生まれ変わるための言葉 １１２３

お知らせ　北海道地震、東日本大震災の被災者及びご家族、お知り合いに被災者のいらっしゃる方のためにボランティアによる無料の電話によるこころのカウンセリングを行っております。２４時間受け付けております。ご利用ください。℡０３－５８８８－７３５４です。

【戻り進む日】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。なつを探して、東京からひとりの青年が柴田家を訪れます。十勝の丘で絵を描いていたなつは近づいてくる青年を見るなり、空襲による火に囲まれた自分を助けてくれたその人であることに気づきます。

なつを東京に連れ戻そうとやってきたと勘違いした柴田家の面々の間に緊張が走るが、この青年もまた孤児院で育ち、なつの安否を確かめにやってきたのです。その青年は、「なつの兄は居場所はわからないが、どこかで生きているはずだ」と告げます。

３週ほど前の華丸代打ケンドーコバヤシさんは「なつがこの柴田牧場をやり成功して大吉というドラマですね」、「それは近くを見すぎです」と遠い博多からの声。というのは大樹は【演劇　白蛇伝説】と天陽の家の牛の病気により、人として開かれました。その【演劇　白蛇伝説】は十勝の古くからの言い伝えとしての神話であり、天陽の家は以前大樹が助けた家です。その過去の出来事に戻る事により大樹は人として開かれました。同じようになつは東京新宿と兄の元に戻り、ドラマは開かれ大吉になるでしょう。ケンドーコバヤシさん、戻らなければ進めませんよ‼

このように人も社会もより開かれるためには、先ず戻ることが起きます。今日は日本神話に戻り、明日から日本はより開かれます。個人史も日本史も戻り、進むものです。

生まれ変わるための言葉 １１２２

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【将来からの呼びかけ】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。なつたちの演劇により、泰樹は牛乳の販売を協力することを決意します。その【演劇　白蛇伝説】では十勝の村のように行き止まった村に神のつかいである白蛇が現れました。

ダブルヘッダーの第一試合で長嶋さんは「何ですか！あのなつという女子高生は！『千円札は夏目三久の肖像画から野口英世、今度は北里柴三郎とかわります』だって喝！」、「夏目漱石ですよ、これは親心です」と語る。長嶋さん「夏目漱石と間違いなく言ったら、２塁走者が次の３塁をオーバーランすることになるのかもしれませよ」とこれも親心です。

大樹のような大きな酪農家と小規模酪農家も、野球の世界と放送の世界も、スリランカとイスラムも流儀が異なります。それがともに行き止まった時には、将来からの呼びかけもどこかで行われています。それに大樹は【演劇　白蛇伝説】と天陽の家の牛の病気から気付きました。

生まれ変わるための言葉 １１２１

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【人の役わり】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。宮沢賢治のような倉田先生の【演劇　白蛇伝説】では十勝の村のように行き止まった村に神のつかいである白蛇が現れます。

蛇や海老は脱皮します。脱皮により成長します。倉田先生はいま行き止まった十勝の村が、蛇のように脱皮することを願ったのでしょう。村全体の脱皮のために神のつかいである白蛇は、身をささげました。

現実の行き止まり状態は、将来のＺＥＲＯからの呼びかけです。その呼びかけは神から白蛇をこの世に遣わせます。白蛇をこの世に遣わせたときに、神はその役わりを終わっています。

蛇や海老の脱皮が蛇や海老にゆだねられているように、村全体やグループ全体の脱皮もその人たちにゆだねられています。これが人の役わりです。

生まれ変わるための言葉 １１２０

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【魂の働き】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。十勝農業高校演劇部の倉田先生は「芝居の魂」を、宮沢賢治のように真ん中に置きます。いよいよ始まる演劇大会に向かう泰樹の前に、天陽の家から「牛の具合が悪い」と知らせが入ります。

なつが、なつ自身に戻っていくとzeroになり、なつを含めた何人もの演劇部員のzeroが収束すればＺＥＲＯになります。そこから現れたものが魂です。この魂のあらわれが、現実の世界です。魂は現実に有る世界に働きかけます。

