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今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

日本文化・10の奇跡―世界を魅了する発信力の秘密

2024年05月05日 | 全般
日本が、強力な文化的な発信力をもつに至った歴史的背景には何があるのか。私はそれを、以下の10の観点から探ってみました。
(1)文化の継続性
(2)縄文の記憶
(3)他文明の吸収力
(4)作り変える力
(5)キリスト教への態度
(6)相対主義
(7)穀物・魚貝文化
(8)母性原理
(9)独特の自然観・人間観
(10)道の文化
この10項目は、日本文化全体の特徴というべきものですが、今回は、それぞれの項目がなぜマンガやアニメといった日本のポップカルチャーの発信力につながるのか、という視点から概観的に語りました。ここでは上の10項目のうち3つを紹介します。続きは以下の動画で御覧ください。
⇒ ★日本文化・10の奇跡―世界を魅了する発信力の秘密

(1)文化の継続性――大陸から海で適度に隔てられた日本は、異民族により侵略、征服されたなどの体験をほとんどもたず、そのため縄文・弥生時代以来、一貫した言語や文化の継続があった。
 
世界史対照年表などで見るとはっきりと分かりますが、単一で存続し続けた国家として「世界最古の国家」は日本です。日本より古い国々はありましたが、崩壊したり侵略されたりして塗り替えられました。国家としての継続性は日本が最長なのです。そして日本人は民族としての土台を塗り替えられた経験を持たぬまま、縄文時代から文化が継続されてきたのです。これが第一の奇跡といってよいでしょう。

(2)縄文の記憶——漁撈・狩猟・採集を基本とした縄文文化の記憶が、現代に至るまで消滅せず日本人の心や文化の基層として生き続けている。

世界中の産業文明の国々は、「前農耕的な」時代の文化の遺産をほとんど残していません。たとえばヨーロッパでは、キリスト教以前のケルト文化をほとんど忘れ去ってしまいました。ケルト人は、牧畜・農耕を営んでいましたが、都市は発達せず、森との共生の中に生きていました。日本の縄文文化は、一部農耕を取り入れながらも、狩猟・漁労・採集中心の豊かな文化で、それが約1万3千年も続きました。しかもその精神的な遺産が、強力な国家や宗教などによって圧殺されずに、現代日本人の精神の中にも生き続けています。世界がほとんど忘れ去ってしまった文明の古層が、現代日本の中に息づいているのです。

たとえば日本のどこにでも見られる神社は、縄文人の信仰の遺産の一端だとも言えるでしょう。そこに「日本文化のユニークさ」の基盤がります。世界がマンガ・アニメに引かれる背景には、現代文明の最先端にありながら他の近代国家がほとんど忘れてしまった縄文的な何かがそこに息づいているからではないでしょうか。その何かとは、生命と無生命、人間と他の生き物を明確に区別しない文化、アニミズム的、多神教的な文化とも言えるでしょう。生命のあるものとないものとがたえず交わり、絡み合う世界を描くマンガ、アニメ、ゲームなどの魅力。このように、機械と生命と人間の境界があいまいで、それらが自由に融合していく日本のファンタジー世界は「テクノ-アニミズム」の魅力とも呼べるでしょう。

(3)他文明の吸収力
大陸から適度な距離で隔てられた島国であり、外国に侵略された経験のない日本は、大陸の進んだ文明の負の面に直面せず、その良い面をひたすら尊崇し、吸収・消化することで、独自の文明を発達させることができた。

ユーラシア大陸のほとんどの国は、古代から他民族によって侵略され文化を破壊された経験をもちます。近代では、アジアとアフリカと南北アメリカのほとんどの国がヨーロッパ諸国の植民地とされました。日本がそういう経験をもたず、古代からの固有な文化を保ちながら現代に至ったこと自体が奇跡のひとつと言えるでしょう。日本は、こうした歴史のため、海の向こうから来るものを、恐ろしく破壊的で邪悪な何かと感じるのではなく、進んだ文明をもたらしてくれる善きものと感じ続けたのです。こうして中国文明も西洋文明も貪欲に吸収することができました。この意味で非常に学習力の高い民族だったと言えます。その結果、文明の古い層を残しながら文明の先端をも走っている、重層的な国なったのです。その重層性の中から、世界を魅了する日本文化の発信力も生まれてくるのです。

続きは以下の動画で御覧ください。
⇒ ★日本文化・10の奇跡―世界を魅了する発信力の秘密

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