La selva bonita

ランダムウォークで気ままに,ガリレオ。
我々は流れ星のなりの果て。
El dia que me quieras.

「無」の思想 老荘思想の系譜

2013-02-22 23:27:12 | 日記
森三樹三郎 著

まえがき

1 自然とは何か
<1> 自然と不自然
あいまいな「自然」
ミズカラとオノズカラ
<2> 無因自然
郭象の自然解釈
万物の主宰者は存在しない
物の生成に原因は存在しない
無は有を生じることができない
インドの無因論師

2 無為自然
<1> 老子と荘子
老子の人と著者
荘子の人と著者
<2> 老子の無為自然ー虚無自然
無為自然の一般的な性格
無為の道徳と政治
赤子の自然に帰れ
自然の摂理への信頼
虚無自然
<3> 荘子の無差別自然
自然の認識論的考察
無差別自然
万物斉同の思想
<4> 荘子の運命自然
自然と必然
運命自然
死の哲学
生死は循環する
運命の主宰者は存在しない
<5> 中国民族の運命観
運命と天命
儒教の天命観
墨子の運命否定論
運命の神の摂理
中国人は運命論者である
運命随順思想と現代の生活
<6> 数理自然
天地山水の自然
現代の自然観の特徴
神と自然との連続
自然と人間との連続ー天人合一の思想
気の観念
自然と人間とを構成する気
気の種類ー陰陽5行説
自然界と人間界との法則
数をもととした自然哲学と歴史哲学
呪術的自然観ー天人相関説
<7> 本性自然
人間の内にある自然
孟子の性善説と荀子の性悪説
荘子の内篇と外篇・雑篇とにおける自然観の相違
復性ー自然の性に帰れ
<8> 自然の性に帰るための五つの道
 性を虚無とするもの
枯木死灰の人間
 知足安分
自得の思想
 性を生とするもの
生と性
養生説
養生説から神仙説へ
 性を天真に求めるもの
真悲は声なくして悲しむ
儒教道徳への接近
享楽こそ人生の目的である
豊屋・美服・美味・美女
本性自然の一般的性格

3 有為自然

つづく




ゲノムが語る生命像 本庶 佑著

2013-02-21 23:08:35 | 日記
現代人のための最新・生命科学入門

はじめに
初版『遺伝子が語る生命像』序文

第1章 メンデルからゲノムへいたる道

1 メンデルはなぜ偉大なのか
粒子説による卓見

2 進化はゲノムの歴史である
遺伝する変異とその選択とは何か

3 遺伝子の本体はDNAである
二重らせんモデルによる革命
セントラルドグマ

4 ゲノムの全塩基配列決定

第2章 分子細胞遺伝学の基礎

5 ゲノムは細胞は核に存在する
核移植
ウイルスは生命体か

6 染色体はDNAとタンパク質からできている
2メートルのひもの謎

7 DNAの構造から何がわかるか
遺伝情報を決める塩基対

8 遺伝記号の謎解き
トリプレットコドンの発見

9 遺伝子は寄木細工で作られたか
ギルバートの仮説

10 ゲノム情報に含まれる未知のもの
設計図の余白
ジャンクが転写される

11 ゲノム情報のコピー(転写)によるmRNAの生成
12 ゲノム情報のタンパク質への翻訳

13 ゲノム情報の間違いが進化の母である
岡崎フラグメント

14 兄弟はなぜ異なるのか
減数分裂相同組換えの効用

15 細胞核の外のも遺伝子は存在する
ウイルスとプラスミド

第3章 ゲノム工学の技術
16 ゲノム情報を編集する

17 ヒトのDNAを大腸菌で増やす
運び屋の選択

18 細胞へDNAを導入する
遺伝子治療技術の課題

19 DNA塩基配列を決定する
マキサムーギルバート法とサンガー法
分子生物学を支える技術革新

20 DNAを試験管の中で100万倍に増やす
21 生きた細胞や分子の動きを見る
22 遺伝病を再現する動物

23 単クローン抗体
ハイブリドーマ

第4章 生命科学の新しい展開
24 多様性は生命体の本質である
  生物多様性は,種,個体また個体中の細胞まで及ぶ。
  その多様性の表現のもとはすべて遺伝情報である。
  一方,個体中の細胞の多様化は遺伝子発現制御によって主として起こるが,
  一部は遺伝子の変異によっても起こる。
個体の中の多様性