浜の番長よりかわいい番長門倉に高木君は「お前は村おさの杖より七五三の飴でもなめてろ‼」と言われ、杖を取り上げられ手しまいます。これは我が現実の世界に働きかけたものです。それに対して魂が現実に有る世界に働きかけるとき、杖ではなく我の現実の世界に有る働きを取り上げ手しまいます。演劇大会に向かう泰樹の前に天陽の家から「牛の具合が悪い」と知らせが入ったのは泰樹の我が取り上げられ、魂が現実に有る世界に働きかけたのです。

魂は先ず我を放棄させ、現実に有る世界に働きかけます。

生まれ変わるための言葉 １１１９

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【魂のある世界】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。十勝農業高校演劇部の芝居の稽古でなつに、倉田先生は「芝居に魂が観えてこない」と伝えられます。そこにいた天陽が倉田先生に「魂、魂ていったい何ですか」と訴えかけると、宮沢賢治であろうとする倉田先生は「そうだ自分でもよくわからん」と語り「なつだったら、なつという人間を通して演じてもらいたい」と結びます。一方、浜の番長よりかわいい番長門倉は村おさを、いつも通りおうへいに演じようとします。

なつが、なつ自身に戻っていくとzeroになります。そのzeroから演じられもが、「魂の演技」です。何人もの演劇部員のzeroがＺＥＲＯに収束し、そこから現れたものが魂のある【劇　白蛇伝説】になります。同じように現実を生きる十勝の人々のzeroがＺＥＲＯに収束し、そこから現れたものが魂のある十勝の酪農になります。

だが演劇の仲には浜の番長よりかわいい番長門倉が、十勝の酪農家の仲には泰樹というzeroになりにくい人がいます。だからこそＺＥＲＯというすでに有るものが働き出し、かわいい番長門倉や泰樹というzeroになりにくい人をテコにして、十勝全体を魂のある村にしようとしたのかもしれません。

生まれ変わるための言葉 １１１８

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【魂の解放】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。十勝農業高校演劇部の芝居の稽古が始まり、自分なりに演じてみるなつに倉田先生は何度も駄目出し。なつは「芝居に魂が観えてこない」と伝えられます。

この芝居のテーマは『個人の問題と集団の問題』。芝居の中の村にも今の十勝にも悲しみによる閉塞感からの解放が、渇望されています。どちらも未来のその村と十勝の人々の、今のありかたです。今その閉塞感から魂の解放が起きれば、未来のその村と十勝の人々が救われる方向に向かいます。

だが今その閉塞感からの魂の解放が起きても、現実そのものは解放されていません。その現実と解放された魂の解離は今このとき直接に自覚化されるがゆえに、現実の解放に向けた魂の有る働きは今起き永遠に続きます。

倉田先生の「芝居に魂が観えてこない」という言葉は、より正確には「芝居に魂が現れて、閉塞感から解放されていない」という意味でしょう。先ず魂が解放され、その魂の有る働きにより現実の解放は今起き永遠に続きます。

生まれ変わるための言葉 １１１７

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【個人の問題と集団の問題の解決】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。演劇部顧問の倉田先生は「この脚本のテーマは『個人の問題と集団の問題』だ」と語り脚本を渡します。なつが祖父の泰樹を思い入部したことを知る倉田先生により、物語の重要な役はなつに与えられています。なつはその台本を読み、「この演劇を観て感動すれば『何か』が変わる」と語ります。

泰樹も天陽の父もそれぞれ『個人の問題』を持つ、海老の多くある足の一つです。それでは十勝の海老の頭は、何でしょうか？それがなつの語る、「この演劇を観て感動すれば『何か』が変わる」の『何か』です。

「まんぷく」であれば咲姉ちゃんとして現れるものが、「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」であれば亡くなられた中居さんのお父さんである正志さんとして現れるものが『何か』です。

海老の頭は『何か』であって、けっして浜の番長よりかわいい番長門倉のような力を持つ者ではありません。倉田先生のテーマとした『個人の問題と集団の問題』は門倉のような力、テロによってではなく『何か』がおだやかに解決していくものです。

