カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

残秋の北アルプス・笠ヶ岳①

2016-10-12 | ヤマのこと

2016.10.6(木)~10.8(土) 北アルプスへ

毎年恒例我が家秋の連休、今年はずっと行きたかった笠ヶ岳へ行ってきました。

今年は8月後半から毎週末台風が来て、長雨と悪天候に泣かされましたね。
この日程も3か月前から有給申請しているのでずらせません、がまた台風接近。
どうなることかと思いましたが幸いなことに10/6の朝までには抜け、天気予報は午後から晴れマークに。
このチャンスを逃すわけにはいかない!と辛いのを覚悟で夜行バスに乗りました。



水曜日の22:55バスタ新宿を出発し、平湯温泉BSに3:25着
真夜中でも事前予約で運んでくれる濃飛タクシーに乗換え、新穂高登山指導案内所に着いたのが4:00
こんな短時間の移動で眠れるはずもなく、あまりの眠さに横になって夜が明けるまで仮眠させていただきました。
夜中でも開放していてくれるのは本当にありがたい。(トイレ・自販機も利用可能)

目が覚めると降っていた雨も止み、空は明るくなっていた。
身支度を整え6:00過ぎ、いざ!出発。
1時間ほどでいつも羨望の眼差しで見ていた笠新道の登山口に到着。


ドキドキ・・・


標高差1700m以上、キツイと評判の笠新道。
天気が安定していれば、わさび平小屋で前泊してから登ったほうが楽だったけど、
晴れ予報は今日と明日の二日間のみ、ならば今日のうちに稜線まで出たい。
寝不足と暑さが大の苦手な私、鏡平から登る選択肢もあったけど、ここは頑張るしかない。
笠ヶ岳を目指すのに笠新道を登らなかったら、もう一度来なければならなくなると思っていたから。



通り過ぎたばかりの台風の影響がまだ残るしっとりミストな朝
この時期にしては高い気温の中、汗が噴き出す。



標高1700mの道標を過ぎたあたりで大きな倒木に道をふさがれた。
昨夜の台風のせいなのか?
ザックを背負っていては通れない幅、しばし考え、木と木の間からまずはザックを先に送り、
その後自分がなめくじのように木の間を這うように通り抜けた。
ここでまず最初の元気を吸い取られた(^_^;)

台風の後の登山には苦い思い出が・・・この先もっとひどい状況だったら・・・
と一瞬頭をよぎったけど、もう後戻りはできない
ここまできて弱気は禁物、最後まで登りきらなければ終われないルートなのだからと気合を入れ直す。




睡魔と闘いながら黙々と登る。
途中休憩の度に10分ほどザックにもたれて仮眠、
空いている登山道だから気兼ねなく眠ることが出来て、この仮眠でずいぶん助かった。



樹林帯を抜けると、雲がどんどん流れてドカンと姿を現したジャンダルム。
少し目が覚めた。




いつしか青空も覗くようになり、見通しが良くなってきた。
もしかしてそろそろ?



やったー
第一の目標、杓子平に着いた!
今まで黙々と登ってきたから、パーッと目の前に広がるこのカールの眺めは嬉しかった。
登山口から4時間30分、仮眠しながら来たわりにはよいペース?

やっとここで昼食。
でもいつものように汗をかきすぎて食事が喉を通らず、眠いから昼食もそこそこ、また仮眠zzzzz



30分ほど休憩して目の前の岩岩を登っていきますが、
広々とした大地の解放感が気持ち良くて、やっと景色を楽しむ余裕も出来た。



カリカリになってしまってたけど
夏はチングルマのきれいなお花畑が広がっていたのでしょうね。





傾斜はきつくなってきたけど、先ほどまでとは違って気持ちがいいね~
もう少しで稜線?一歩一歩落石を起こさないように登り



やった~稜線乗った!
地図にはここから山荘まで1時間ってなってるけど・・・



楽しい稜線歩きのはずだけど、疲れてて楽しむ余裕はない(笑)
早く小屋に着きたい、その一心で足を前に出すのみ。
ここまで雲に覆われて笠ヶ岳がどこにあるのか?イマイチ解らなかったけど、
雲の切れ間からその姿が見えて驚いた




まだあんなに遠いの・・・( ̄ロ ̄lll)





さすが笠ヶ岳は簡単に着かないね、1時間なんて全然ムリ~~

無心で進んで行くと、黒部側からの強い風で雲が流され、
さっきまで雲に隠されていた笠ヶ岳の全貌が現れた!

