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「隣人を愛するとは、隣人を食べないことだ」

2017-03-28 | 深井智朗『プロテスタンティズム─宗教改革から現代政治まで』
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2017年 3月28日(火)21時44分50秒

>筆綾丸さん
深井智朗氏の『プロテスタンティズム─宗教改革から現代政治まで』を購入して五十ページほど読んでみたのですが、予想に反して文章は軽快で、あまりにサクサクと読み進めることができて、逆にちょっと不安になりますね。
少し引用してみると、

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 中世ヨーロッパの人々にとって大きな問題は死であった。食物が絶えず不足し、医療はほとんど成立せぬため、生まれてきた子どもが成長して大人になる確率は低く、平均寿命も短い。キリスト教を伝えにきた修道士に「隣人を愛するとは、隣人を食べないことだ」と教えられ、最終的にはペストの脅威にさらされた中世ヨーロッパの人々にとって、死は圧倒的な力であらわれ、戦う前から負けを宣告されてしまうような相手であった。予測できず、突然、逃れがたくやってくる死は、人々の生活の豊かさや充実などよりも、はるかに切迫した問題であった。
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といった具合です。(p7)
「隣人を愛するとは、隣人を食べないことだ」という表現、私は初めて聞きましたが、キリスト教史をやっている人にとっては出典を明示する必要もないほど自明なことなのか。
他にも微妙な違和感を覚える箇所がいくつかあったのですが、一応全部読んでから感想を書くつもりです。

※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
「二つの仙洞御所」
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/8821
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