生まれ変わるための言葉 １１１６

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【自分の人生の物語の真の主役、主体になる】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。泰樹と剛男とのもめごとの解決のために演劇を始めるなつは、浜の番長よりかわいい番長門倉に呼びだされ、「女が演劇をやるのは日本の農業高校生の恥だ」と言われますが、押し問答の末その門倉も演劇に参加することになります。

門倉は日本の農業高校生の主役になりたいのでしょう。なつはなつの、門倉は門倉の、その人はその人の人生の物語の主役です。だが真の主役ではありません。門倉には力により、自分の人生の物語の主役になりたいということが極端に現れています。

誰しも自分の人生の物語の主役に、主体になりたいものです。今なつは泰樹と剛男とのもめごとを解決する事を通して、自分の人生の物語の真の主役になろうとしています。門倉が力により自分の人生の物語の主役になっても、自分の人生の物語に出てくる人全体には本当の意味でなれません。だがなつが泰樹と剛男とのもめごとを解決して、十勝を一つにできれば本当の意味で十勝の人全体にもなります。

自分の人生の物語の真の主役、主体になるには自分の人生の物語に出てくる人全体になることが必要です。今なつは自分を泰樹と剛男のために失うというプロセスを歩み、自分の人生の物語に出てくる人全体になる道を歩んでいます。門倉も自分を失うプロセスを歩むことにより、真に自分の人生の物語の主役になる道に加わりました。その道こそが真の主役、主体になる道です。

生まれ変わるための言葉 １１１５

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【book　しなくていいがまん】

ニュース〈小林麻耶さんが、4月19日放送の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」に出演しました。ネット上は小林さん夫妻への歓迎ムード一色か......と思いきや、「何で小林麻耶はテレビに出ているんだ？」という疑問の声が相次いだ。〉

小林さんが「しなくていいがまん」により、「こころの垣根」をすり抜けられるようになったゆえの出演と思います。だが大切なことは、もともと「こころの垣根」はどこにもないという事です。今それに気づきました。今まではもともとない「こころの垣根」に苦しんでいたのでしょう。妹の麻央さんの志を継ぐ「癌の基金」の設立も「えいえいお～」と勢いよくやると、もともとない「こころの垣根」を作ることになりがちです。それよりもゆるやかなネットワークを作る方が、スムーズに進みますね。海老の多くの足がネットワークとして有り、働き出せば良いのです。最も大切な気遣いは、ネットワークから生まれるものです。

麻耶さんには「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」を通して惚気のネットワークだけではなく、癌のゆるやかなネットワークをさらに広めてもらいたいものです。

生まれ変わるための言葉 １１１４

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【第三の目】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。「いまの十勝の酪農についての演劇をやることが泰樹のためになる」と伝えられたなつは、演劇部の顧問の倉田先生から「その劇の女優になり演じろ」と言われます。泰樹になつは、それを「自分を表現してみたい」と告げます。

話の中の話、ニュース番組の中の漫才、十勝の中の演劇は新しい扉を開くかもしれません。ニュース番組の中の漫才がその人を異なる方向から表現するように、十勝の中の演劇もその地域を異なる方向から表現します。

泰樹も剛男もなつの演劇を第三の（定点とする三角測量の）目として、いまの十勝を知るでしょう。自分を知るには第三の目が必要です。

生まれ変わるための言葉 １１１３

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【新しい扉を開ける】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。いま泰樹と剛男は真っ向から対立しています。困ったなつは演劇部の倉田先生に相談すると、「いまの十勝の酪農についての演劇をやることが泰樹のためになる」と伝えられます。

柴田家の夕食で夕見子は「はっきりと言わせてもらう。連休の天気を知らせているときに、なんで高瀬さんが漫才をやるの。それにぜんぜん面白くない」とうったえると、「そんなこと言ってはいけません」と言う皆に、夕見子は「あの人いつも私のはっきりしたところ好きだって言っているよ」と結論。

それに対しなつは「話の中の話、ニュース番組の中の漫才、ドラマの中の演劇は新しい扉を開くのかもしれない。だから倉田先生は『いまの十勝の酪農についての演劇をやることが泰樹のためになる』」と言ったのかもしれないと、それとはなしに気づいているのかもしれません。