わぁ・・・大きいね、小屋、見えたね(棒読み)




いつだって小屋は見えてからが遠いの法則。
しかもテント場がみえてからのゴロゴロ大岩の登りが辛くて辛くて・・・
あと一息って、全然一息じゃないじゃーーん
目の前に小屋が見えているんだけど着かない・・・



もうほとんど寝てるんだか?起きてるんだか?解らない状態で登っていたら、雷鳥さんが!
お腹が少し冬毛になっててカワイイったらないの♪
ありがと~すこし元気が出たよ。



ふーーー。やっと着いた、笠しんど~~~。

登山口から9時間、今日の行程が終わってほっ。
さあ!ビールだビールだ!

小屋にチェックインして
「明日の天気予報はどうですか?あ、晴れですか。じゃあ山頂はあしたにしよう」
と言ったら
「いや、晴れ予報ではありますが、明日のことは解りませんから今日は今日で山頂に行かれた方が・・・」

・・・もっともですが。モウアルケナイヨ(@Д@;





ザックを玄関に置いて、今度こそ本当の最後の力を振り絞り山頂へ(山頂まで10分だけど)
踏ん張らないと時折よろけそうになるほど風が強かったけど、
山頂からの眺めはそれはそれは雄大で、鳥肌が立つほどだった。



御嶽山と乗鞍岳



祠の向こうは黒部五郎さん、北ノ股、薬師岳
なんて素晴らしいの!




今自分が立ってる笠ヶ岳のシルエットとブロッケンも♪


いつも黒部側から
新穂高の駐車場から
平湯バスターミナルから見上げていた特徴のある笠の上には
こんな素晴らしい眺めが待っていたんだ・・・


頑張って登った甲斐があったぁ(ノД`)・゜・



大満足して小屋に戻ります。
もうお腹もペコペコ、持っていた水2リットルも飲みきって渇水した身体を、
待ちに待ったビールが満たしてくれました。
久しぶりに美味しいビール、酔いが回るのあっという間
小屋の夕食は品数も多く、揚げたてのから揚げもとても美味しかった。




小屋の前からは、槍穂が赤く染まるのが見える。
こんな贅沢なロケーションのなかで一日を終えることが出来るなんて。
ここに来れただけでも嬉しいのに、天気も回復しこんな景色に迎えられて、
私は本当に幸せ者だわ、としみじみ感謝の一日を終えました。

翌日へ





■行程■
新穂高温泉駐車場(標高1,105m)6:20→笠新道登山口(標高1,370m)7:25→杓子平(標高2,400m)11:55~12:30
→笠新道分岐(標高2,760m)14:20→笠ヶ岳(標高2,897m)15:45 笠ヶ岳山頂16:10~16:25

▽笠新道データ▽
めったにこんな標高差を登らないので帰ってから調べてみたら、

【笠新道】
・距離 9.9km 最大標高差 1816m 平均斜度 全体:18.3度(白馬大雪渓は平均斜度約17.0度)
・5Kgの荷物を背負う場合の消費カロリー
体重45kgの人:6.430Kcal、体重60kgの人:8.360Kcal
・5Kgの荷物を背負う場合の必要飲料水量
体重45kgの人:3.45リットル、体重60kgの人:4.49リットル
(日本アルプス登山ルートガイドより引用)


どおりで喉は乾くし、お腹が減るわけだ(*´∀`*)




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