母の足だとかかりつけ医まで30分はかかったと思う。内科で肛門もみてくれる医者をネットで探して連れて行ったのが3年以上前だと思う。
最初「なんか頼りないわ」と言っていたが、恥ずかしい箇所をみてもらう訳だから、そのうちに母も頼りにするようになった。
歩行器を押してわざわざ遠くまで行くのは危険極まりないとはらはらしていたが、結構独りで訪ねて行き、そのうちに「先生、お好きみたいだから」と生の平目を持っていったりしだした。私が生モノなんか持っていくのは良くないよと言うと、百貨店でハムを買って持っていったりしていた。
その先生がお腹のレントゲンを撮った時に、胸の片方が写っていないと気付いてくれたのが母の胸水を発見した切っ掛けだった。その後退院してからもちょくちょく通い、逆流性食道炎で脱水状態になった時も連れて行って点滴をしてもらってとうざの危機を超えたのが何回あったか。
昨年末に発症する数日前に連れて行き私が「年末年始先生のところも休みになるけど、其の間無事で済むとは考えにくいなあ」と先生と話したのが最後であった。
その後、一度報告に行かねばと思いつつ果たせていなかったのだが土曜日に医院の受付終了時間を見計らって訪ねていった。
「先生も気にしていただいていたんじゃないかと思うんですが、案の定無事には行かなかったのですよ。」
「今から思うと、こんな遠いところまで独りで車を押してきて、よくぞ途中で事故に会わず、路に迷いもせず、ひったくりに逢う事もなく無事に済んだのは奇跡です。」 先生も「本当だね〜」
「看取りが終わって落ち着いたら、連絡しますで一度付き合ってください。」
先生は頷いてくれた。
