25 動く遺伝子
DNAはダイナミックに変化する
トランスポゾン

26 細胞分化のプログラム
生物の形を決める遺伝子

27 細胞分化の再プログラム化と臓器再生
28 遺伝情報の後生的な制御

29 感染症から逃れる仕組み
リンフォカインとサイトカイン

30 獲得免疫系による自己と非自己の識別
31 ワクチンの効果は免疫記憶の形成による
32 発ガン・ゲノム不安定・放射線
33 ガン治療の新たな展望
34 脳の機能の理解(1)その活動原理
35 脳の機能の理解(2)
36 病気の原因遺伝子

第5章 ゲノムから見た生命像
37 常識を破り世界観を変える科学の進歩
38 生命の偶然性と必然性
39 生命の柔軟性
40 生命の有限と無限
41 未来に備える遺伝子

42 生命と価値観
価値は相対的ある

43 個人の尊厳とクローン人間
新しい人間像

44 生命はどこまで理解できるか

第6章 生命科学がもたらす社会へのインパクト
45 新技術の社会受容性ー安全と安心
46 ヒト生命情報総合研究の推進による新しい医療の展開と医薬品開発

47 食料不足と環境保全への取り組み
品種改良
微生物による食料生産
生態環境

48 ゲノム工学による新産業の創出
バイオエネルギー
グリーンケミストリー
バイオエレクトロニクス

第7章 生命科学者の視点から
49 幸福感の生物学
50 生物学は必須の教養
51 医療の進歩と変化
52 歴史に学ぶ

みるみる理解できる量子論 改訂版

2013-02-20 20:08:54 | 日記
Newton 別冊

相対論と並ぶ自然界の2大理論
ミクロの世界では常識が通用しない!?

1章 イントロダクション
ラプラスの悪魔 未来は決まっているか?いないか?
量子論はミクロな物質のふるまいを解き明かす理論
量子論と相対性理論は自然界の二大理論
量子論は,日常眼にする「マクロな世界」とは関係がないのか?
量子論を理解するための二つの重要項目
量子論の世界は摩訶不思議!
宇宙誕生,そしてパラレルワールド

2章 量子論の誕生 
理解のかぎ「波と粒子の二面性」
光の波動説 波とは何だろうか?
光は「干渉」する。光の波動説が“常識”に
光は電磁波。電波も赤外線もみんな電磁波の仲間
光を単純な波とすると説明がつかない現象
アインシュタインは「光のは粒子の性質もある」と考えた
光子で考えないと説明できない現象
光子は結局,粒子なのか?それとも波なのか?
「量子」という考え方をはじめて提唱した量子論の父,マックス・プランク
原子の模型 初期の原子模型-ブドウパン型と土星型
土星型も原子模型の難点
プラスの電気は,原子の中心に小さく集中していた
電子などの物質粒子は波の性質ももつ!
量子論的な原子模型
電子は光子を放出・吸収して,軌道間をジャンプする

3章 量子論の核心にせまる
理解のかぎ「状態の共存」 一つの電子は,箱の右側と左側に同時に存在できる
電子の干渉 電子の波としての性質 電子も干渉する!
電子の波は「電子の発見確率」をあらわす
電子がどこでに発見されるかは「偶然」に決まる
「観測」すると,電子の波は一点にちぢむ
今なお,なぞが残っていたコペンハーゲン解釈
一つの電子が二つのスリットを通過する
電子が複数の場所に同時に存在できるなんて本当?
「電子の波」とは何を意味するのか?
コペンハーゲン解釈に反発したアインシュタイン
「半死半生のネコ」が存在する??
量子論でいう「観測」とは何か?
不確定性関係 ミクロな世界では,電子の位置も運動方向もあいまい

