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苦いチョコレート

2008-12-19 | 佐藤優『国家の罠』&モロゾフ・野坂参三
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2008年12月19日(金)01時08分48秒

>筆綾丸さん
『実録野坂参三―共産主義運動“スパイ秘史”』(マルジュ社、1997)を図書館で見つけ、少し読んでみました。
山口県萩に生まれた野坂参三(1892-1993)には19歳上の兄、小野友槌(1873-1943)がいて、この人が神戸の葛野作次郎という材木商の長女と結婚して婿養子となり、兄を頼って神戸に移った野坂参三は葛野作次郎の五女・龍(りょう.1996-1971)と結婚したのだそうです。
兄弟が姉妹と結婚したという珍しい関係で、葛野(くずの)は兄の家であり、妻の実家でもあったわけですね。
もっともこれは別に秘密でもなんでもなくて、人名辞典の類をいくつか見れば出ていることでした。
同書は「編著:近現代史研究会」となっていますが、会員の名前はなく、どうも匿名の個人の著作のようです。
著者(の一人?)は原稿をある歴史学者に見せたところ、学問的価値はないと言われたそうで、あとがきでその怒りをぶちまけていますね。
ま、なぜそう言われたかは、読めばわかりますが。
また、同書のモロゾフ家関係の情報は『大正十五年の聖バレンタイン-日本でチョコレートをつくったV.F.モロゾフ物語』(川又一英、PHP研究所、1984)で入手したそうで、私はこの本は未読ですが、下記ブログに概要が出ています。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/32682/2620454#2620454

まあ、葛野家側にも言い分はあるのでしょうが、ロシア革命を逃れて言葉も分からない異国に辿り着き、やっと商売に成功したのに、事業拡大のために出資者を募って株式会社を設立したところ、間もなく会社から追い出され、モロゾフの名前も商標としては使えなくなってしまったというのですから、ずいぶん気の毒な話ですね。

>台形史観
莫迦ですね。
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