上げる。


 2階は貸室なので通常は上がれません。


 階段を横から。


 建築資材は輸入材を使用ともいわれます。


 大広間。


 こちらの暖炉の前は小部屋になっていて冬場の来客を暖かく持て成します。 








 両側の背もたれの後ろには鳥をモチーフとした青紫色のステンドグラス。


 何の鳥でしょうか。


 展示室になってる部屋。


 照明器具。


 この部屋にも暖炉があります。


 

 もう一度、大広間へ。


 大広間に隣接するこの部屋と南側のサンルームは喫茶室として使われていて客足が絶えません。


 室内の壁にある装飾。


 こちらも同様。


 有料区間になっている庭園側へ。


 南面は趣が少々異なる。 写真を撮っていると喫茶室の客人達に好奇の目でガン見されるのが恥ずかしいです。。


 昭和12(1937)年築の和館。 昭和36(1961)年に板柳町にあった藤田謙一の本宅を移築したもの。


 







 大正10(1921)年築の倉庫。 現在は考古館という名称の資料展示室になっています。


 庭園は別邸建築の為に大正8(1919)年に東京から庭師を招いて造らせたもの。


 洋館や和館などのある東の高台から西の低地部を見下ろす。 見えてる景色はほんの一部に過ぎず、かなり広大な庭園になっています。


 藤田は大病を患った事もあり、50歳を境に実業を減らし社会への貢献活動をしたかったよう。 多くの寄付行為や育英事業(藤田育英社の創設)により後進を世に送り出すも、実際は実業から退く事はままならず、藤田がこの別邸で過ごした記録はほとんどなかったと伝わります。


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2 コメント

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Unknown (106)
2012-08-21 23:52:52
弘前にこれほどの優良物件が残っているとは知りませんでした
庭も立派で見応えがありそうですね
いずれ盛岡とセットで建築散歩してみたいと思います
T.B.しつこくてすいません。今回の旅でもかなり参考にさせていただきました
弘前と盛岡 (es)
2012-08-22 19:02:29
106さん、こんばんは。
T.B.歓迎、毎回ありがとうございます。
弘前と盛岡は近代建築の宝庫ですし、レンタサイクルもあるので主だった建物は全て見る事が出来ますよ。
九州よりも近いのですから次回の訪問先に良いかもしれないですね。

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