ユリオルキス・ガンボア対マイケル・ファレナス(2012/12/08)

WBA暫定スーパーフェザー級タイトルマッチ

元統一王者のユリオルキス・ガンボア選手(Yuriorkis Gamboa)が久しぶりのリング登場。フィリピンからのマイケル・ファレナス選手(Michael Farenas)を相手に迎えて空位の暫定王座決定戦に臨み、苦しんだものの12回3-0判定を制したガンボア選手が勝利して戦線復帰を果たした一戦でした。

スピードの差を生かした出入りと高速で強いコンビネーションブローでの攻撃で立ち上がりからペースを支配していったガンボア選手。2回にサウスポーのファレナス選手が捨て身で放った左フックを浴びてやや押し込まれる場面を見せますが、ノーガードで強気に打ち合いを挑み、逆にショートの右でガンボア選手がノックダウンを奪います。
しかしファレナス選手が放つ捨て身の左フックや右フックを浴びる場面が目につくのも事実。4回にはファレナス選手の下から上に返したダブルの左フック、さらにフォローされた右フックを食って後退する場面も見せます。ピンチに陥っても強気の姿勢は崩さないガンボア選手で、強引に攻め返すことでパンチの強さと正確性でリードはキープしているものの、ファレナス選手の危険なパンチも時折食ってしまいます。
中盤に入ってガンボア選手の動きから疲労の色も感じられだし、ちょっと雲行きが怪しくなっていったのですがそれでも緩急をつけた攻めでうまくペースをコントロールし、7回にはラウンド開始から一気に攻勢を強めてファレナス選手から2度目のダウンを奪います。
しかしここでも懸命の粘りを見せたファレナス選手。9回にもガンボア選手が連打を集めてフィニッシュを狙っていったのですが、ここでファレナス選手が放った左フックを浴びせられてしまいガンボア選手がノックダウンを奪い返されてしまいました。

このパンチは結構強烈で、ガンボア選手のダメージに加えてそれまでに蓄積させていた疲労もあって大ピンチだったガンボア選手でしたが、同じくファレナス選手もいっぱいいっぱい。終盤は打ち合いを避けて動きながら要所要所にスピード重視の正確なブローを決める戦いにシフトしたガンボア選手を再びキャッチすることはできず、健闘したもののファレナス選手が結果的に大差の判定を落としています。

公式のスコアは117-109,118-108,117-108の3-0ガンボア。シロート採点117-108ガンボア。
15ヶ月ぶりの試合ということが影響したのでしょうか？中盤以降の失速であわや大番狂わせかとも思わせたガンボア選手にとっては大苦戦でした。過去に何度もノックダウンを食っているガンボア選手でしたが、この日のそれはダウンに至るまでの流れも含めてガンボア選手のキャリアにおいてもっともKO負けに近づいた瞬間だったのではないでしょうか。
強気の姿勢もこの日のこの相手には裏目に出てしまいました。とは言うものの待ちに待ったガンボア選手が帰ってきて、そして勝ち抜いたこの日。期間を開けずに次の試合を見せ、そしてビッグファイトを実現させて欲しいです。

ガンボア選手は22勝(16KO)。ファレナス選手は34勝(26KO)4敗4分。

ユリオルキス・ガンボア対ダニエル・ポンセ・デレオン(2011/09/10)
ユリオルキス・ガンボア対ホルヘ・ソリス(2011/03/26)
ユリオルキス・ガンボア対オルランド・サリド(2010/09/11)
ユリオルキス・ガンボア対ジョナサン・バロス(2010/03/27)
ユリオルキス・ガンボア対ロジャース・ムタガ(2009/01/23)
ユリオルキス・ガンボア対ワイベル・ガルシア(2009/10/10)
ユリオルキス・ガンボア対ホセ・ロハス(2009/04/17)
ユリオルキス・ガンボア対ウォルター・エストラーダ(2009/02/20)
ユリオルキス・ガンボア対ロジャー・ゴンサレス(2009/01/09)
ユリオルキス・ガンボア対マルコス・ラミレス(2008/10/04)
ユリオルキス・ガンボア対アル・シーガー(2008/07/18)
ユリオルキス・ガンボア対ダーリン・ヒメネス(2008/05/17)
ユリオルキス・ガンボア対ギルベルト・ルケ(2008/01/05)
ユリオルキス・ガンボア対ジョニー・エドワーズ(2008/02/22)
ユリオルキス・ガンボア対アデルテン・デ・ヘスス(2007/10/30)
ユリオルキス・ガンボア対サムエル・ケベデ(2007/10/19)
ユリオルキス・ガンボア対ネストール・ウーゴ・パニアグア(2007/09/21)
ユリオルキス・ガンボア対ホエル・マヨ(2007/07/06)