狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

権威・権力の広報として世論操作をするマスコミ・・・独立した「個人」の「反骨」が必要・・・「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」を読んで

2013-10-07 11:23:01 | マスコミ
 総タイトル:【権威・権力の広報として世論操作をするマスコミ・・・独立した「個人」の「反骨」が必要・・・「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」を読んで】

 「新聞・テレビはなぜ平気で『ウソ』をつくのか」(著者:上杉隆氏、出版日:2012/2/29、出版社:PHP研究所)
 上記の本を読みました。
 私は本の購入時には、タイトルから興味を持って入っていく事が多いです。本書を読む前から、そのタイトル通り、特にテレビや新聞等の主流メディアが真実を伝えていない事は解っていましたが、共感する事も有って本書を読みました。
 権威・権力の広報として世論操作をするマスコミは、その裏の権力、頂点に存在する支配階級に使われています。
 テレビ・新聞各社の記者が参加する「記者クラブ」と官僚とが、「官報複合体」として金銭の授受を伴う癒着関係に在ります。「記者クラブ」内部での各社記者通しの癒着・談合も在り、一人の記者の「メモ」を「他社もらい」や「カンニング」をして各社共通のメモを採用して記事にする為に、どの新聞・テレビも似通っている「共同記事」となっています。記者クラブに参加する記者達は皆一流大学出身のエリートばかりで、権威や権力に対しては弱く、それらに寄り掛かる性格を持っています。
 一方、フリージャーナリスト、フリーランスは会社や組織・団体に所属せず、独立して自由な記事や情報を発信しています。そして特に海外のフリーランス等は中卒やアンダーグラウンド出身者も多く、その様な人達は「下積み」の苦労を重ねて来ている事と「反骨精神」を持っている事から、「反権力」となり易く、その為に権力・上層部の不正を暴く等の真実をより深く追求する傾向にあると思います。また「下積み」の経験から、下層の人達への共感も持っており、弱者や差別、人権等に対しても理解が深いものと思います。逆に、主流メディアが表面的に権力を監視する等と言っても、エリートばかりで所詮その権力と同類である為に、結局は権力・権威に寄り添い、少数派の弱者等の「異質」なものを排除している様に思います。
 震災時の報道においては、その「政府広報」の威力をNHKを始めとしたマスコミは発揮していましたが、その頃にインターネットにおいては、並行してそのマスコミの「ウソ」が暴かれていました。
 震災・原発事故後の特に福島県民に対しては、マスコミを通した政府の情報には虚偽や隠蔽が多く、福島県民に現在や未来にかけての、安全・安心と思い込ませる洗脳や、希望を持たせる様な情報を流して来ました。しかし、現実は全く反対であり、却って「死の町」となってしまっている事実を公に伝えてもらう事を、震災直後から被災地の地元の人々は願っており、福島県民もインターネット等で情報収集して本当の事を解っている様で、将来にかけて地元には帰る事が出来ない事を悟っています
 マスコミが真実を伝えないので、その様な「組織」に対抗して、独立した「個人」としての情報収集が必要になります。その為のツールとして、インターネットが存在する様に思います。
 独立した「個人」として情報収集する上で、現在では各個人のブログSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)等において、一人ひとりが「キュレーター」となっています。「キュレーター」とは、「情報を収集し、選別し、意味づけを与えて、それをみんなと共有すること」(本書より)です。あるテーマを基に情報収集して自分なりに吟味し考え選んで、一つの記事や特集に纏める事は、現代においては多くの一般の人達が行っている事であり、インターネットの普及率が高くなっている現状においては、多くの人達がその様な情報を知る所となり、発信するだけでなく利用してもいます。
 情報収集する上で大事な事は、自分の内に「基準」を持つ事。そして、その「基準」を「根拠」にしての疑問視、洞察、把捉、判断、選択等が必要に思います。故に、何を「基準」にするのか、何を「根拠」にするのかが、これからの時代には各個人に問われるものと思います。
 著者はフリーのジャーナリストとして、本書より、「結果にとらわれず、世間の評価を気にせず、自分のやりたいことに従って生きる」と言っています。組織、世間一般、常識とされている事、権威・権力等に影響されずに、動揺せずに、自立して独立した「個人」の姿勢が、これからは各個人に求められます


 本ブログ過去の関連記事↓↓
   2012年11月29日付「情報隠蔽による被曝被害の拡大・・・政府、東電、NHK、自治体、医学者の責任」


 
新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)価格:¥ 756(税込)発売日:2012-02-15


 
福島 原発と人びと (岩波新書)福島 原発と人びと (岩波新書)価格:¥ 798(税込)発売日:2011-08-20


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生命の根幹を司る食養生における日本人にとっての中心「味噌汁」・・・「体質と食物―健康への道」を読んで

