小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

「メプチンスイングへラー」に関するQ&A

2014年11月02日 06時23分58秒 | 気管支喘息
 喘息の発作止めである、気管支拡張剤(交感神経β-刺激薬)「メプチン®」は剤型が10種類くらいあるそうです。
 先日、新しい吸入剤「メプチンスイングへラー」が発売されました。
 これは気体・液体ではなく粉(ドライパウダー)を吸い込む剤型で、従来の「メプチンクリックへラー」を改良したもの。比較すると大きさが小さくなり、操作回数も減り簡便になりました。
 7歳以上で使用可能とされており、小学生から処方できます。
 また、メリットとして
・吸入方法がフルタイド/アドエア・ディスカスに近いので、混乱なく使える。
・メプチンエアーのように補助器具を使う必要がなく、持ち運ぶ際にかさばらない(携帯性がよい)。
 等が挙げられます。

 製薬会社のHPはこちら;

メプチンスイングへラー吸入方法ビデオ

 実際の使い勝手はどうなのか、確認する目的で製薬会社さんに説明会を開いていただきました。
 その質疑応答の一部を書き留めておきます;

Q1:間違えて息を吹き込んでしまった場合、どうする?
A1:もう一度やり直す。

 Q1’:吹き込まれた薬粉と唾液が故障の原因になるか?
 A1’:・・・(回答不能)

Q2:間違えて裏面を上にした状態で押しボタンを押すとどうなる?
A2:薬はセットされないので、吸い込んでも薬成分は出ない。

 Q2’:では器具内に吸入されなかった薬物粉は故障の原因にならないか?
 A2’:微量なので無視してよい。

Q3:説明書きに「多重投与防止構造を有するので、過量投与を防止できる。」とはどういうことか?
A3:押しボタンを複数回連続して押すとロックして押せなくなる。

 Q3':ロックを解除する方法は?
 A3':・・・(回答不能)

 Q3'':連続何回押すとロックされるのか?
 A3'':・・・(回答不能)

Q4:連続して使用したい場合は、どのくらい時間を空けるか?
A4:1時間以上開ける。

 Q4':連続何回まで使用可能か?
 A4’:2回まで。それでも発作がよくならないときは医療機関を受診すべし。


 子どもは何か口にくわえると、本能的にまず吹きます。
 吸い込む動作に慣れていませんので。
 「間違って息を吹き込んでしまう」失敗事例がたくさん出てくるはずなので、そこを中心に質問しましたが、説明に来たお兄さんからは「その質問、持ち帰らせていただき後日回答致します」という台詞が何度も聞かれました。
 会社が用意した解答マニュアルにはなかったようですね(苦笑)。
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