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2024『うだつをいける』~華道家 假屋崎省吾~ に、行ってきました🌸

2024-02-14 22:56:15 | 徳島 うたかたの日々
先月末に、美馬市の「藍商佐直(あいしょうさなお) 吉田屋住宅」で開催されている、假屋崎省吾さんの「歴史的建築物に挑むシリーズ 華道歴40周年記念」である『第16回 うだつをいける ~伝統と共に未来へ~』に行ってきました。
『うだつをいける』には、以前にも来訪しました。その時も、吉田屋住宅を花器にして、内部の空間を全て生けている大胆さに目を見張り、素晴らしいなと思いました。
また再訪したいな、と思っていたところ、コロナで延期。しかし緊急事態宣言が起きていた頃から早4年、コロナも昨年の初夏に5類になり、早速会場の脇町へと車を走らせました。

「道の駅 藍ランドうだつ」の広い駐車場に車を停めて、そこから案内看板のままにゆるやかな坂を上り、徒歩4分ほどで会場の吉田屋住宅に到着します。
「うだつの町並み」の通りに面した玄関先には、入場しなくても観賞できる作品もあります。こんな風に、畳の上から天井まである、大胆な生け花です。見たら思わず、中に入りたくなりますよね?!
この玄関の左側にある別の入り口を入ると、お土産物コーナー&チケット販売口があります。假屋崎先生も、パネル姿でお出迎えです。
1階、2階、そしてここから200メートル離れた先にも、「脇町劇場 オデオン座」に作品の有料展示があります。
市の指定文化財の吉田屋住宅は、江戸時代の藍の豪商だった方のお屋敷で、敷地は600坪もあります。私が訪れたのが平日の午後で、1階にも2階にも、10人ほどお客さんが来られていました。
帰りに駐車場に向かう坂で、大型バスから降りて来られた、30人くらいの団体ツアー客と出くわしましたが、それぐらいの方が入場しても大丈夫なぐらい、往時の豪勢さがしのばれる場所です。
そんなお屋敷一杯に、花や木がお着物、和傘(脇町は和傘でも昔から有名です)と一緒に作品として展示されています。どれも見ごたえタップリなのですが、個人的なBest3と言われたら、以下のようになります。

脇町オデオン座とのセットの当日券で1,200円を入口でお支払いして、靴を脱いで座敷に上がって右の奥の部屋に入った時です。
【第一位】 「桐とシンビジウム(洋蘭)の展示」
床の間いっぱいに伸び伸びと、左横の障子窓から入ってくる真冬の陽光を浴びて、金箔を混ぜた白い壁の前で桃を思わせるパステルピンクと、ブドウを思い起こさせる赤紫の蘭の花弁が、桐と一緒にタップリと活けられているのを見て「ああ、可愛いなぁ💖」と思わず声が出ました。
今は真冬だけど、ピンクは確実に春の到来を感じさせるような希望がある色彩です。
そもそもピンク色が子供の頃から大好きなので、ピンク色が床の間一面にあったのが嬉しかったです。
以前、千本桜で有名な奈良県の吉野山に行った時も、満開の桜で目の前が全てピンク色だったので、感激しました。ピンク好きにはたまらない場所です。
話を戻して、この作品は色彩もいいけど、所狭しと黒っぽい花瓶から植物の生命力があふれ出すように自由奔放に桐の枝が伸び、蘭が咲きこぼれていたのが美しかったです。
ちなみに、ココで同行のカーラ(仮名)を生け花をバックに撮影しましたが、他のどこで撮った時よりも、一番きれいでしたよ。ライティング(明るい自然光)と、背に少女漫画みたいに、ピンクの咲き誇る花を一面にしょって撮れるのがいいみたいです。行かれたら、ここでマストショット📷!です。

【同点一位 オデオン座の展示】
脇町劇場に行くのは、時間の都合でどうしようかな・・と思ったんですが、チケット売場で「セット割があるし、歩いても行けるし、車なら駐車場がすごく空いているし、ココとは展示の種類が違ってまた面白いですよ! ぜひ!」と強力な推薦があり、行ってみることにしました。