夕見子さん！「はっきりと結論を出すとそこで扉は閉じてしまいますよ。『アナウンサーのなかで高瀬さんは漫才のセンスが一番いい』と言えば高瀬さんもすぐそばにいる華丸大吉さんに教わり漫才の練習に励み、なつの演劇が実を結ぶように漫才も実を結びますよ」。新しい扉を開けたところには、すぐそばにあるものを活かす世界が現れます。

生まれ変わるための言葉 １１１２

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【困難を真に解くもの】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。いま泰樹と剛男は真っ向から対立しています。なつは同級生の雪次郎に悩みを打ち明け、演劇部の顧問倉田先生に相談してみてはとアドバイスを受けます。

早速、雪次郎に連れられ倉田先生に会いに行くと、倉田先生は「千鳥ノブさんに聞けば大吉だ」と言われ向かうと「ノートルダム大聖堂の火災でも風見鶏だけは、この千鳥ノブにより何事もなかった」と言われ、なつは何が何だか分からなくなります。千鳥さんは「実は僕もわからない。『朝ドラにでると有名になれる』と若い女性歌手から聞き朝ドラに出演したらこうなった」と続きます。その若い女性歌手は山口から新潟へ再出港する、船にも乗っています。

いまここにおいては全ては一つ。ただしなつのように方向損失に落ちった時に、全ては一つとして有り働き始めます。困難を真に解くものは、全てを一つとして働き始めるそこに有る力です。

生まれ変わるための言葉 １１１１

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【人生の大きなハンドル】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。泰樹は「剛男が農協で進めている、牛を貸し、酪農家を牛耳るやり方には賛同しない」と言い、二人は真っ向から対立してしまうのです。ここで内村光良さんナレーション、「この事がなつの人生を大きく変えます」。

なつは農業高校にいき、泰樹とともに酪農をやろうと思っていたのでしょう。泰樹も剛男も、自分で方向を決めて進もうとしています。だが人生のハンドルは、特に大きなハンドルは自分で切るものではありません。周りが切らせるとも言えます。

なつは自分では、泰樹とともに酪農をやろうとまっすぐに進みました。だが人生の大きなハンドルは、これから周りが切らせるのでしょう。内側から光が来るように見えることも、初めの内は外側からの光に導かれています。

生まれ変わるための言葉 １１１０

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【地続きな物語】

「ＮＨＫ朝ドラ なつぞら」のなつは、剛男の戦死した友の美しい子。仔牛を救い、なつは泰樹から夕方の乳搾りを免除されます。そのなつは学校帰りに天陽の家に立ち寄りふたりで、お互いの姿をスケッチし合います。農協に勤める剛男と酪農家の泰樹は、酪農の将来について対立しているようです。

なつが仔牛を救ったのは現実の出来事です。天陽の家が泰樹により救われたのも、現実の出来事です。酪農の将来は思考のうえでのことであり、その対立もその延長線上にある対立です。

農協に勤める剛男には剛男なりの、酪農家の泰樹には泰樹なりの酪農の将来についての物語があります。二つの物語は断絶しています。だがなつが仔牛を救った物語と、天陽の家が泰樹により救われた物語はいまここにおいて地続きです。

多くの場合、断絶した物語のすき間に地続きな物語が入り両者を連結し物語という汽車を前に進めるものです。大切にしなければいけないのは地続きな物語です‼

生まれ変わるための言葉 １１０９

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【真に向かうべき道】

生まれた仔牛は息をしていません。だが落胆する一同を前に、その仔牛をなつは生き返らせます。

なつは現実に向かい、現実に仔牛を生き返らせます。これは厳しい現実です。ほんもののサッポロビールです。これがスマートホン上のゲームであれば、ノンアルコールビールです。前者は現実に向かい現実を生きますが、後者は現実（のゲーム）に向かい現実から逃避します。

現実をすべすべとした曇りのないものにしたいと思いながらも、破壊性に支配されている世界はノンアルコールビールが極まることにより窮まった世界といえます。

現実から分離しすぎた仮想現実は、究極的には破壊性に支配されます。その破壊性こそが、真に向かうべき道を示しています。