4章 発展する量子論
新たな真空像
エネルギーから物質をつくることができる
真空では,物質が生まれては消えている
真空がエネルギーをものなんて本当か?
宇宙を加速膨張させているのは真空のエネルギーかもしれない
トンネル効果 まるで幽霊?電子は壁をすり抜ける!
エネルギーの不確定性関係とトンネル効果
トンネル効果によっておこる原子核の崩壊
化学と固体物理学への発展 量子論は元素の周期性がなぜ生じるかを解明した
量子論がなければ,コンピュータも生まれなかった
周期表は量子論誕生前につくられた
現在のIT社会をもたらした半導体ー量子論は半導体の性質を解き明かした
驚異の潜在能力を秘めた量子コンピュターとは?
自然界の四つの力 量子論では力を粒子のキャッチボールで説明する
量子論は自然界の四つの力のうち,三つの説明に成功
 電磁気力 強い核力 弱い力 そして重力
量子論を一般相対性理論と融合し,“究極の理論”をめざす
難航する量子重力理論への道
無からの宇宙創成 量子論が解き明かすミクロな宇宙
「無」も完全な「無」のままではいられない

5章 量子論総まとめ
量子論の登場人物を一挙紹介
量子論年表
量子論とは結局,何なのか?
量子論とは?多世界解釈とは?
 サイコロの確率と量子論の確率のちがいは?
 もう一つの量子論の解釈「多世界解釈」
 人間さえ複数の状態が共存している?
 未来は決まっているのか?
月は見ているときしか存在しない?
多世界解釈の「世界の分岐」とは,どういう意味?
多世界解釈と似た話を宇宙論でも聞いたことがあるが?

6章 アインシュタインと量子論の発展史
量子論とアインシュタインの物語
量子論の誕生
物質波とアインシュタイン
ボーアとの大論争 コペンハーゲン解釈の登場

1 量子仮説
2 光量子仮説
3 物質波
4 コペンハーゲン解釈
5 「光子箱」の思考実験
6 自然界の四つの力と力の統一理論
a 電磁気力
b 弱い核力
 c 強い核力
d 重力

アインシュタインのさらなる疑問
アインシュタインが多世界解釈を聞いたらどう評価したか?

昆虫-驚異の微小脳 水波 誠著

2013-02-10 22:17:07 | 日記
はじにめに

第1章 昆虫の繁栄を支える小さな脳
昆虫は愚かな生き物か
ハエの複雑な体
ハエの複雑な体
いらいらさせられる原因
陸の王者ー昆虫
昆虫はなぜ繁殖したか
微小脳の驚異

第2章 ファーブルから現代まで
科学的な行動研究のはじまり
行動のしくみの研究
現在の研究の最前線
19世紀のアカデミー論争
ボディー・プランを支配する遺伝子
神経系の初期発生
体節ごとの機能の特殊化

第3章 複眼は昆虫の何をものがたるか
2つのタイプの眼
眼の進化
画素数12000の視覚世界
二つのタイプの複眼
視野の広さ
時間分解能
明暗変化の検知
色を見る
ラモニ・カハールのためいき
視覚中枢の構造と働き
動きの方向の神経計算
オプティカルフロー(画像の流れ)を見る
形の識別
ミツバチの錯視
高度な視覚認知

第4章 単眼はどんな働きをしているか
第3の眼
単眼の構造と機能的な特徴
単眼の行動上の役割
単眼系の神経回路の多様性
単眼系の神経回路の進化
単眼系を用いた明暗視の神経機構の研究
単眼の光受容細胞での明暗情報の符号化
単眼の光受容細胞と二次ニューロンの間のシナプスの間での信号処理
単眼二次ニューロンの応答特性
単眼二次ニューロンと三次ニューロンの間のシナプスでの信号処理
明暗検知回路から運動検知回路への進化

第5章 空を飛ぶしくみ
空への進出
昆虫の飛行のしくみ
バッタの飛翔解析
飛翔系の構築
飛翔系における中枢パターン発生器の発見
中枢パターン発生器のニューロン構築
自己受容器の役割
飛翔姿勢の制御
偏差検知ニューロン
飛翔制御回路における偏差信号の処理