吉田屋住宅から200メートルなので徒歩でもいいんですが、カーラの要望で車を出しました。
着くと、確かに空いていた駐車場に停め、入口でチケットを見せて、ここでも靴を脱いで入ります。
昭和9年に芝居小屋として建てられたオデオン座の内部は体育館のような空間ですが、間口14.5メートル、奥行き27メートルいっぱいにここでは、色とりどりの花や樹木、それから果物、そしてペイントされた木材まで花のように活けられており、生きている植物みたいに好きな方向に生えているように見えて、驚きます。
カラーリングされた木材なのに、制約なく思う存分に枝を伸ばす生きた樹木に見えてきて、観賞しているこちらの方まで気分が伸び伸びと晴れやかになってきます。
展示は、前の舞台と、左右の側面いっぱいに繰り広げられています。
チケット売場で言われた通り、作品の規模が大きくて、活け方や趣向が吉田家住宅とまた違うので、プラス200円なら、本当に来て良かったな、と思いました。
二階建てなので、階段を上って、上からも全体を観賞しました。

なお、オデオン座の展示ですが『うだつをいける』でいろんな作品と一緒に撮影してみて、帰宅後に全て確認した中でも、こちらで撮ったものは秀逸でした。と言うのも、いわば「脇町国際芸術祭」の作品の前で撮ったみたいな、アートな一枚になるからです。インスタ映えするし、訪問客も吉田屋住宅に比べると、どうやら控えめになるみたいなのでじっくり観賞することもできます。オデオン座はセット観賞がおすすめ📷ですよ。

【第三位 『花咲か爺さん』の展示(吉田屋住宅 2階)】
『花咲か爺さん』の言葉が、この作品を見た途端に頭に浮かびました。
「枯れ木に、花を咲かせましょう🌸」と言いながら、枯れ木にフゥワッとまいた灰が、見事な満開の桜の花になって、そこを通りかかった殿様が驚嘆してご褒美を授けたという、心優しい花咲か爺さんの民話。
假屋崎省吾さんは、川辺の流木や枯れ木、古木を見事に息を吹き返らせて、生き生きと蘇生させます。
この作品がとりわけ、梅の古木や枯れた松の木に、真ん丸おっきな南天の五色玉(飴玉にも見えて美味しそうです💖)や、シンビジウムや夏みかんで蘇らせる、「花咲か爺さんの魔法」を一目見るなり感じました。
假屋崎先生って、「花咲かお兄様」だったんですね🌸

ところで個人的にレンコンが好きで、今日の夕食も筑前煮で蓮根をいただきました。夏に咲く、蓮の花も好きです。
ゆえに、枯れたレンコンの花托(かたく。いっぱい目があるように見えて、コワイっていう人もいますが)と、珊瑚みたいな梅の古木のコラボにも、個人的にツボりました。
こちらの作品は、枯れ木に八朔が実っていました。生命力を感じさせるオレンジと枯れ木のコラボ。假屋崎マジックの手にかかると、意外な取り合わせでも素敵に生き生きと美しく感じるものですね。

吉田屋住宅を出る時に、チケット売場の前でいろいろとお土産用の生け花の鉢を売っていたので、一つ買って帰りました。
しっかりした鉢の中のスポンジの土台に、アートにシンビジウムなどを活けています。今は冬だし花も蘭なので持ちがよく、2週間経ちますが、家の食卓のテーブルを綺麗なまま飾ってくれています。ちなみに、写真は吉田屋住宅の前の、葉牡丹の鉢と一緒に撮影しています。
2024年は、3月3日(日)まで開催。2月17日と18日の土日には、オデオン座で仮屋崎先生のデモンストレーションとトークイベントもあります。
まだ『うだつをいける』に行ったことが無い方はもちろん、前に行った方も、やはり今年は今年の感激があります。オデオン座も一緒に、ぜひご覧になってみられると、とってもイイですよ🌸

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