2013-10-07 07:22:08 | 健康・医療・暮らし 2012~2017
 「悔い改め」と「食い改め」
 次の本を読みました。
 「体質と食物―健康への道」(著者:秋月辰一郎氏、出版日:1980/11/1、出版社:クリエ―出版)
 60ページ程の薄い新書サイズの本書の中に、日本人にとっての「食養生」の大切さが濃縮されて込められており、中でも特に「味噌汁」の重要性が説かれています。
 「味噌汁」等と言うと、世間一般的には軽視して侮る傾向が有る様に思います。逆に、特に病気や疲労がある時等に利用しがちな薬や栄養ドリンク、サプリメント等に対して、科学的、先進的、近代的なイメージを持つ傾向が、世間一般的には強い様に思います。しかし、薬は基本的に体にとっては異物・毒であり、特に継続使用で症状が慢性化、悪化、副作用の発症等となり、サプリメント等も偏った栄養摂取によって逆に健康を害する事にもなります。「味噌汁」は「調和料」として食物相互作用をもたらし、様々な効能が有ります。
 著者は大正時代に長崎県で生まれ、子供の頃から虚弱多病の体質を持っておられました。戦前に医師となり、第二次大戦中は結核を持ちながらも軍隊に入ったり、医師不足の中で医業に携わり、長崎の病院に勤務中に原爆に被曝しました。被曝後も医業に携わり続け、それと並行して原爆関連の各種委員等も務められて精力的に活動され、8年前の2005年に89歳で生涯を終えられました。自身が元々生まれながら持っていた虚弱体質と原爆被曝経験から、また自身の「味噌汁」による「食養生」から、そして論文や研究に没頭する学者としてでは無く現場で診察等の活動をする医師としての立場から、本書に「体質と食物」に関する重要性が纏められています
 著者は、現代医療が「原因療法」では無く、対症療法や手術療法等の「結果療法」である事に絶望して、「食養生」が人の根本である「体質」を改善して「原因療法」となる事を見出しました。そして、「食養生」における「食物」の重要性、中でも日本人の風土に最も適した「味噌汁」こそが、日本人にとっては特に重要である事を確信しました。
 「身土不二」と言う言葉を著者は用いています。仏教でも別の意味で使われていますが、明治時代の軍医・医師・薬剤師であった石塚左玄氏が提唱されていた内容を基にしての「食養学」においてのスローガンとして用いられたその意味は、「地元の旬の食品や伝統食が身体に良い。」(ウィキペディアより)と言う事です。地産地消、スローフード、自然食、発酵食品、有機栽培等は、その考え方を基にしたもの、あるいはそれらから得た考え方であるものと言えます。
 日本の伝統食「味噌汁」の中に、ワカメ、揚げ、野菜、豆腐等を入れ、味噌汁が「調和料」としてそれら食材の「相互作用」を促し、食材一つひとつが単能的に機能が働くのでは無く、味噌汁として「多能的」に、総合的に、一つの症状だけでは無く身体全体の改善、「体質改善」と言う「根本的改善・治療」になる事を教えられています。
 「味噌汁」はアルカリ体質を作る働きが有り、現代の西洋化した食事により動物性蛋白質や加工食品、甘味品等の過剰摂取によりとかく酸性化しがちな身体を中和させます。身体が酸性化している事によるアレルギー体質や易感染体質を改善する効果、虚弱体質を改善する効果が有ります。味噌汁の中の塩分等の各種ミネラル(無機塩類)が、抗酸化作用を発揮します。また揚げ等に含まれる脂質は、結核や放射線の影響、寄生虫感染等の予防・治療に効果が有ると言っています。また発酵食品である為に、乳酸菌の効果で腸内腐敗を防いで免疫中枢機能の強化等と、長寿に繋がります。栄養の補助・補足と同時に、毒消しの効果があります。
 本書には書いていませんが、味噌やわかめにはヨウ素が含まれており、放射線被曝した時の甲状腺がん発症の予防にもなります。
 「味噌汁」の他にも、日本の昔からの伝統食としての「五穀」が有ります。「米・麦・黍・粟・大豆」、又は「米・小麦・大麦・小豆・大豆」の事であり、それらを柱とした「食養生」が日本人にとっては大事であると言っています。味噌汁のミネラルや善玉菌と同様に、穀類の繊維素が腸内環境の改善、免疫機能の改善に繋がります。
 症状に対して個別に一つひとつ対応する「結果療法」・「対症療法」では無く、根本的に体質を改善して全ての病気に対抗出来る体を作る「原因療法」・「根本治療」としての「味噌汁」に代表される「食養生」が重要である事を説いておられます。新薬等の効きやすい体を作り、薬の服用を減らす事にも繋がります。自身の「味噌汁」による虚弱体質の改善と、自身の原爆被曝体験に対しての「味噌汁」による放射線の毒を消す事を、身を持って証明されました

 
体質と食物―健康への道体質と食物―健康への道価格:¥ 368(税込)発売日:1980-09


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