第6章 匂いを感じるしくみ
嗅覚が果たす役割
優れた匂い識別能力
嗅細胞,嗅受動体と嗅受容体遺伝子
嗅細胞での匂いの符号化
嗅覚中枢での匂い情報処理
性フェロモン情報の脳内回路
匂い源を探索するロボット
湿度や温度を受容する細胞
触角葉の温度・湿度感覚糸球体
前大脳の温度・湿度感覚中枢の発見

第7章 キノコ体は景色の記憶に関する
キノコ体
ツチスガリの景色記憶
ゴキブリの景色記憶とキノコ体
行動中のキノコ体ニューロンの活動
キノコ体の内部構造
昆虫の脳の基本設計と記憶システム

第8章 匂いの学習
第9章 ミツバチのダンス

第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス
第11章 微小脳と巨大脳

樹木の木部の成熟に関して

2013-02-08 23:26:10 | 日記
樹木の成熟について、
発芽して成長し、
繁殖という観点からすれば,
花粉や種子が生産されるならば、
成熟木(成木)と呼ばれるだろう。

木部形成における成熟とは
日本のように細胞活動の休眠期がある場合,
スギ,ヒノキ,トドマツのような針葉樹において、
一般的に、仮道管は、
髄から現在の形成層に向かうに伴い、
長さが徐々に長くなり、ほぼ一定で安定して推移する部位を
成熟材とよび、
それより髄に近い部位を未成熟材とよんでいる。

植栽木の場合
樹幹の胸高部(1.2~1.3m)において、
髄から15~20年輪以降に成熟材が形成されることが多い。
たとえば、20年輪までの平均年輪幅が2.5mm/年とすると
(20×2.5)×2 = 10cm
となり、
直径が10cm以降は成熟材が形成されるといえる。
また、
18輪までが平均幅3mmとすると、
直径10.8cm以降に成熟材の形成が開始されることになる。


年輪の形成されない(場合によっては、成長輪はあるかも)
熱帯林の広葉樹早生樹について、
最近の研究によれば、
木繊維長の伸長の推移や道管径の変化の安定時期によって判断すると、
木部の成熟は、直径成長に影響される。
胸高直径が
10~12cm以降の成熟材が形成されるということ。
樹種によるが、樹齢は3~5年ということ。

年輪のはっきりしている温帯林木や北方林木の針葉樹でも
熱帯の広葉樹早生樹でも、
時間のスケールは異なるが、
胸高部の直径が目安として、
10cmになれば、
樹幹木部の成熟の形成が開始されるということなる。

つまり、
地球上の高木となる樹木は、普遍的に
直径10cmという共通した性質を有していると考えられる。

仮道管や木繊維は働きは、樹幹の力学的な支持機能である。
つまり、幹が折れたり、曲がったり、座屈することに
抵抗することである。

単純に考えてみると、
曲げ剛性(幹の変形しにくさを示すひとつの指標)は、
「ヤング率×断面二次モーメント」で示される。

直径10cm程度の樹木の樹幹のヤング係数は、
3~6GPaの範囲になる。
樹種により倍程度の値の差がある。

また,
断面二次メーメントは、幹の直径に依存しているため、
ここでは、すべての樹木(D=10cm)は同じ値になる。

以上より、
曲げ剛性には、倍の差があるものの、
樹木は一定の太さになると、安定した一定のサイズの組織を形成する。

推察されることは、
樹木は、一定の太さ、つまり一定以上の断面ニ次モーメントを得ると、
ヤング係数には関係なく、
成熟材の形成を開始する。

これには、
成長応力が関与しているのか、
重力の影響か。

仮道管でみると、
限界の長さ≒安定の長さ(成熟材)
ということになる。
その樹種や個体にとって、
生育するうえで、一番(エネルギー)効率のよい、
または最適な長さが
成熟材であると推察される。

樹木の幹の直径10cmについて、
生物的意義、
力学的意義に関して、
自分なりの解釈を考えてみよう!