やました甲乙鍼灸院のあれこれ

はりとお灸の鍼灸をこよなく愛し、鍼灸の力を手に入れたいと日々孤軍奮闘中。

不思議がいっぱいの とある夏

2010年08月21日 | あきらめない夏:不思議がいっぱい篇

夏のお盆を迎えると、、、

20歳の夏を思い出す。

色んな出会いがあり、別れがあり、

色んな不思議を知った夏です。

 

20歳の夏に脳腫瘍の手術を受けるべく

当時、吹田にある最先端医療がそろって

全国から難病の方々が集っていると

いわれる病院に入院、1か月間の検査。

深さ5cmの場所に腫瘍あり。良性腫瘍。

そして、、、「右脳海綿状血管腫」の手術。

 

当初、自宅から救急搬送され、

検査の結果、脳腫瘍の診断を受けた病院から

とある諸事情があれこれ発生し、

あれよあれよと時がすすみ、

日本の5本の指に入るといわれている

脳神経外科のドクターのオペを

受けることが決まり、

そのドクターが携わっておられる

吹田にある病院に転院することになった。

そこは、全国から循環器系の難病で

オペ不可能と告知された人たち(患者)が

集まっていた。

 
そこで出会った患者さんたちは、

(えちん(私)は脳外科病棟だったので

 大部屋には脳疾患のかたが多くいた)

 

何度も手術を繰り返してる「水頭症」の

小学低学年の少年。

手術してもまた水がたまってくるので

再手術になっていると。

  *  *

幼児期から脳腫瘍の手術を繰り返している

小学高学年の少女。

  *  *

「もやもや病」と診断され遠く九州から来た主婦。  

  *  *

同じく「もやもや病」の小学生の少女。

12時間以上のオペだった。

  *  *

「水頭症」の高校の教員もいた。

関東の人だったかしら?

  *  *

他にも色々な難病の方々がいた。

 

小児の患者はストレスが

かなり厳しかったと思う

どの人も、その方々の地域の病院では

手術困難だと。

手術ができたとしても、

成功率は低いといわれ

病院を探しまわり

そこにたどりついた との話だった。

*  *

「水頭症」の男性の話では、

授業中に頭がぼーとして

同じ授業を繰り返すので

生徒から指摘を受け

自分の身体の不調に気づいたとか。

生徒が指摘してくれなければ

もっと発見が遅れたかもと。

頭にたまる水を胃の中に流すという

手術を受けた。とのこと。

オペ後、私の病室に遊びに来ては

色々症状を語ってくれた。

「オペは成功してるんだけど…

自分の頭にスイッチがあってね、

そのスイッチがうまく探せないんだよぅ。

主治医の先生はすぐみつけてくれるのにぃ」と

悔しそうに自分の頭頂部の辺りを

触りながら、笑顔でえちんに話してくれる。

スイッチの役割を尋ねるえちんに

親切に答えてくれる。

「水がたまってくると少しぼーっとしてきて

その時にうまく頭の中のスイッチを押すと、

栓が開いて頭にたまった水が

胃に流れるしくみになってるらしい。」と

自分ではうまく押せないんだよなぁ…

先生が押してくれるとうまく作動して

頭がスッキリするんだよぉ」と。

 *  *  *  *

20歳のえちんには、衝撃すぎて言葉がない。。

今の医学って、なんかすごいけど

こわ~いって感じた。

人間の身体の不思議が、

そこにはいっぱいあった。

他にも色んな不思議がいっぱいだった。

もちろん、えちんのオペ後の身体も

不思議ワールド満載だった。

 *  *

自分の脳腫瘍のオペ自体は成功だったが

左半身マヒは逃れようがなかった。

同じ感情がはしる脳から

同じような指令を送っても

言うことを聞いてくれる

自分の右手と右足があり、

まったく反応もしてくれない

自分の左手と左足があったのだから。

(もちろん、解剖学的な説明は

学んだので理解はしているのだ)

ずっと自分の手(身体)を見て

過ごした夏だった。。。ように記憶している。

  *  *

その病院のドクターは超エリート。

優秀な若手ドクターが集結している 

とか。。。当時入院患者の噂話だった。

えちんの主治医の先生も30歳前半だった。

今考えると若いっ!!

その病院で経験を積み

臨床現場で鍛えられた若きドクターたちが

各地域(各都道府県)の医療現場に帰って行き、

それぞれの場所で、また若きドクターを

育成するために活動する

というシステムらしい。

当時、すばらしいと感動した。

今もそう思っている。

本当に難病の人たちが一人でも多く

救われてほしいと願った。

なのにいつからだろう、

病で苦しんでいる患者のための医療が

「本当に?そうなの?」と

疑問視されるようになったのは?

誰のための、何のための医療、

薬の処方なのだろう?と。

えちんも当時、最高の医療(西洋医学)で

助かったいのち。

もちろん感謝はしつつも、

もっと違った医療も知っていたら

何かが変わっていたかも?

と(たどってきた道に後悔はないが)

その病院のDr.並びに関係者の方々には

本当に感謝している。今も思い出す。

 

でも、もしかしたらと、、、

脳腫瘍になる前に

未然に自分の体質が把握できていたら?

自分の日常生活の偏り、不養生に

もう少し早く、気がついていたら?

と考えるようになったら、

おのずと自分が進むべき道がみえてきた。

ハッキリと見えたわけではないが

うっすらと浮かぶ。

鍼灸治療に出会い、

「鍼灸医学」「中医学」を知ったことで

その思いは、どんどん強くなる。

もっと知りたい。

知らないといけないのでは? と。

話し出したらきりがないです。。。

 

長文になるのでこの辺で。。。

つづく。。。かな??

 

色んなことに感謝の夏なのです。

 

201008_002_2

※この写真の書は、

 先日、初めて行ったお店のカウンターで

 たまたま、知り合ったおじさんが

 えちんにと ささっと書いてくれた言葉です。

 「えちんさんに  みんなが幸せになれば 

  自分が幸せになれる」 と。

 深~~いぃ~!

 ほとんど会話もかわさなかったのにぃ??

 

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